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白山登山口から、荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ?

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意!

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男

19話目. 天武伝説

20話目. 血の穢れの始まり

21話目. 血の穢れの答えを求めて…

22話目. 勇者 泰澄の誕生

23話目. 次、生まれ変わるなら…

24話目. 白山に来たれ

25話目. いざ、白山へ

26話目. 白山比咩神社で感じた不安





いざ、白山へ。

 

 

 

 

数えきれないほどの歴史の因果と、

 

神々の思い、

 

 

そして僕自身の、

 

人生の課題を胸に、

 

 

朝焼けの中、

 

 

いよいよ、

 

『生と死を司る女神 菊理媛』の待つ、

 

白山の頂上へと足を向ける。

(※この時期の季節は雪山ではないのですが)


登拝を始めて、

 

まず最初にやってくるつり橋を見て、

 

驚いた。

今この現代でこそ、

 

このように多くの登山(登拝)者たちのために、

 

つり橋がかけられ、

 

 

頂上まで登り4時間、下り3時間の道程、

 

と言われてはいるが、

 

 

1300年前、

 

 

泰澄の時代など、

 

こんなものはもちろんなかった。





当時の白山と言えば、

 

『神々が棲む山』として、

 

 

 

 

人が立ち入ってはいけない山とされ、

 

入山を阻止する部族も、

 

いたほどだという。

 

 

 

 

泰澄はその部族たちとも、

 

折り合いをつけ、

 

 

そして一度、

 

神々の山に入ったならば、

 

 

頂上まで2702メートル。

1年のうちのその半分は、

 

雪と氷で包まれているというその山の、

 

道なき道を、

 

 

ただひたすら神々が待つ、

 

頂上に向かって、

 

 

ひたすら歩き続けた。

頼れるものは、

 

自らの足腰だけという、

 

状況の中、

 

 

山林を掻き分け、

 

時に突然現れる、

 

断崖絶壁に恐怖して、

 

 

夜の闇や、

 

襲ってくる肉食動物の恐怖にも立ち向かい、

およそ2年。

 

 

 

 

2年もの歳月を掛けて、

 

泰澄は、

 

 

この日本三大霊山の一つ、

 

白山を開山したのだ。

開山とは、

 

初めて白山での修験道


(※山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰)



としての修業を行い、

 

その山に神を祀ること。

 

 

 

 

 

 

泰澄はこの白山の山頂で、

 

確かにある神に出会ったのだ。

 

 

 

 

 

 

そんな彼の偉業を思いながら、

 

僕自身はひたすらに、

 

 

父の魂の行く末を求めて、

 

ただこの白山の山頂を目指した。

「一体父の魂はどこに行ったのか?」。

 

 



 

 

この菊理媛を巡る旅を始めることになった、

 

最初のきっかけ。

かつて亡くなった魂は、

 

この美しき白き山を昇って、

 

 

その山頂から、

 

天上界に昇っていったという。

 

 

 

 

 

 

では僕の父の魂も、

 

そうだったのか?

 

 

 

 

そして僕と同じ思いを持って、


この山を登っていたはずの泰澄は、

 


何を思い、

 

この山を登ったのか?

 

 

 

 

 

 

そう思った、

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

頂上を目指す僕の前に、

 

見たこともないような、

 

美しいお花畑が広がった。

あ「わぁ…」

 

 

 

 

 

 

…そうしてまた別の場所では、


まるで天国の様な、

 

お花畑が頂上に向かって、

 

 

続いていく光景を見て、

 

この時僕は、理解した。

本当にこの場所は、

 

天国だったんだ。

 

 

この場所こそが、

 

極楽浄土だったんだ。

 

 

 

 

 

 

人はどれだけ現世で苦しみ、

 

虐げられた人生を歩もうとも、

 

 

 

 

この世での役目を終えて、

 

魂となったなら、

 

 

誰もがこの美しき世界に迎え入れられ、

 

 

そしてこの美しき白き山で、

 

真っ白となり、

 

 

 

 

天上界へと迎え入れられる。






そこに現世での肩書もなければ、

 

地位も無く、

 

 

名誉も無ければ、

 

身分もない。

 

 

 

 



あるのはただ、

 

現世を終えたことに対する、

 

 

『祝福』だけ。







そう思ったその時、

 

僕は溢れる涙を止めることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

どこかで、

 

心の片隅に引っ掛かっていた。

 

 

 

 

 

 

『父は果たして、

 

幸せな人生を送れたのか?』と。

 

 

 

 

 

 

『後悔の無い人生を、

 

