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荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ?

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意!

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男





天武「朕を何とぞ思う!!


汝ごとき一民が、


朕に言上を試みること自体、


無礼と思え!!」

ドンッ!!

 

 

 



 

天武天皇のその言葉と同時に、

 

僕は何かの衝撃に吹き飛ばされるような

 

圧力を感じて、

 

気を失った。

 

 

 



 

意識が遠のいていく中…、

 

僕の脳裏に映し出されたのは、

 

 

在りし日の天武天皇の姿だった…。

大海人皇子(おおあまのみこ 631~686年)。

 

後の天武天皇となる青年は、

 

先代 天智天皇の弟として生まれ、

 

 

幼少期より、


山河を愛し、


 

王族でありながら民を好み、

 

民と寄り添う生活をするという、

 

 

人が好きな若者だった。

当初は兄弟仲も良く、

 

兄が大王(※天皇以前の王の呼称)に即位してからは、

 



 

皇太弟として兄に協力し、

 

共に執政を行った。

 

 

 

 

当時の王位継承は、

 

能力や経験、実績を基に選出され、

 

 

天智天皇の後は、

 

その弟であり、

 


大王を支えていた経験と実績を持つ、

 

大海人皇子こそが、

 

 





次の大王となることは、

 

確実視されていた。

 

 

 

 

 

 

…しかし…。

 

 

 

 

 

 

権力というものは、

 

人を変えてしまうのだろうか。

 

 



年月の経過とともに、

 

天智天皇の執政は苛烈を極めるようになり、

 

 

地方の豪族や民への、

 

理不尽とも思える税の搾取や、

 

 

天皇の私的な好みや血縁による、

 

要職への人材登用が目立ち始め、

 



 

この国の屋台骨は、

 

揺らぎ始めようとしていた。

大海人皇子「…このままでは…。

 

この国はどうなるのか…」

 

 

 



 

国を思い、

 

民を思い、

 

 

これからの未来の行く末を、

 

案ずれば案ずるほどに、

 

 



大海人皇子の気持ちが、

 

晴れることは無かった。

 

 



 

 

ふと横を見ると、

 

自分の心持ちがうつってしまったのか、

 

 

妻である鸕野讚良(うののさらら、※後の持統天皇)もまた、

 

心配そうな顔をしていた。

 

 

 



 

鸕野讚良(うののさらら ※後の持統天皇)「…貴方…」


 

 

 



大海人皇子「………。

 

なぁに心配はいらない、大丈夫さ。

 

いつか兄上も、

 

気付いて下さることだろう。

 

 

本来国を思い、民を思ってくださる方だ…」

 

 

 



 

そう言って、

 

大海人皇子はニコッと笑った。

 

 

 

 



同時にいつか、

 

自分自身が大王の立場になれたなら、

 

 

民の誰もが安心して、

 

みんなが共に笑い合える、

 

素晴らしい国を作っていこう。



 

 

そう心に誓っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな大海人皇子の気持ちを、

 

天智天皇は裏切ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

本来天智天皇の弟であり、

 

実績と経験もある、

 

大海人皇子が継承するはずの王位。

 

 




それを我が子かわいさゆえか、

 

自分の子どもである、

 

大友皇子に継がせようと、

 


太政大臣という、



大海人皇子がこれまで、

 

果たしてきた仕事と重なる、

 

新たな役職まで設け、

 

 

さらに能力ではなく、

 

血統を優先とする世襲制へと変えようとし、

 



 



天智天皇の周囲もまた、


それを受け入れるよう、

 

大海人皇子に圧力をかけた。

大海人皇子「…兄上…っ!

