オーディオドラマ「桃太郎たちの焚火を囲む会」に参加させて戴いた。これは、桃太郎や赤鬼、雪女などが焚火を囲んで海辺でBBQをする石貫慎太郎さんのオリジナル作品で、このご時世にピッタリの設定だ。かぐや姫や一寸法師も登場するから、まるで通信会社のCMの打上げを連想してしまいそうだ。
今回、私は赤鬼(&かぐや姫のお迎えの人)役を頂戴した。鬼は今まさに「鬼滅の刃」の大ヒットで注目されているが、石貫ワールドの鬼は恐ろしい存在ではなく、穏やかなやさしいおじさん(お爺さん?)として描かれている。宿敵であったはずの桃太郎とも旧知の仲で、そのホノボノとした交流がほほえましい。
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■スタッフ
原作・制作:石貫慎太郎
■キャスト
桃太郎:能登洋宇
赤鬼:Saigottimo
一般的に、朗読というのは読者が目で読む活字作品(小説や詩やエッセーなど)を1人または複数の朗読家が読み、耳で聴かせるもの。一方、ラジオドラマはTVや映画なら配役された役者達が演じるところを声優達が声だけで演じるドラマ。そして紙芝居や絵本読み聴かせは絵(静止画)を見せながら演者が声で演じるものだ。
今回の作品は「オーディオドラマ」、つまり基本は耳で聴かせるのでラジオドラマに近い。でもドラマというからには物語として何か出来事が起きて起承転結などのストーリーがあるものだが、ここでは何も起きない。登場人物が現れてボソボソ話して帰るだけ。そして、その間ずーっと「焚火」の動画が映っているのだ。
なんと登場人物は桃太郎も赤鬼も一切出てこないまま、映像は延々と「焚火」を映し続けている。そしてその焚火を一緒に囲んでいるであろう登場人物たちの会話だけが聞こえてくるのだが、そうなると何故かもう七面倒臭い物語など展開してくれない方が良くて、むしろどーでもいい話をダラダラと聴き続けたくなる。
話の内容自体は「鬼ヶ島は自給自足で宝物など不要」とか「月には海がないので宇宙船は作れても海上移動は手漕ぎ」など、言われてみれば成程!と膝を叩くような石貫理論も展開されているのだが、なにせ焚火の前では、まったりした時間の中で流れていくだけだし、それがまた妙な快感でクセになりそうなのだ。
焚火といえば、私は昨年亡くなった漫画家のジョージ秋山の代表作「浮浪雲」を思い出す。幕末を舞台に、雲助の元締で居合の達人でもある主人公、通称・浮浪雲は、いつも女物の着物を羽織って「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」とフラフラしている得体の知れない人物なのだが、確か彼の趣味は「焚火」だっだ。
テレビでも「魂のタキ火」(NHK)という番組があり、各界から異色の3人が集まって焚火をしながら身の上話などをするのだが、これが不思議に面白い。視聴者である我々も何となく一緒に焚火を囲んで話を聴いているような気分になって、時間を忘れてずーっと焚火の炎を眺めてしまうのだ。まるで魔法にかかったようだ。
石貫作品への参加は「キューピッドは雪女」「海沿いの夜行列車」に続き今回が3回目だが、最初に台本だけ見た時は「これでドラマになるのかな?」と疑問にも思った(自分の担当台詞はとても自然で読み易かった)が、焚火の動画があれば逆にそれが心地良くて、これは是非ともシリーズ化してもらいたいと思っている。
Saigottimo




















