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超真面目な話を書きながら、今日は超チャラ男モードの荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 



 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ?

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意!

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男

19話目. 天武伝説

20話目. 血の穢れの始まり

21話目. 血の穢れの答えを求めて…

22話目. 勇者 泰澄の誕生






 

『差別』。

 

 

 



 

天武天皇の治世の中で、

 

生まれたのであろう、

 

その言葉こそが、

 

 

 

 



『血の穢れ』という、

 

言葉の答えだった。

…絶望だけが、

 

僕の心を打ちひしぐ中、

 

 



突如として場面が変わり、

 

僕の眼前に、

 

 



ある赤ん坊が生まれた時の、

 

光景が映った。

その名は、

 

『泰澄(たいちょう)』。

 

 

 



 

後に多くの人々の魂を、

 

救済することになる、

 

この『勇者』は、

天武天皇11年(682年)、

 

6月11日。

 

 



越前国麻生津(※現在の福井市三十八社 泰澄寺)に、

 

生を受けた。







幼少期より、

 

泥で仏像を作っては、

 

 

その仏像に花や水を供えて

 

読経をして遊んでいたという、

 

この子どもは、

ある日仏教の普及に訪れた高僧が、

 

泰澄を一目見て、

 





 

『この子は神童である。


大切に育てるように』と、

 

両親に伝えたほどだったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

山河を愛し、


人を愛し、



自然に愛され、


人に愛され、


頭脳明晰。







何不自由なく育ったように、


見える泰澄でも



その心にはいつも、


1つの思いが宿っていた。









泰澄「いつか多くの人々を救えるような、

 

人間になりたい」

 

 

 

 

 

 

 

 

時を経ていく中で、


幼き泰澄が、

 

そう願うようになっていったのも、



ある意味、


必然の流れであった。

 

 



 

 

 

 

なぜなら彼もまた、

 

『差別されてきた血筋に生まれし者』、


だったからだ。

天武天皇が即位して以来、

 

この国の礎は、





その圧倒的なカリスマ性と意志の強さによって、


猛烈な勢いで、

 

形作られていったが、

 



 

同時に天武天皇が国を治めていくため、

 

また内乱によって身についた自身の、

 

穢れを祓うために仕掛けた、

 

 



『血の穢れ』もまた、

 

猛威を振るい、

 

広がり続けていた。

自身に反乱を起こそうとする者、

 




また『山の民』を始め、

 

自身の作る国の枠組みに入ろうとしない者、

 

 

 

 

また当時天武天皇の手によって、

 

国学として取り入れられた、

 

仏教が全国的に浸透していく中で、

 

 

 



 

最も忌み嫌われ、

 

罪深い行為とされていた、

 

『殺生』を生業とする者たち。

 

 

 



 

その者たちもまた、

 

『穢れ多き者』として、

 

 

 



 

身分『外』身分の立場へと、

 

押しやられていった。

『殺生』を生業とする者とは、

 

言い方を変えるなら、

 

 



当時の、


漁師や猟師といった、

 

類の者たちである。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

泰澄の父親は、

 

漁師だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この時代、

 

『穢れ』は伝染するものだと、

 

思われていた。

 

 

 

 

 

 

漁を終えて家路につく道すがら、

 

何も悪いことなどしていないはずなのに、

 

 

周囲の人々から避けられ、

 

触れることすら忌み嫌われ、

 

 

肩を落として歩く父に、

 

泰澄は尋ねた。

 

 

 

 

 

 

泰澄「…父上…。

 

なぜ私たちは、

 

あのような目で、

 

見られなければいけないのでしょう…?」

 

 

 

 

 

 

父「………」

 

 

 

 

 

 

…父からの返答はなかった。

 

ただ諦めたように小さく首を、

 

横に振るだけだった。

 

 

 

 

 

 

その父の様子に、

 

幼き泰澄の『なぜ?』という思いが、

 

絶えることはなかった。

 

 

 

 

 

 

同時にいつしか、

 

泥で作った仏像に、

 

届ける願いは、

 

 

『いつかこの身を、


父を始め、

 

世の不条理に苦しむ

 

すべての魂の救済へ』と、

 


すがるような思いに変わっていった。

686年、天武天皇は崩御。

しかしその後を継いだ、

 

女帝 持統天皇もまた、

夫である天武天皇の意志を継ぐ形で、

 

より強固に、


良民(主に百姓)と賤民(差別されてきた者)とを分けた。

 

 



まずは身に付ける着衣の色すらも、

 

賤民は黒色、

 

良民は黄色、

 

そして天皇は白色を着用することすらも、

 

明確に定め、

 

 

 

 

そして戸籍の作成のために、

 

身分制度を固定化し、

 


良民と賤民、

 

その身分すらも世襲制度とした。







こうして徐々に、


闇がその身を侵食していくように、

『差別されてきた者』たちは、

 

子々孫々に至るまで、



『血の穢れ』から、

 

逃げる術を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしそんな目に遭ってまで、

 

どうして彼ら、

 

 

『差別されてきた者』たちは、

 

自ら死を選ぶことをしなかったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

それは当時、仏教と同様に、

 

天武天皇が師事し、

 

 

国学として取り入れていた、

 

『道教』。

その道教の教えの中に、

 


人は犯した悪事の分だけ、

 

寿命を減らされるが、

 



 

減らされた寿命よりも、

 

早く死んでしまった場合、

 

 

余剰分の罪と報いは、

 

あまさず子孫に災禍となって、

 

降りかかるという教えがあったからだという。

 

 

 

 

 

 

 

これによって、

 

『差別されてきた者』たちは、

 

 

死ぬことすらも許されず、

 

また築き上げられていく、


社会の枠組みの中で、



『人』として、

 

生きることすらも許されず。

 

 

 

 

 

 

 



 

『絶望』。

 

 

 

 

 



 

 

 

八方塞がりの状況の中、

 

『差別されてきた者』たちはただ、

 

 

その命が尽きるまで、

 

 

日々を生きることしか、

 

出来なかった。

そうしていつしか、

彼らはこう願うようになっていった。



















『次、生まれ変わるなら…』と。


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