 

…ここまで…ここまで…か…っ!!」

 

 

 

 

 

 

さらに、

 

その大友皇子とは、

 



 

天智天皇の数いる中でも、

 

身分の知れない女官との間に生まれた、

 

子どもであるという。

 

 

 

 

 

 

血が滲み、

 

歯が砕け散るほどの、

 

悔しさを押し殺し、

 

 

それでも自らが引き下がらなければ、

 

この国に混乱を招く。

 

 

 

 

 

 

そう感じた大海人皇子は剃髪し、

 

妻と少しの側近と共に、

 

吉野の地に隠遁した。

やがて天智天皇は病に倒れ、

 

その息子である、

 

大友皇子が後継に立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…しかし、である。

 

 

 

 

 

 

 

 

その王位継承に、

 

納得がいかないのは、

 

大海人皇子だけではなかった。

 

 

 

 

 

 

 

これまで天智天皇の、

 

専制的な執政に苦しめられてきた地方豪族、

 

そして民たち。

 

 

 

 

その誰もが、

 

天智天皇のあり方から、

 

そのまま継承されていく国のあり方を、

 

良しとしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

その期待を一身に背負うこととなった、

 

かつて大王になるはずだった男、

 

大海人皇子。

しかし自分が立ち上がることによって、

 

この国にどれほどの混乱を、

 

引き起こすことになるのか…。

 

 

 

 

そう思い、

 

決断が出来ない中でも、

 

 

大海人皇子の周囲の熱は、

 

高まるばかりで、

 



 

入れ代わり立ち代わり、

 

多くの人々が挙兵を促すために、

 

大海人皇子の住む吉野を訪れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

…その怪しい空気を察知したのが、

 

天智天皇の実子として、


その後を継ぎ、

 

 

『大王』を名乗っていた、

 

かつての大友皇子(※おおとものみこ)だった。

大友皇子「どうやら…吉野の地に、

 

きな臭い話があるようだな…」

 

 

 

 

 

 

自らの政治の安定のため、

 

不安分子は抑えつけなければいけない。

 

 

そう思った彼は、

 

大海人皇子を攻め滅ぼすことを、

 

決意した。

 

 

 

 

 

 

そして大海人皇子もまたこの計画を察し、

 

いよいよ挙兵することを決意した。

 

 

 

 

 

 

ここに日本史上最大の内乱と言われる、

 

『壬申の乱』が勃発した。

大海人皇子が妻とともに、

 

隠遁した際には、

 

わずか数十名の共を引き連れるのみだったが、

 

 


しかしこの大海人皇子が、


吉野の地を再び出発する時、

 

 

その兵の数は、

 

地方豪族や有志の民も含め、

 

 

たちまち数万にも、

 

膨れ上がっていたという。

 

 

 

 

 

 

 

 

心優しく、

 

妻を愛し、

 

民を愛し、

 

 

誠実で、強く、

 

人を引き付ける魅力に溢れた、

 

 

この男に誰もが期待をしていた。

大海人皇子「天照大神様…。

 

どうか我に力を…」

 

 

 

 

 

 

決戦の地である、

 

美濃へ向かう途中、

 


大和(吉野)から伊賀を経て、

 

伊勢国に入り、

 

 

朝明郡(あさけぐん、現在の四日市市・菰野町北部)の、

 

迹太川(とおかわ)のほとりにて、 

 

 



大海人皇子は、


自らが心酔していた、



『太陽神』天照大神に、

 

必勝を誓った。

以降、大海人皇子の軍勢は、

 

破竹の快進撃を続け、

 

 

吉野を経ってから、

 

わずか1か月。

 




 

敗戦が確実なことを悟った、

 

大友皇子の自決によって、

 

 





日本史上最大の内乱は、

 

幕を閉じた。







そして大海人皇子はその後、

 

先の都であった、

 

近江大津宮(現在の滋賀県)から、

 

 

飛鳥に都を戻すべく、

 

飛鳥浄御原宮を造営。

 





 

その地にて即位し、

 

天武天皇となった。







すべての民の期待を、

 

一身に背負った男は、

 

 

その期待に応え、

 

 

暗雲たれ込んでいたこの国に、

 

確かに新たなる未来を拓いた。

しかし…。

 

 

 

 



それは同時に、

 

大海人皇子という、

 

妻を愛し、

 

民を愛した、

 

 



 

 

心優しき一人の男にとって、

 

 

 

 

『王』という、

 

修羅とならざるを得ない、

 

苦しみの人生の始まりでもあった。


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