⛩【スサノオと菊理媛を巡る旅】いざ黄泉の国へ

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荒川祐二＆Teamスサノオです☆

 

 

 

 

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ？

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意！

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男

19話目. 天武伝説

20話目. 血の穢れの始まり

21話目. 血の穢れの答えを求めて…

22話目. 勇者 泰澄の誕生

23話目. 次、生まれ変わるなら…

24話目. 白山に来たれ 

25話目. いざ、白山へ

26話目. 白山比咩神社で感じた不安

27話目. 勇者 泰澄、現る

28話目. 勇者 泰澄との対話

29話目. 魂は永遠に

30話目. 閻魔大王と地獄の正体

31話目. 天武天皇の鎮魂

 

 



『生と死を司る 伝説の女神 菊理媛』の正体、

父の魂の行く末、
そして、

 

天武天皇の鎮魂。

この旅に於ける、

 

すべての過程を経て、

 

 



いよいよ僕らは、

 

イザナギとイザナミの和解という、

 

 



この旅に残された最後の課題へと、

 

立ち向かう。

この日僕らは、

 

再びの淡路島へと向かって、

 

車を走らせていた。

 

 

 



 

あ「あの…泰澄さん…？」

 

 

 



 

泰澄「…なんだい？」

 

 

 



 

あ「白山の山頂で『用意してほしい』と仰っていた、

 

菊理媛の依り代となるもの、

 

なのですが…。

 

 

こちらでいかがでしょうか…？」

ス「かわいい野イチゴやな…」

あ「黙らっしゃい。

 

これは、『聖麻（大麻）飾り』と言って、

 

 

今回の件があって、

 

知り合いの方に無理を言って、

 

急ぎで作って頂いたんです」

泰澄「…ほう」

 

 

 



 

あ「これ実は二つが別々の、

 

結び飾りになっていて。

 

 

この結び目を、

 

菊理媛にちなんで、

 

『菊結び』という形で、

 

結んで頂いたんですね。

 

 

さらにこれは、

 

解くことも出来ます」

あ「菊理媛は一般的な読み方の通り、

 

『ククリヒメ』。

 

縁と縁を、


『括る』姫と言われています。

 

 

『括る』とは、

 

切り離された別々の何かを、

 

再び一つにして、

 

『新たなるもの』を生みだすこと。



今回の旅でも経験したように、

 

 

過去、現在、未来、

 

そして人と神、

 

生と死、現世と来世、

 

命と魂という、

 

 

次元すらも越えて一つに括り、

 

そこに新たなるものを生みだしていく。

 

 

それが菊理媛のご利益であり、

 

今切れてしまっている、

 

イザナギさんとイザナミさんの縁を再び括るには、

 

必要な力だと思ったんです」

 

 

 

 

 

 

泰澄「…うむ。

 

これなら申し分ない」

 

 

 

 

 



 

泰澄さんはそう言うとともに、

 

その『聖麻飾り』に手を当てて、

 

小さくご真言を唱え始めた。

 

 



 

 

 

 

そこに確かに、

 

菊理媛の力が入った。

 

そう感じた。

そうして僕らは、

 

イザナギの鎮まる、

 

『伊弉諾神宮』へ到着した。

本殿に向かっていた、

 

その時だった。

 

 

 

 



意外…と言えば、

 

失礼なのかもしれないが、

 

 



本殿の前で、

 

イザナギさんがすでに僕らを、

 

待っていたかのように迎え入れてくれた。

あ「あ…」

 

 

 

 

 

 



イザナギ「…用件は分かっている。

 

…行こう…イザナミのもとへ…」

 

 

 

 



 

 

これもまた僕自身が、


恐怖を乗り越えたことの結果だろうか。

 

 





確かにこの時のイザナギさんの表情に、

 

いつもの影はなく、

 

 

どこか覚悟を決めたような男の顔が、

 

印象的だった

 

 

 

 

 

 

あ「ば、場所は…？」

 

 

 

 

 

 

 

 

イザナギ「…言わずとも、

 

わかっているだろう。

 

 

『黄泉の国の入り口』だ」

あ「で、でも…、

 

黄泉の国って、

 

どうやって入れば…？」

 

 

 

 

 

 

ス「大丈夫や。

 

あのうっとうしい、

 

黄泉守人の言ってたことを忘れたか？

 

 

かつて崩壊しそうになった、

 

黄泉の国と現世の境目を、

 

括って閉じて食い止めたのは、

 

『菊理媛』やぞ。

 

 

菊理媛には、


生と死、


現世と黄泉の国を始め、



『括る』ことによって境界を司り、


外から来る魔や災いから、


安全を守る道祖神(どうそじん)、


としての力もあるから。



黄泉の国の入り口を、


閉じることが出来るなら、

 

開くことも出来る」

 

 

 

 

 

 

スサノオさんがそう言った瞬間に、

 

『聖麻飾り』がキラリと光り、

 

 

菊理媛が優しく微笑んだ。

 

そんな気がした。

イザナギ「…行こう。

 

イザナミのもとへ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

……。

………。

…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言ったイザナギさんの握りしめた拳は、

 

震えていた。

 





 

心なしか、

 

足もとも震えているように見えた。

 

 

 

 

 



 

…しかし、

 

もう後戻りは出来ない。

 

 



 

 

 

 

いや、後戻りはもうしない。

 

 

 

 



 

 

僕もイザナギさんも、

 

もう一人（柱）じゃないから。

旅の一番の目的は、

 

目的地に達することではなく、

 



 

その道中で得ることの出来る、

 

たくさんの思い出と仲間との出会い、

 


そして自分自身の成長であるという。

 

 

 

 

 

 



 

 

光と闇が交錯し続けたこの物語は、

 

今日まで得てきた大きな光で、

 

 

最後の最後に、

 

最も大きな闇を照らし出す。

 

 

 




 

 

 

 

 

イザナギ「イザナミ…イザナミ…」

『スサノオと菊理媛を巡る旅』、

 

残りあと２話！！


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