送ることは出来たのか?』と。

 

 

 

 

 

 

でもそんなことを思ってしまうのは、

 

現世に生きている人間だけで、

 

 

再び魂に戻れたならば、

 

 

もっともっと自由に、

 

もっともっと伸びやかに、

 

 

もっともっと明るく、

 

美しく、輝く世界で、

 

 

神々に迎え入れられることが出来る。

『生は祝福であり、

 

命の終わりもまた、

 

祝福なのだ』。

 

 

 

 

 

 

 

 

頂上を目指しながら、

 

そのことを思い僕は、

 

 

溢れてくる涙を、

 

止めることが出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

汗を流し、

 

息を切らしながら、

 

一歩ずつ、一歩ずつ、

 

 

『天国へと続く階段』を、

 

登っていくうちに、

体力も限界を迎えようとしているからか、

意識が朦朧としてきて、


僕の見る世界から、

 


音が消え、

 

視界も白く染まり始めた。

同時になぜか頭からは、

 

不安という名の雑念が消えていき、

 

 

やがて自分と人、

 

自分と自然、

 

自分と山、

 

 

そのすべての境界線が無くなろうとしていった。

そこにあるのはただ、

 

真っ白な世界。

 

 

 

 

 

 

 

 

僕もまた、


山の一部であり、


 

山もまた、


僕である。

 

 

 

 

 

 

人は死すとも、

 

魂は死なず。

 

 

 

 

 

 

すべては一つで、

 

肉体からこの魂が離れる時は、

 

 

その『一つ』にまた、

 

戻っていくだけ。











そしてまた生まれ変わる時は、

 

僕に戻っていくだけ。








 




そのことを教えてくれる、

 

柔らかな確信とともに、

 

 

導かれるように、

 

一歩ずつ、一歩ずつ、

 

 

歩いていくうちに、

 

やがて、白山の頂上が見えてきた。

あ「…あ、あそこに…」

 

 

 

 

 

 

恐らく天と一体化していたのだろう、

 

自らの意識を戻し、

 

改めて、頂上を見据える。







あそこに僕がこの旅で、


求めていたこと、

 

そのすべての答えはあるのだろうか?

 

 

 

 

 

 

そして泰澄は、

 

あの頂上で一体何を見て、

 

 

何を思い、

 

何と語らったのか?

もう膝は震え、

 

足の爪は内出血してパンパンだけど、

 

 

歩みを止めずに、

 

前へ行く。






一歩ずつ、一歩ずつ…。

 

 

 

 

 

 

そうして見えた、

 

その先に…。

 

 

 

 

 

 

あ「ハァ…ハァ…、

 

あそこだ、あそこが頂上だ…」

確かに見えるお社に向けて、

 

僕は最後の力を振り絞る。

 

 

 

 

 

 

 

 

…そして…。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ「つ、着いたー!!」

いよいよ僕は、

 

白山の頂へと到達した。

 

 

 

 

 

 

喜びがこの胸をいっぱいに、

 

満たす中、

 


頂上に鎮座する白山奥宮にて、



登らせて頂けたことへの、

 

感謝とともに参拝する。

そうしてまた導かれるように、

 

白山奥宮から少しだけ歩いた先にある、

 

 

白山最高到達点である、



『御前峰(ごぜんがみね)』へと、

 

足を向ける。

そこから、

 

360度景色を見渡すと、

 

遮るものは何もなく、

 

 

ただ、ただ、

 

 

感動の景色だけが、

 

そこに広がっていた。

あ「うわ…本当に…、

 

本当に白山に登れたんだ…」

 

 

 

 

 

 

1300年前に、

 

泰澄が見たのであろう景色と、

 

 

同じ景色を今、

 

自分が見られていることに、

 

 

胸が詰まるほどの感動を覚え、

 

 

そうしてもう一度ゆっくりと、


頂上からの景色を眺めた、

 

 

 



 

 

 

その時だった。

 

 

 



 

 

 

視界の先に、

 

青く輝く、

 

綺麗な水の景色が見えた。

あ「あれは…?」

 

 

 

 



ス「翠ヶ池(みどりがいけ)…。

 

泰澄が神を見た場所…やな」







あ「ここで…」

 

 

 

 

 

 

 

 

僕がそう言葉にした、

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

?「よくぞ参った」

 

 

 



 

 

 

 

若く勇ましい男の声が聴こえて来て、

 

振り返るとそこには、

 

 

 



 

 



 

白山開山の祖であり、

 

多くの人々の魂を救済してきた、












『勇者 泰澄』の姿があった。


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