番外 災害に伴い遠回りの運行も行われていた、平成29年「ゆふいんの森」日豊線経由迂回運行時の記録 | コウさんのコウ通大百科 PART3

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(平成24年1月〜平成30年3月の記事はPART2の内容です)
令和6年10月記事より更新は夜間から朝に変更しています。

 
 上の画像1の由布院駅から博多駅間を運行しております、久大線の特急「ゆふいんの森」は、画像2のキハ71系気動車、そしてキハ72系気動車によりまして運行されておりまして、多くの観光客が利用されております。
 
 この「ゆふいんの森」は、令和2年からの「新型コロナウイルス」によりまして利用者も見られない事もありましたが、現在はインバウンド客の影響もありまして再び多く見られるようになっております。
 
 それでも、この久大線では災害が多く見られている路線でありまして、平成29年に発生しました「九州北部豪雨」では最終的に橋梁が流出しました日田~光岡間が約1年かかりまして再開に至りましたし、令和2年以降も大雨災害が見られておりまして、画像2のキハ71系気動車をはじめ10数両が「令和2年7月豪雨」時には由布院駅に取り残されていたのが特に印象的ではなかったかと思います。
 
 
 さて、今回ご紹介しますのは、平成29年7月に発生しました「九州北部豪雨」によりましても、久大線が寸断した事がありまして、その際は小倉・大分経由で由布院駅まで迂回運行されておりました。今回はキハ71系気動車で運行されました、迂回運行のシーンをこの時収めておりましたので皆様にご紹介してまいります。
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 ご覧の皆様もご存知のように、「ゆふいんの森」は、本来は博多~久留米~日田~由布院~大分~別府間を運行されておりますが、この年の「九州北部豪雨」によりまして光岡~日田間が寸断されていた事もありまして、2往復とも博多~小倉~別府~大分~由布院間で迂回運行を行っておりました。
 
 
 この時刻は以下の通りでありまして・・・
 
 【上り】
 91号 博多 8:45発→小倉10:30発→別府12:18着→大分12:31着→由布院13:35着
 93号 博多 11:00(土休日11:08)発→小倉12:17発→別府14:37着→大分14:51着→由布院15:45着


 【下り】
 92号 由布院15:18発→大分16:28発→別府16:39発→小倉18:49着→博多20:34着
 94号 由布院17:06発→大分18:18発→別府18:29発→小倉20:27着→博多21:35着

  

となっておりまして、時刻からもわかりますように、博多~大分間では「ソニック」などと所要時間が劣っておりまして、複数の駅で運転停車を余儀なくされておりました。しかも、列車によっては10分以上の運転停車を余儀なくされている列車も存在しておりまして、抜かれる列車も「ソニック」・「きらめき」と言った特急列車以外にも快速列車までも抜かれる列車も存在しますので「特急」とはかけ離れてしまっていたのも特徴でもありました。
 
 
 ここからは、このうちの「ゆふいんの森」では最も遅い列車でもありました、「ゆふいんの森92号」の中山香駅での撮影時の模様であります。
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 この当時は、クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」が中山香駅に停車を行っておりましたが、その「ななつ星」が中山香駅を発ちまして約10分、今度はキハ71系気動車の「ゆふいんの森92号」が上の画像・以下画像のように中山香駅2番ホームにやって来ました。やはり、本来の運行区間とは違った運行区間でもありますので、変わった印象さえも感じさせられておりました。

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 この時、「ゆふいんの森92号」は、この中山香駅に10数分ほど停車しておりました。これは後続列車であります「ソニック」の通過による退避のためなどの理由でありますが、表定速度から違います「ゆふいんの森」と「ソニック」である訳でもありますし、途中駅で10分前後の運転停車があるのも臨時列車ゆえな所ではないかとも思う所ではないでしょうか。尚、行先表示は従来使用されております方向幕がそのまま使用されておりました。

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 では、ここでキハ71系気動車の編成を1両単位でご紹介してまいります。尚、この時小倉方先頭車が4号車でありましたので、4号車からご紹介してまいります。

 

 

