【夕顔77-3】古文単語「いま一方」とは
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
古文特有のニュアンス古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
いま一方は、主強くなるとも、変はらずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて、とかく聞きたまへど、御心も動かずぞありける。
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今回出てきた古文単語
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■【いま一方】…もう一方
※【いま】…もう
※【一方(ひとかた)】…一方の人
■【は】…提示の係助詞
■【主(ぬし)】…夫。主人
■【強くなる】…しっかりする
※【強し】…丈夫だ。強い
■【とも】…~としても(逆接仮定条件の接続助詞)
■【変はら】…ラ行四段動詞「変はる」の未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【うちとけ】…カ行下二段動詞「うちとく」連用形
■【ぬべし】…きっと~だろう(確述用法)
※【ぬ】…強意の助動詞「ぬ」の終止形
※【べく】…推量の助動詞「べし」の連用形
■【見え】…ヤ行下二段動詞「見ゆ」の連用形
※【見ゆ】…見える。思われる
■【し】…過去の助動詞「き」の連体形
■【さま】…ようす
■【なる】…断定の助動詞「なり」の連体形
■【を】…対象の格助詞
■【頼み】…マ行四段動詞「頼む」の連用形
※【頼(たの)む】…あてにする
■【て】…単純接続の接続助詞
■【とかく】…あれこれと
■【聞き】…カ行四段動詞「聞く」の連用形
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」の已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【御―】…尊敬の接頭語
■【動か】…カ行四段動詞「動く」の未然形
■【ず】…打消の助動詞「ず」の連用形
■【ぞ】…強意の係助詞
■【あり】…ラ変動詞「あり」の連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」の連体形
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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☆ 本日の古文単語「いま一方」 ☆
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【今(いま)】
【名詞】
①現在。現代。今の世
②新しいこと。新しいもの
【副詞】
①たった今。ちょうど今
②今すぐに
③まもなく。近く
④新たに。最近
⑤さらに。もう
【一方(ひとかた)】
【名詞】
…一つの方面。一方の人
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
「いま」という古語は、
英語で言う「now」と同じ感じ☆
私は、出てきたら、まず「もう」と置き換えてみます。
それで意味が不自然でなければオケー!
(σ・∀・)σ
今回は、
「いま一方」という形でフュージョンしています。
はてさて…いったい誰のことでしょう…?
いま一方は、主強くなるとも、変らずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて、とかく聞きたまへど、御心も動かずぞありける。
問)傍線部とは誰のことか。最も適当なものを選べ。
1.光源氏が愛したもう一人の女性である軒端荻
2.光源氏の現在の想い人である六条御息所
3.光源氏のかつての恋人であった空蝉
4.光源氏のこれからの恋人となるはずの夕顔の君
こういう、主語を問う確認問題は、
私大の公募推薦なんかでも、よく出てきますよん♪
(o^-')b
正解……1
いま一方は、主強くなるとも、変はらずうちとけぬべく見えしさまなるを頼みて、とかく聞きたまへど、御心も動かずぞありける。
● 過去記事リンク
■変はる
■うちとく
■ぬべし
■とかく
■心
■ぞ・ぞや
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