【帚木167-2】「とかく紛れ」る具体的対象を押さえよ! | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

【帚木167-2】「とかく紛れ」る具体的対象を押さえよ!

勉強がんばってますかラブラブあいです。

 

この【イラスト解釈】は、文法や解釈、古典常識などを解説しています。

【イラスト訳】から6時間ぐらい空けて読んでね♪


↓今日の源氏物語はコレ↓

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「…よるべとは思ひながら、さうざうしくて、とかく紛れはべりしを、…」

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【源氏物語~これまでのあらすじ】

桐壺帝の御子である光源氏は、臣下に降格してからも継母である藤壺宮を忘れられないでいました。五月雨が続くある夜、宮中の宿直所で、光源氏は義兄で親友の頭中将と、女性論の話になり、そこに友人の左馬頭、藤式部丞が加わって、さらに話は盛り上がります(雨夜の品定め)。女の身分が3つに分けられ、左馬頭が具体的な女性論を、たとえ話を出して説明していき、さらに女性体験談が語られていきます。

今日は、「紛る」の対象について☆

ではいってみよ~~っと♪

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よるべとは思ひながら、さうざうしくて、(A)とかく紛れはべりしを…
 

問)傍線部(A)の解釈として、最も適当なものを次の中から選べ。

 

1.ともすれば本気で相手しなくなっていたということ。

2.ともかくこの女性に気持ちを集中させていたこと。

3.何かと多忙で気持ちが薄らいでしまったということ。

4.あれこれ他の女性にかかずらっていたということ。

5.どうしても気持ちが他の女性に移ってしまったということ。


こんな解釈問題が、センター古文問3などでもよく出題されます。


 

今回の解答ポイントは、


「とかく」の意味

直前「よるべ~さうざうしくて」とのつながり

「紛れ(紛る)」のここでの意味
 

この3点が、きちんと押さえられている選択肢を捜すことです!

(≡^∇^≡)

 

ではいってみましょ~♪

   ↓↓

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「とかく」の意味

 

とかく」は現代でも、「ともかく」という形で使うこともある副詞です。

 

特に目立った重要古語ではありませんが、

選択肢の中に、「とかく」の訳出めいた部分がありますので、

1つひとつ押さえていく必要がありますね。

 


【とかく】(副詞)

①あれこれと、何やかやと
②どうしても、いずれにせよ、とにかく
③ともすれば、ややもすれば

(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)

 

 

(選択肢)

1.ともすれば

2.ともかく

3.何かと

4.あれこれ

5.どうしても


 

Σ( ̄□ ̄;)!!


 

ど、どれも意味が適合していますね~;

ていうか、わざと適合させたんですけど^^;


 

大学入試では、このように、「この単語なら分かる」という部分の選択肢が、言葉を巧みに変えて、置き換えられている可能性もあります。

 

いやらしいですね~~ヽ(*'0'*)ツ

 

「とかく=ともかく」などと、一義的にとらえ、

あとの選択肢を削るなんていうミスはしないでくださいね^^;


 

古文単語は、基本の意味を押さえ、

文脈に応じて訳出をアレンジしていく。

 

この基本姿勢さえ間違えなければ、

言わずもがなのことですが(*^_^ ;

 

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直前との文脈つながり

 

傍線部解釈が出題された場合、

古文では必ず、直前直後のつながりを押さえていく必要があります。


 

特に、直前部分は、傍線部の文脈イメージを決定づけるためにも、重要なポイントです。


 

今回は、

「よるべとは思ひながら、さうざうしくて、…」という流れから、

傍線部(A)につながっていきます。


 

・誰のことを、「よるべ」と思っているのか。

・どういう状況が「さうざうし」いのか。

   ↑↑

この2点をポイントに、文脈を追っていきましょう。

(o^-')b


 

「よるべ」=頼りとする所
源氏物語イラスト訳で古文・国語の偏差値20アップし大学受験に合格する勉強法

 

若かりし左馬頭は、容貌のそれほど整っていない女性を、

よるべ」としていたようですね。(`∀´)


 

「さうざうし」=物足りない、寂しい

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ですが、まだまだ遊びたいお年ごろ☆

このおかめさんだけでは、ちょっと満足がいかなかったようです。

(^▽^;)


 

こういう文脈からの傍線部(A)です。

 

なので、女性関係を表す内容が入るという視点で、

選択肢を見ていくと…


 

3.何かと多忙で気持ちが薄らいでしまったということ。

   ↑

この選択肢は、ちょっと文脈的に△がつきそうですよ!

ヽ(゚◇゚ )ノ

 

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「紛れ(紛る)」のここでの意味


最後に、いちばんのポイントである「紛る」の意味を押さえましょう♪


 

【紛る(まぎる)】(ラ行下二段動詞)

①入り混じってわからなくなる

②他のものに隠れて見分けにくくなる

③他の事に心惹かれる

④あれこれと忙しくて混雑する
(※『全訳古語例解辞典』小学館 より)



「紛る」という言葉の基本的な意味を押さえ、

選択肢のニュアンスにマッチするかを当てはめていきましょう♪

(o^-')b


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1.本気で相手しなくなっていたということ。

 →「他のものに紛れる」という基本の意とズレ

   (△)

 

2.この女性に気持ちを集中させていたこと。

 →「紛る」の意味と真逆

   (×)

 

3.多忙で気持ちが薄らいでしまったということ。

 →「他のものに紛れる」意に該当

   (○)

 

4.他の女性にかかずらっていたということ。

 →「他のものに紛れる」意に該当

   (○)

 

5.気持ちが他の女性に移ってしまったということ。

 →「紛れる」と「移る」では、微妙にズレている

   (△)

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いかがですか?

正答が見えてきましたか~~?

(*゜▽゜ノノ゛☆

 


たしかに、なんとなくのイメージだけで見れば、

1や5の選択肢でも、絶対に間違いとは言い切れません。

 

しかし、「紛る」の基本の意味に最も該当するものが、他になかったでしょうか?


 

また、「紛る」の語意だけで見れば、

3の選択肢でも、何ら問題ありませんよね。

 

ですが、直前からの文脈として最も適当な選択肢は、他になかったでしょうか?


 

これが、センター国語で、「最も適当なものを選べ」と言われる意味なんですね。

 

あなたは、いくつかの解答ポイントを念頭に置いて、

より適当な選択肢を選べますか?

(o^-')b


正解は……
 

今回のイラスト訳はこちら→

あいでした音譜