『スサノオと菊理媛を巡る旅』。
1話目. 新たなる旅の始まり
2話目. 謎多き女神ククリヒメ?
3話目. たった二行の女神
4話目. 伝説の神の別れ
5話目. 閲覧注意!
6話目. 黄泉の国の魔物
7話目. 黄泉守人の出現
8話目. 荒川祐二、穢れる
9話目. 瀬織津姫の登場
10話目. 菊理媛の風
11話目. 生と死を司る女神とは
12話目. 白き山の女神
13話目. 伝説の男、再び
14話目. 八百万の神々と共に
15話目. ニギハヤヒが語る闇
ニギハヤヒ「生まれ変わりの女神がいるならば、
生まれ変わりを望んだ者たちがいる、
ということだ。
…あらゆる艱難辛苦に耐え、
人の世の不条理を嘆き、
それでもその身に闇を引き受けて、
生きなければならなかった者たちの物語…。
…古き時代の話だ…」
『この世の始まりを告げる神』、
ニギハヤヒさんは、
確かに僕に、
そんな言葉を残した。
『神話の時代を生きた、伝説の呪術師』、
役行者さんは、
僕にこう言った。
役行者「…今、この時代にもまだ…、
爪跡を遺し続ける…、
あの時代の、
『忌まわしき血とされた穢れの始まり』には…。
何人も…、
見るに耐えきれるものではない…」と。
『時代』という言葉。
これは確かに、
同じ時代のことを指しているといって、
間違いはないと思う。
そうであれば僕は、
その『時代』のことを、
その時何があったのかを、
知らなければいけない。
それが必ずいつか、
菊理媛という、
『生と死を司る伝説の女神』へと繋がる、
糸口となるのだから。
車である場所へと向かった。
それは奈良県 明日香村にある、
『天武・持統天皇凌』。
瀬織津姫を巡る旅でも来た場所であり、
この時僕はこの場所をきっかけに、
天武天皇と持統天皇が二人三脚で、
国家を作るという過程の中で、
瀬織津姫さんとニギハヤヒさんを、
封印せざるを得なかった、
『人』の歴史の背景を知ることが出来た。
しかし同時に国家という、
壮大な『枠組み』を作ったことによって起きた、
反乱や弊害を知り、
苦労を垣間見ることが出来、
その当事者である、
持統天皇の魂を解放することも行った。
『生と死を司る伝説の女神』菊理媛を巡る旅。
その菊理媛という存在は、
これまでに何度も言っているが、
日本書記という古事記と並ぶ、
日本神話の中に、
たった2行だけ。
『イザナギとイザナミが黄泉の国で争い別れた後、菊理媛という神が現れて、イザナギに何かを言った。
イザナギはこの言葉を聞いて、頷き、深く納得し、ほめられた』。
ここにしか登場せず、
それ以外は、
そしてそのイザナギに言った言葉すらもすべて、
謎に包まれている。
広まることが、
『人』の歴史にとって、
都合が悪いことがあったから、
謎の存在とされていたように。
これまでの経験に照らし合わせると、
人が作った(書いた)神話の中で、
謎とされる存在は、
『謎としておくべき必要があったから、
謎とされている』。
そこには必ず、
人の歴史の裏側が隠されている。
そう思った僕はそれこそ、
その神話を作った、
張本人でもある、
持統天皇に再び、
話を聞きたいと思い、
この場所に来た。
いつも思うのだが、
吹く風は爽やかなのだが、
どこか物悲しく、
いつも何かを訴えかけているような、
そんな空気をどこかで感じている。
一体この風は僕に、
何を伝えようとしているのか…?
そんなことを思いながら、
持統天皇が鎮まる地にて、
心を込めて、参拝する。
かつて、
『史上最悪の女帝』と呼ばれ、
しかしその真実は、
『亡き夫の掲げた意志を継ぐために、
鬼とならざるを得なかった一人の女性』、
鸕野讚良(うののさらら)こと、
持統天皇が姿を現した。
魂の解放を経たから故か、
前回の旅で初めてお会いした時とは、
見違えるような様相で、
『一人の女性』、持統天皇は僕らを、
迎えてくれた。
あの、今日は少しお伺いしたいことがあって、
お邪魔させて頂きました…」
持統「貴方様にはご恩もございます。
私に出来ることであれば、
お力になることが出来ればと思いますが。
…何でしょう?」
あ「今僕らは、
瀬織津姫さんに続いて、
『生と死を司る伝説の女神』と言われている、
菊理媛を巡る旅に出ています」
持統「…菊理媛…」
僕がその言葉を発すると、
持統天皇は目をそむけるようにして、
おもむろに様子を変えた。
その表情は角度を変えたからか、
ハッキリとはわからなかったけれど、
何か申し訳のないことでもあるのだろうか?
少し伏し目がちなその表情が、
気になった。
それでも僕は躊躇することなく、
持統天皇に聞いてみた。
あ「…あの…。
菊理媛について何か、
知ってらっしゃることはあるでしょうか…?」
持統「………」
僕がそう言うと、
持統天皇は何か考え事をしているのか、
それとも言葉に詰まっているのか、
今度はハッキリと下を向く形で、
黙り込んでしまった。
…。
……。
………。
…………。
どれだけの時間が経ったのだろうか…。
…しかし、
先人たちに対する敬意故、
答えを急くようなこともしたくない。
そう思った、
その時だった。
持統「ここでは…。
お話しすることは出来ません…」
あ「……?
ここでは…とは…?」
持統「主人に…。
我が夫 天武に会わせましょう。
ここ(天武・持統天皇凌)ではなく、
主人が最も魂の輝きを増していた、
場所は宮滝。
かつて、
この国を思い、
立ち上がった地にて」
…予感がしていた通り、
物語が急速に音を立てて、
動き始めた。
一体この旅は僕を、
どこへ連れて行こうとしているのか。
そして神は、
これまでの人の歴史は、
僕に一体何を伝え、
何を伝えさせようとしているのか。
思いもよらない形で、
これから僕は、
その圧倒的なカリスマ性と力によって、
『獅子』とも呼ばれ、
『たった一人の思いから、
今この何千年と続く、
国の礎を築いた男』、
天武天皇という、
伝説の男と対面することとなった。
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