 キハ71系気動車は、キハ58系気動車からエンジンなど足回りなどの機器を使用しまして、平成元年~2年にかけまして、全車普通車のハイデッカーの車体を新製しておりますが、相次ぐリニューアル工事によりましてエンジン換装や変速機の変更、そして乗り心地を向上させるための上下制振制御システムを搭載するなどしておりますので、改造当初の頃とは外観は変わらないものの変化は見られております。
 
 
 まずは、4号車キハ71-2であります。元車番はキハ65 19でありまして、現在は小倉方先頭車として運行されております。先頭車の売りと言いますと、後述のキハ71-1とともにハイデッカーでもありますので前方からの景色も格別なのではないかとも思う所でしょうかね。尚、こちらも1号車にありますキハ71-1と同様、フロントには「ゆふいんの森」のロゴモニュメントが掲示されております。
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 (「ゆふいんの森」ロゴ)

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 次は、3号車キハ70-2であります。この車の元車番はキハ58 436でありまして、平成2年の4両化に伴いまして改造されたものでもあります。当初この車にはアートギャラリーが設けられてもいましたが、現在はサロンスペースに改められております。

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 次は、2号車キハ70-1であります。この車の元車番はキハ58 490でありまして、ビュッフェ・セミコンパートメントが設けられております。尚、当初はビュッフェは1号車寄りに設けられておりましたが、平成15年のリニューアルの際に3号車寄りに方向転換の上位置が変更されております。

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 そして、本来なら由布院方先頭車となっております1号車キハ71-1であります。この車の元車番はキハ65 61でありましたが、4号車キハ71-2と同様、ハイデッカーでもありますので前方からの景色も格別なのではないかとも思う所でしょうか。

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 ちなみに、両先頭車には懐かしいものが見られております。画像の扇風機や放送などに使います受話器(制御増幅器)の姿が見られておりまして、こういう所がキハ58系気動車からの改造車両である事が実感できるのではないかとも思います。ご紹介しておりますように、車体自体は新製している訳ではありますが、足回りなど機器類は転用されている訳ですので、そう言ったものも見られるのもわかるのではないでしょうか。

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 所で、撮影時平日でもありましたこの日の利用者を見ますと、空席が大きく見られておりまして、4両全てを見ましても30名程度と言う利用者でありました。中には、1両に4~5名程度しか見られない号車も見られてもいたのが印象的でもありました。それでも、客室乗務員の方々も乗客に記念写真のサービスを行う姿や中山香駅に撮影に来られていた親子にも手を振るなどの姿も見られておりまして、サービスは忘れないと言う意識も見られておりました。

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 しばらくしますと、大分駅からの883系電車によります「ソニック」が中山香駅1番ホームを通過して行きまして、私も2ショットを収める事ができておりました。上の時刻表にもありますように、大分→博多間でも約4時間10分と、「ソニック」の倍近い所要時間でもある訳でありますので、冒頭にもありましたようにそれほど表定速度が遅くなってしまうのも仕方がない所でもありましたでしょうか。

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 こうして、中山香駅2番ホームの出発信号機が青となりまして、「ゆふいんの森92号」は博多駅へ向けて再び走り始めました。それでもこれから博多駅までの時間は約3時間以上と比較的長い所要時間になりますが、車両自体もそう新しくない訳でもありますので、ゆっくりと帰っていただきたいと思った姿でもありました。

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 (中山香駅発車)

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 今回は、平成29年に撮影しておりました、キハ71系気動車によります「ゆふいんの森」の迂回運行シーンを皆様にご紹介しましたが、この時はやはり小倉・大分経由でもありましたので、その分だけ所要時間が遅くなってしまっていた事に関しましては正直仕方がない所ではありましたでしょうか。それでも、由布院までの交通機関も運行する事ができていた訳ではありますので、遠回りでも悪くはない印象ではなかったかと思っております。今後も、災害がありましたらこのような姿が見られる場合も出てくるのではないかとは思いますが、かつて実際にそういった運行も行われていた事を存じていただければと思っております。

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 (注)記載されている時刻は撮影当時のものです。