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白山頂上から、荒川祐二&Teamスサノオです☆

 

 

 

 

 

 

 

 

『スサノオと菊理媛を巡る旅』。

※これまでのお話はこちら☆

1話目. 新たなる旅の始まり

2話目. 謎多き女神ククリヒメ?

3話目. たった二行の女神

4話目. 伝説の神の別れ

5話目. 閲覧注意!

6話目. 黄泉の国の魔物

7話目. 黄泉守人の出現

8話目. 荒川祐二、穢れる

9話目. 瀬織津姫の登場

10話目. 菊理媛の風

11話目. 生と死を司る女神とは

12話目. 白き山の女神

13話目. 伝説の男、再び

14話目. 八百万の神々と共に

15話目. ニギハヤヒが語る闇

16話目. 天武天皇に会う

17話目. ミッチーの登場

18話目. 伝説を作った男

19話目. 天武伝説

20話目. 血の穢れの始まり

21話目. 血の穢れの答えを求めて…

22話目. 勇者 泰澄の誕生

23話目. 次、生まれ変わるなら…

24話目. 白山に来たれ

25話目. いざ、白山へ

26話目. 白山比咩神社で感じた不安

27話目. 勇者 泰澄、現る


 

 

 



?「よくぞ参った」

 

 

 



 

ふと後ろから、

 

若く勇ましい男の声が聴こえて来て、

 

振り返るとそこには、

 

 

白山開山の祖であり、

 

『勇者 泰澄』の姿があった。

泰澄「よくぞ参った。

 

その姿勢、敬服に値する」

 

 

 

 

 

 

あ「………」

 

 

 

 

 

 

…この方が、泰澄。

 

 

 

 

 

 

意外、と言えば、

 

失礼になるだろうか。

 

 

 

 


全身から溢れるほどの生命力と、

 

一目見ただけで分かる、

 

明るさ。

その生きてきた歴史的背景からは、

 

想像出来ないような、

 

 

眩いほどの魂の輝きを、

 

泰澄はその全身から、

 

放っていた。







あ「あ、あの…初めまして…。

 

荒川、祐二と、も、申します」

 

 

 

 

 

 

僕のその言葉に、

 

泰澄がキラキラと目を輝かせて、

 

 

混じり気のない、

 

まっすぐな笑顔で答える。

 

 

 

 

 

 

泰澄「言わなくても、分かっている。

 

ずっと君の旅の道中を、

 

見守っていたさ。

 

 

ようやく会えた、

 

そんな気分さ」

 

 

 

 

あ「………」

 

 

 

 

 

 

…そうか。

 

 

いつも僕の場合は、

 

その神に対する正しき知識や認識がないと、

 

 

僕の前に神さまは、

 

姿を現してくれないが、

 

 

それはあくまで、

 

僕の主観だけの話であって。

 

 

 

 

実際神さまたちは、

 

僕らの目には見えない時でも、

 

 

いつだって応援し、

 

見守ってくれている。

ただそれに気付いてない、

 

僕らがいるだけで…。

 

 

 

 

 

 

泰澄さんも、

 

そしてきっと菊理媛もまた、

 

 

ずっとこの旅を見守り、

 

傍で応援してくれていたんだ。

 

 

 

 

 

 

だから今僕は、

 

神さまたちの導きを受けて、

 

この場に立てている。

 

 

 

 

 

 

そう思うと、

 

改めて今この場にいられることに、

 

 

この旅がここまで来られたことに、

 

ただ、ただ、

 

感謝の念が絶えなかった。

 

 

 

 

 

 

そんな僕に、

 

再び泰澄さんが声をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

泰澄「さぁ、ゆっくり語り合おう。

 

君と話が出来る時を、

 

待っていた」

 

 

 

 

 

 

 

 

…そうして僕らは、

 

スサノオさんたちも含めて、

 

 

御前峰の最先端に位置する場所に、

 

共に腰掛けて、

 

 

白山の絶景を、

 

眼下に見下ろしながら、

 

 

ゆっくり、ゆっくりと、

 

言葉を交わした。

あ「何だか…不思議な感じ…です。

 

泰澄さんとこうして、

 

お話し出来る時が来るなんて…」

 

 

 

 

 

 

泰澄「そんなに畏まらないでほしい。

 

私は君で、君は私。

 

共に同じ魂を共有している。

 

 

それは君も、

 

ここまでの道中で、

 

感じたことだろう?」

 

 

 

 

 

 

…その言葉に、

 

先程までの白山山頂へと続く、

 

『天国への階段』の景色を思い出し、

 

 

またその時に感じた、

 

すべての境界線が無くなっていく、

 

感覚を思い出した。

あ「確かに…そうなんですが…。

 

…本当にそうなんですか…?」

 

 

 

 

ス「何やその変な聞き方は」

 

 

 

 

泰澄「ハハッ、スサノオ様。

 

面白くて、良いではないですか。

 

 

素直に、まっすぐに、

 

分からないものは分からないと聞ける。

 

 

それで良いではないですか」

 

 

 

 

ス「フンッ、

 

ただのドアホなだけやないか」

 

 

 

 

あ「…(笑)」

 

 

 

 

 

 

こんな風に、

 

決して肩肘張らない

 

リラックスした時間が流れ、

 


そうして話は流れに乗るように、

 

核心部分へと入っていった。







あ「あの…泰澄さん…、

 

一つ聞いてもいいですか?」

 

 

 



 

泰澄「もちろん」

 

 

 

 

 

 

あ「泰澄さんは…、

 

ここで菊理媛さんに…会ったのですか…?」

 

 

 

 

 

 

泰澄「…菊理媛…。

 

呼び名を変えたら、そうなるか…。

 

 

私がこの白山山頂で見た存在の名は、

 

『十一面観音菩薩』。

 

 

その名の通り、

 

頭部に十一の顔を持つ仏であり、

 

ここでの名を、

 

『白山大権現』という







あ「じゅ、十一面観音…?

