さきほどNHKさんで放送のあったこの番組、
「謎解き!ヒミツの至宝さん 国宝 阿弥陀二十五菩薩来迎図」
もう、放送開始直後から、私たちPerfumeファンが一斉に同じシーンで全く同じことを総ツッコミした番組だったろうと思う、いや、だった。
******
******
(国宝 ”早来迎”)
①飢餓や疫病、蒙古襲来など過酷で切迫した時代に、人々に”救い”の情景を伝えるため、それまでの常識にとらわれず、新しい表現を編み出したものが”早来迎”
最初のテーマ設定が明かされたときに、”もしや”、と、製作スタッフさん達に対するある疑念が浮かんだあたりから、我々Perfumeファンの足並みはキッチリと揃ったはずである。
過酷な時代の人々にとって、切実な仏の”救い”のディテールを伝えてくれる稀有な作品だったという”早来迎”
その”稀有”な理由がつぶさに語られた。
*革新的な構図
*お手本の無い中、異常と言える段違いのレベルの構想力や発想力で描かれた
それまでの一般的なやり方として、昔の人は”お手本”を代々伝え、そこにアレンジメントやコラージュを施して新しい絵を作ってきたという。
だが、この”早来迎”はそんな”お手本”もない中、前例のない俯瞰の構図など頭一つとび抜けていて異常だと専門家の先生が語る。
異常だから”国宝”になっているのだ、とまで言い切っている。
う〜んっ、ここでこの番組を見ていたPerfumeファンの心の声を言語化してゆくことは少々無粋に感じるが、あえて羅列してみようと思う。
世の中の大衆芸能産業が、欧米文化の上滑りな模倣に過ぎないアーティスト路線に傾き、感性に響かないと切実に感じていた中、
”救い”
のディテールを伝えてくれる稀有な表現集団が現れたと思わせてくれたPerfumeさん。
*革新的なサウンドトラック
*欧米文化の模倣ではない日本文化に則った表現を感じる振付演出
*異常と言える桁違いレベルのダンス能力や、柔軟で素直な人間性を持ったフロントメンバー
Perfumeさんの表現には”お手本”という陰を感じない。
その理由として、いろいろな考察が溢れているが、私個人は当事者の方々の発言に重きを置いてPerfumeさんを眺めている。
*中田ヤスタカさん発言=「誤爆」
*MIKIKOさん発言=「事故」
さらに、国宝”早来迎”に於いては、厳しい時代の最中、
”多くの人々にわかりやすく”
そんな発想からの俯瞰での斬新な構図であり、かつ、
”困難な時代が生んだ、究極の救いの絵”
・・・だという。
これはもう(みなまで言うな)
Perfumeファンに”ココ”は解説不要と信じている。
そんなことを心の中で思っていると、番組MCの伊集院さんが”誘導”してくれる。
MC伊=「多くの人々に、わかりやすく”救いのイメージ”を伝えようとした」
その発言を受けてのPerfumeメンバーの受け答えは、まさにPerfumeファンの通ってきた心情そのものではないのか。
の=「初めて観た人はビックリしたんだろうね」
か=「絵の中に自分を置き換えられる場所がある」
柔軟で懐の深い表現を誇るPerfumeさん。
”初めてPerfumeを観たときに、自分を置き換えられる場所がある、と感じ、心底驚いた”
今までに感じたことのない、
概念言語に変換できない衝撃に心から感動したのは私だけではないはずである。
MC伊=「誰もが一人残らず救われる」
本格的なビジュアルアートを思わせるけれども、どんな生き方をしてきた人も受け入れる間口の広さや敷居の低さを併せ持つPerfumeさん。
もう、番組MCの発言すべてがPerfumeさんのことに思えてくる。
番組冒頭で私は確信した。
この番組のこの回は、Perfumeさんの偉業を”国宝 早来迎”の魅力を紐解く中で炙り出しにかかっているのだ、と(ほんとかっ)
以下、番組の流れに沿ってサラッと行こう、サラッと。
******
******
②仏様がいろんな楽器を持っている、みなさんにはどんな音楽が聴こえる?
の=
*和楽器の笙(しょう)の音のような”ファーッ”
*自由なセッション風
*ヒーリング音楽
*誘う感じ、やわらかい、眠りの延長のような感じ
か=
*歓迎の祭りのような、激しい感じ
*いくつもの楽器の音が聴こえる多重奏
*きらびやかで豪華な音楽
*明るい世界へようこそ、な感じ
あ=
*ピーヒャラ系
*完全に祭り
*高い音が耳にキーンと来る感じ
*たちまち迎えに来る感じ
MC伊=「普段は馴染みのない仏画でも、描かれた楽器が奏でる音楽を想像することで、身近に感じることができる」
ここは、私の脳内で、すべて”中田ワークス”のことであると自動翻訳された。
シリーズ性を放棄したような多彩で多様な音楽性を誇る”中田ワークス”群。
受け手のタイミングによって、様々な解釈が成立しやすい”中田ワークス”
行き先が”極楽浄土”という共通項は、もはやブラックユーモアか、と自己ツッコミをしてしまった。
******
******
③なぜ”早来迎”は、猛スピードで迎えに来る仏を描いたのか?
