2017年4月22日(土)、私が所属する朗読ユニット5Thanks(サンクサンクス)は「春の朗読コンサート」を渋谷区文化総合センター大和田で開催した。
会場を予約している朝9時から出演者全員で設営にかかる。ピアノを動かし、シンセサイザーやマイクやアンプ&スピーカーを接続し、椅子を並べ、予約者特典の贈呈本65冊に岡田さんからサインをして戴く。
開場時刻の10時前から横山さんにBGMを生演奏してもらった。お客様には開演時刻までのひととき、楽器としてのグランドピアノが奏でる生の音を身体全体で味わう贅沢を体験してもらえたと思う。開演の10時半には、会場(収容人数70名)はほぼ満席になった。
5Thanksは一昨年にアマチュア朗読家の前尾津也子さんの呼びかけで結成され、全員参加のイベントは下記の通り年2回のペースで開催し、これまでは童話、詩、絵本などが中心だった。
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・2015年夏
宮沢賢治など童話中心の「美術館朗読コンサート」(目黒)
・2016年春
障害を抱える詩人、藤枝利教さんの「詩の朗読会」(つくば)
・2016年秋
「星の王子様」など絵本中心の「朗読&音楽ライブ」(五反田)
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4回目となる今回は大人向けのエッセイに挑戦!これまでに36万部を売り上げたベストセラー・エッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫)の作者、岡田光世さんをお招きし、第7弾となる最新刊「ニューヨーク魔法の約束」から次の4編を朗読させて戴いた。
「花売りに起きた奇跡」………………朗読:Saigottimo
「あなた、それでも日本人?」………朗読:大幡かおり
「花嫁にキス、ですか」………………朗読:久木崎なお江
「ランチのおかずは、街ゆく人たち」…朗読:前尾津也子
どの作品も味わい深く、メンバーの個性を生かしたキャスティングになっており、またその作品ごとに横山一恵さんがグランドピアノとシンセサイザーを駆使して音楽を付けてくれる。それぞれの作品に合わせ、ある時は軽やかなjazzピアノ、ある時は重厚な教会のパイプオルガンの響きが作品の情感を際立たせる。
トップバッターは私、しかも担当作品も同著の巻頭作だからこれは責任重大である。他の候補もあった中で「花売りに起きた奇跡」を私に割り振った前尾さん曰く「この作品は三人称で書かれているので男性が読んでも違和感が少ないから」だという。なるほど、他の作品は女性の作者が一人称で言葉や思いを描いているので、敢えて男性が朗読すると違和感があるのかも知れない。
さて、朗読者としてこの作品をどう読むか…考えれば考えるほど、それは作者の意図をどう解釈するかという事になる。そしてその作者はといえば、わーっ!当日、自分の目の前に座って居るのではないか。思わずノケゾりそうになる。だって、これはベートーベンの目の前で「第九」を演奏するようなものだ。いやはや、5Thanks、なんともイイ度胸している朗読集団である。
4編のエッセイを朗読したあと、MCの前尾さんが作者の岡田さんをご紹介し、ミニトークをして戴いた。ニューヨークという街との関わりや魅力など、エッセイの背景なども聴けて、とても興味深かった。
前半のエッセイ4編は1つの作品を丸ごと1人の朗読者が読むスタイルだったが、後半は「ごんぎつね」などの作品で有名な新見南吉の短編3編(「山の春、里の春」「たけのこ」「飴玉」)を分け読み(役柄を決めて複数で読むスタイル)で紹介し、さらに今や我々のレパートリーとなっている藤枝利教さんの詩集「春雪トンネル」から詩を6編朗読してトータル1時間、予定通り11時半に終演した。
さて、当日最前列で自分の作品を初めて朗読で聴かれた岡田さんは、いったいどんな風に受けとめられたのだろう?
と気になっていたら、岡田さんは早くも翌日には自身のブログにこの時の所感を仔細に記してくれていた。
●ニューヨークの魔法が世界に広がる 岡田光世ブログ
・4/22(土)東京・渋谷で「春の朗読コンサート」があり、『ニューヨークの魔法の約束』が朗読されました。
上記のブログによれば、私の朗読は「落ち着いた口調で淡々と朗読された。私が想像していた『朗読』に最も近いものだった」とのこと。よかった。大幡ちゃんのように作者の想像を超えるような価値は生み出さないまでも作者のイメージを棄損することは無かったようで“なんちゃって朗読家”の私は、ホッと胸をなでおろした。
(↑会場で岡田さんご夫妻を囲む5Thanksメンバー)
Saigottimo