 

白山大権現…?が、

 

菊理媛?

 

 

あの…すみません、

 

いまいちよくわからないのですが…」

 

 

 

 

 

 

ス「『神仏習合』というやつや。

 

知っての通り、

 

泰澄は元々の始まりは仏門の人間であり、

 

この地で見たものは、

 

 

『十一面観音』、

 

またの名を『白山大権現』という名の菩薩(仏)。

 

 

しかしそれを、

 

その存在や見た目、

 

ご利益に照らし合わせると、

 

日本の神で言った場合、

 

 

『菊理媛』となる」

 

 

 

 

 

 

泰澄「そういうことですね。

 

 

『十一面観音』は様々なご利益を持つ中で、

 

来世に対する4種類のご利益、

 

 

すなわち、


・臨命終時得見如來(生の終わりに如来とまみえる)


・不生於惡趣(地獄・餓鬼・畜生に生まれ変わらない)


・不非命終(早く死なない)


・從此世界得生極樂國土(極楽浄土に生まれ変わる)

 

を持ちます。

 

 

それが『生まれ変わりの女神』として、

 

日本の神である、

 

菊理媛と同一視されたのでしょう」

 

 

 

 

 

 

あ「な、なるほど…。

 

京都の八坂神社にもある、

 

スサノオ=牛魔王みたいなものですね…

ス「『牛頭天王』じゃ、しばくぞ」

 

 

 

 

 

 

泰澄「ハハッ!ハハッ!!

 

いやぁ楽しくて良いですね~。

 

さすがスサノオ様。

 

 

私も仲間に入れてほしい」

 

 


 

 

あ「ぜひ…」

ス「英雄を簡単に勧誘すんな、ドアホ」

 

 

 

 

あ「(笑)

 

そ、それで話が止まってすいません…。

 

 

泰澄さんはこの地で、

 

そのご自身の問いに対する答えを、

 

見つけることは出来たのでしょうか…?」

 

 

 

 

 

 

泰澄「…答え…とは?」

 

 

 

 

 

 

あ「あ、と、突然すみません…。

 

何と言えばいいのか…。

 

 

大切なお父様を亡くされて、

 

その魂の行く末を求めて、

 

この白山に登られたのだと、

 

思います…。

 

 

そのお父様の魂の行く末に、

 

対する答えは…?

 

 

 

 

 

 

泰澄「………」

 

 

 

 

 

 

終始明るく笑みを浮かべていた泰澄さんは、

 

この時ピタッと笑顔を止めて、

 

まっすぐに僕を見つめて言った。







泰澄「…もちろんさ。

 

 

この地で、

 

君が求める神の名で言うなら、

 

『菊理媛』…でいいのかな。

 

 

菊理媛との対話の中で私は、

 

父の魂の行く末、

 

その答えを知り、

 

 

同時に深い安堵を覚えた」

 

 

 

 

 

 

あ「…僕も今年の4月に、

 

父を亡くしました。

 

 

その亡くなった父の魂の行く末を求めて、

 

この旅に出たのが、

 

最初のきっかけです。

 

 

もちろん同じ境遇とはいえ、

 

泰澄さんに比べたら、

 

 

僕の悲しみなんて、

 

比較にならないのかもしれないのですが…」

 

 

 

 

 

 



泰澄「そんなことはない。

 

いつの時代だって、

 

失うことの悲しみに、

 

優劣などはないさ」

 

 




 

 

 

 

あ「………。

 

…ではもし差し支えなければ、


教えて頂けますでしょうか?

 


父の魂の行く末を、

 

その…答えを…」

 

 

 

 

 

 

泰澄「………」

 

 

 

 

 

 

僕の言葉に泰澄さんは、

 

再び僕の目をまっすぐにジッと見つめると、

 

 

スッと立ち上がり、

 

 

白山の山頂に吹く風をその全身に受けながら、

 

遠くを見つめて言った。

泰澄「…その答えを聞くのは、

 

私の口からではない方がいいだろう。

 

 

君がこの旅で求めてきた、

 

神の答えを聞こう。

 

 

…共に参ろうではないか。

 

 

君の言う、

 

『生と死を司る女神』、

 

菊理媛のもとへ」

 

 

 

 

 

 

 

 

…。

……。

………。

…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

…気付けば父の死から、

 

半年にも及ぶ、

 

長い、長い道のりだった。

 

 

 





 

『亡くなった父の魂は、


一体どこに行ったのか?』

その答えの全貌が今、

 

明らかになろうとしている。

 

 

 

 



そして同時に、

 

日本の神話史上、

 

最も謎多き神とされる、

 

 

 

 

 

 

『生と死を司る伝説の女神 菊理媛』。

その存在の謎が今、

 

明らかになろうとしている。

 

 

 

 

 





 

また新たなる歴史の、


1ページが刻まれる。

 

 

 



 

 



 

明日…、

 

いよいよ『菊理媛』が現れる。


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『スサノオと行く 瀬織津姫、謎解きの旅』
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