あ=
「ちょっパヤ(早)」
か=
「自分も風に吹かれている感じ」
の=
「あぁ、やっと来てくれたんだ、いい人生だったね」
あ&か=
「やっと会えた感」
の=
「どんな状況でも仏が迎えに来る”逃しませんよ”っていうことを見せたかった」
か=
「その、生きてるときと亡くなる瞬間の、その意識がなくなる最期の瞬間に、こう、自分の意志を以って仏様と対面できるっていう速度。ギリでギュンって来てくれるみたいな」
MC伊=
「どんな季節でも仏たちは、たちまち迎えに来てくれる大きな安心感を人々に伝えたい」
Perfumeさんの躍進時期と重なるように、偶然ではあるけれども動画配信サイトであるYouTubeの台頭があった。
時代性が変化を促した”情報のスピード感”や動画ならではの情報量がもたらす”臨場感”、そんなことをたちまち連想したのである。
推しアーティストと向き合うスピード感や、いつでも自分の都合の良い時に情報を取りにゆけるという大きな安心感、そんなところが非常に似ているのではないか。
******
******
④発見!驚きの技 なぜ多くの技巧が?
あ=
「我はこの絵を描かねば死ねず!」
「アーティスト魂が騒ぎまくった」
の=
「なんか、だから、バラバラにこの情報をして(描いて)もよかったってことですよね。これだけの情報量が入ってて。だから、どうしてもこの絵一枚に収めなければいけなくて”このお寺、この御堂、ここに描いて欲しいんだ”って、頼まれちゃった?」
MC伊=
「決まったスペースが先にあったから、もう入れざるを得なかったと!」
か=
「なんかその、世界観の奥行きと、身分、その阿弥陀如来さまと菩薩さまたちの差とか立体感を描きたかった?」
先生=
「仏たちの存在感を浮かび上がらせるための技巧」
裏彩色という絹のキャンパスの特性を生かした凝った彩色法により、繊細な描写がなされているという”早来迎”
先生=
「描くこと自体が信仰であり、仏様に接することになる」
MC伊=
「見る者を救う絵なのはもちろんなんですけど、描いてる作者自身も、救われる仏画を描きたかった」
「これは、なんか、その、Perfumeのみなさんも、表現をする立場だから、そういうような面はありますか?」
か=
「う〜んっ、なんか、楽曲と楽曲の間の暗転とか、移動の仕方とか、普段、目に触れるところではないというか、見えない部分にもすごくこだわってるので、そういう背景にこだわりがあるからこそ表がすごくキレイに見えるっていうのはあるのかなぁ~って感じます」
の=
「描くほうも救われるっていうのが、こう、私たちもステージに立ってパフォーマンスすることで救われることもたくさん経験してきたし、その、なんか、同じもの、通ずるところももちろんあったし、裏側の見えない努力だったり、その作品への愛だったりっていうのが、直接は表には見えないけど、なにか滲み出る執念みたいな、そういう印象でした」
ここにきて、まだ解説が必要なPerfumeファンなど一人もいないのではないだろうか。
前例のない繊細な技巧を惜しみない研鑽によって披露してくれるPerfumeさんたち。
そのライブステージに於いてはPerfumeの表現がオーディエンスと呼応し、大きく循環するような感動の渦を引き起こしてきたのだ。
間違いない、この番組、”国宝”の佇まいを借りて、”国宝級のPerfumeさんたち”は真の国宝であると広く一般大衆に知らしめるための番組だったのだ(ほんとかっ)
私は常日頃、心の内で感じていることがある。
この番組で、当事者である”かしゆかさん”が”国宝 早来迎”と向き合ったことによって感じたことが、そのまま私の心情のように思えた。
か=
「なにか心の拠り所にするものがあるだけで、気持ちが変わるっていうのは、昔から今もずっと変わらないんだなっていうのを感じました」
”誰もが一人残らず救われる”
Perfumeさんは宗教に近いのではないのか、とか、そのステージを拝みに行く行為は信仰と言えるのではないのか、とか、無責任に書き殴ってきた私には、この番組の内容が心の深くにまで響いた。
そこまでではないにしろ、ボンヤリとPerfumeさんの活躍と重ねながらこの番組を見ることになったPerfumeファンの方は少なくないと思う。
「謎解き!ヒミツの至宝さん」
国宝級の3人がMCと呼応しながら番組が進行する。
そこを、番組企画段階から制作陣が見越していた、という仮説が、回を重ねるごとに確信へと近づく。
いやっ、私にとってPerfumeさんはすでに”国宝”なのだから、古の国宝が現代の先生方の力を借りて現代の国宝というべきPerfumeさんと語り合う番組ではないのか、そんな気がして仕方ない。
これは、単に”惚れた欲目”ということだろうか。
あなたは何を想っただろう。
******
******
・・・「国宝」・・・とお思いのアナタ・・・
・・・「間違いない」・・・
*追記
気合い入れて書いたつもりの記事ですが、見返すと凡庸な記事ですね、もっと上手くPerfumeさんを表現できる方にこういった内容は委ねたいと思っています。