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荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ?

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意!

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男

19話目. 天武伝説

20話目. 血の穢れの始まり

21話目. 血の穢れの答えを求めて…

22話目. 勇者 泰澄の誕生

23話目. 次、生まれ変わるなら…





死ぬことすらも許されず、

 

また築き上げられていく社会の中で、





『人』として、

 

生きることすらも許されなかった、

 

『差別されてきた者』たちは、





絶望の中で、


ただ願った。

『次、生まれ変わるなら…』と。

 

 

 

 

 

 

身分で縛られ、

 

血脈で縛られ、

 

 

逃れることの許されない人生ならば、

 

望みを託せるものは、

 

 

この当時からあると信じられていた、


死後の世界、

 

来世だけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『輪廻転生』。

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなにも辛い思いをしたのなら…、

 

こんなにも苦しいのなら…、

 

 

 

 

…もし次、

 

生まれ変わることが出来たなら、

 

 

 

 

 

 

 

 

自分たちも、

 

清らかな身で生まれたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう願い、

 

『差別されてきた者』たちは生きていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

定められた黒い衣服に身を包み、

 

一般社会とは隔離されたその場所で、

 

ただ、日々を生きていた。

そんな彼らの魂の救済を願っていた、

 

若かりし日の泰澄。

幼い頃より『神童』と呼ばれ、

 

14歳の時に夢で見たお告げによって導かれ、

 

仏門の道を志した彼は、

 

 

 

 

 

 

毎日麻生津から越知山までの、

 

片道15㎞の道のりを夜通し駆け抜け、

 

 



朝には家に戻るという、

 

苦行難行を繰り返す中で、

 

血反吐を吐く思いで念じていた。

『世の不条理に苦しむすべての魂の救済』を、

 

ただ念じ、

 

夜の闇の中を駆け抜けていた。

自らもまた、

 

『差別されてきた者』の血脈に、

 

生まれし者。

 

 

 

 

 

 

殺生を生業とする漁師として、

 

『穢れた血を持つ者』とされ、

 

 

一般社会から隔離され、

 

肩を落としながら日々を生きていた父は、

 






失意のままに、

 

病で亡くなった。

 

 

 

 

 

 

若き泰澄は不条理に苦しむ人々の、

 

魂の救済を念じ、


 

日々自分を慕い、


集まってくれる人々に、

 

説法を行いながらも、

 

 





どうしても一つの疑問に対する、

 

答えを出すことが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『亡き父の魂は、本当にどこに行ったのか?』と。

 

 

 

 

 

 

 

 

当時、死後の世界がある、

 

と信じられていたとはいえ、

 

 

もちろんそれは現代と同じく、

 

生前から誰もが見られるものではなく、

 

 





当時の泰澄もまた、


自身が説法を行いながらも、



死後の世界の存在に、

 

確証を得ることが出来てはいなかった。

 

 

 

 

 

 

当時の仏教では生前に、

 

 

善行を積んだものは、

 

迦陵嚬伽(かりょうびんが ※上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生物)が舞い、



阿弥陀仏が迎える、

 

極楽浄土に行くことが出来て、

その逆に悪行を犯した者、

 

特に悪行の中で最も罪の重い、

 

 

『殺生』を犯した者は、

 

悪鬼の待ち受ける地獄に落ちるとされていた。

泰澄「父の魂は果たして、

 

地獄に落ちたのか…?」

 

 

 

 

 

 

その思いは、

 

泰澄にとって、

 

到底納得出来るものではなかった。

 

 

 

 

 

 

仏門と言っても、

 

実態は千差万別。

 

 

 

 

 

 

禁欲を標榜しながら、

 

酒を湯と称して呑み、

 

 

肉や魚を突っつきながら、

 

裏では尼を抱いている、

 

僧侶もいる。

 

 

 

 

 

 

その僧たちは地獄に落ちないで、

 


生きていくために、

 

動物や魚を捕る者たちだけが、

 

地獄に落ちるというのか。

 

 

 

 

 

 

北陸の海で獲れる、

 

身の締まった鰤の大きさを、


活気と共に競い合い、笑い合い、

 

 

それを神前に供え、

 

みなで自然の恵みに感謝して、

 

 

分け合って頂くことの、

 

どこに罪があるというのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魂の行き先は、

 

生まれや血筋によって、

 

決められることではなく、

 

 

その者の生きた足跡によってのみ、

 

決められることではないのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかしそのことに対する、

 

明確な答えを出すことの出来ない泰澄は、

 

日々思い、悩んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうしていつしか、

 

その答えを求めることこそが、

 

 

泰澄の人生そのもの、

 

となろうとしていた。

しかしどれだけの難行苦行を経て、

 

 

手をかざしただけで、

 

人の病を治癒出来る、

 

不思議な霊力を身に付け、

 

 

やがてその名声が、

 

奈良の都に知れ渡ることになろうとも、

 

 

 

 

 

 

 

 

泰澄が、

 

本当に知りたいことの答えは、

 

分かることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

泰澄「一体父の魂は、どこに行ったのか?

 

その答えを知りたい…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう願い、


思い付く限りの難行苦行を経て、



それでも、


その答えを得ることが出来なかった、







霊亀2年(716年)、


泰澄34歳の時、








泰澄は夢で、


空より現れた女神より、


『ある言葉』を告げられる。









その日以来彼は、


遥か遠くにそびえる、



美しき山に、

 

畏敬の念を抱くようになっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

泰澄「…いつかあの、

 

美しき白き山の頂に…登り…、

 


神々に会い、


神々と語らいたい…」

 

 

 

 

 

 

 



泰澄が願い、

 

その山に憧れを抱く、

 

 

きっかけになった女神のその言葉こそが、

 



 

 








 

『白山に来たれ』、


という言葉だった。


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