2016年3月26日(土)、茨城県つくば市の「カフェベルガ」で詩の朗読会に出演した。

朗読するのは昨年7月に美術館での朗読コンサートに出演したメンバー5人で、今回は「5Thanks(サンク・サンクス)」というグループ名を付けての初出演となった。

私以外の4人は朗読団体や芸能事務所に所属しているプロやセミプロだが、素人の私にとって朗読公演は昨年7月以来2度目であり、「詩」の朗読会は今回が実質的なデビューである。

藤枝さんは脳性マヒのために、しゃべることができず、手足の自由もきかないというハンディがあるのだが、それらのハンディをものともせず、特殊なヘッドギアを使ってパソコンを駆使して詩を著し、これまでにも詩集を出版されている。

2冊目の詩集で最新刊の「春雪トンネル」を読ませてもらったが、どの詩も明快で実に力強い。

私は文学の心得が無く、詩のセンスなど全く持ち合わせていないのだが、そんな私の心にも藤枝さんの詩はストレートに響くのだ。

今回は1時間の公演で25編の詩を5人で朗読させてもらうことになった。

お話を頂戴してから3/21の最終練習までに休日や平日の夜など4、5回の打合せや練習を重ねた。

それぞれの詩には横山さんのインスピレーションによる素敵な音楽がバックに流れるが、最初は「全部の詩に音楽を付けるのはタイヘンなので半分くらいは音なしで」と前尾さんも考えていたが、練習を重ねるたびに横山さんのイマジネーションがムクムクと湧き上がり、最終的には音なしでの朗読は1編だけで、あとは全て横山さんのオリジナルの曲やら効果音などが入った。彼女の創造力には驚くばかりである。

横山さんはシンセサイザーの機能をフルに動員して、ある詩はピアノ、ある詩はハープ、パイプオルガン、ギターなど、様々な音色でオリジナルの音楽を付けてしまうのだから、ビックリポンである(そうそう、横山さんが朗読する詩の一つには前尾さんがオカリナでオブリガードを付けたが、これも素敵な仕上がり)。

そしてさらに、藤枝さんのご希望にお応えし、今回、横山さんは2編の詩(「海」「三日月オムレツ」)にメロディーを付けた。つまり詩としてのみならず詞となり「作詞:藤枝利教、作曲:横山一恵」となったのである。2曲とも雰囲気が全く異なるが、どちらも素敵な曲で、特に「海」は横山さんの声楽家としての素晴らしい歌声で朗々と聴かせるのでオーディエンスも大納得である!さすが二期会だけあってモノホン、私のような“なんちゃってヴォーカリスト”とは格が違う。

一方、「三日月オムレツ」の方は楽しい曲調なので歌詞をプリントして会場のみなさんにも一緒に歌って戴いた。

また昨年7月の公演では演奏者に徹していた横山さんも今回は幾つかの詩を朗読したが、さすが朗読の研鑽を積まれているだけあって詩の雰囲気に合った読み方には朗読家としての力量が表れる。

全体のMCを務める前尾さんの語り口はいつものように落ち着いていて安定感、安心感があり素晴らしい。

そして今回、我々は面白いチャレンジもした。「透明人間」という詩を幼い子供やロボットが読んだらどうなるか、というアバンギャルドな試みである。幼い子供を演じるのは久木崎なお江さん、アニメの声優のように普通の声とは全く違う声色で演じ切るから凄い。本業はセラピストながらさすがベテラン朗読家である。

そしてロボット役は大幡かおりさん。練習の際には「もっと壊れた方がイイよ」などと散々みんなにイジられながら殆どイジメに近いムリなキャラ設定での朗読をやってのけた。というのも、実は彼女はメジャーなCMにも出演しているプロのナレーター/声優なのだ。やはり歌も朗読も同じで、基本的な実力があっての応用力なのだろう。

それぞれに春めいた衣装をドレスコードに「5Thanks」としての初の朗読公演だったが、終演後に藤枝さんを囲んで談笑をしていたら、読売新聞水戸支局の記者さんが来場されて藤枝さんと我々にインタビューし、写真を撮っていて、これが4/6の同紙朝刊の地方面に掲載された。


●障害者の詩集 各地で朗読 東海村の藤枝さん 教諭ら活動支援

2016/04/05 東京読売新聞 朝刊 29ページ(地方面:茨城)

この新聞の写真には、別の仕事の関係で終演後に即帰京した大幡かおりさんが写っていないのが残念だ。でも、彼女はイベントの前週に地元ラジオ(茨城放送)の生番組で藤枝さんと前尾さんと一緒に生出演して詩を朗読し、その模様は地元のインターネットTV(いばキラTV)でも配信されている。
 
ということで、我々「5Thanks(サンクサンクス)」は、生意気にもラジオ、テレビ、新聞とメジャーメディアを制覇した!というのはかなり大袈裟だが、それもこれも前尾さんのプロモーション力のお蔭である。彼女は朗読家としての実力もさることながら、イベント企画力や広報プロモーション力も凄いということを思い知らされた。今後もこの朗読集団「5Thanks」の一員として活動を続けたいと思う。


Saigottimo