第1842回「ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルによるワーグナーがSACD化」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、エフゲニー・ムラヴィンスキー&レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団によるワーグナー管弦楽曲集です。2023年に生誕120年を迎えたムラヴィンスキー、それを記念した企画の第2弾として発売されたのが当盤となっています。「神々のたそがれ」や「トリスタンとイゾルデ」、「ワルキューレ」、「タンホイザー」、「ローエングリン」の名曲がSACDハイブリッド盤となって高音質化されて復刻されました。


「エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮/レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団」

ワーグナー作曲:
楽劇「神々のたそがれ」よりジークフリートの葬送行進曲

楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死

楽劇「ワルキューレ」よりワルキューレの騎行

歌劇「タンホイザー」序曲

歌劇「ローエングリン」より第1幕への前奏曲、第3幕への前奏曲

歌劇「タンホイザー」序曲(リハーサル風景)



 ムラヴィンスキーによるワーグナーという夢のような演奏となっている当盤。「神々のたそがれ」、「トリスタンとイゾルデ」、「ワルキューレ」、「タンホイザー」、「ローエングリン」から演奏されている。他のレーベルでいえばメロディア音源では非常に多くのワーグナー作品が録音されているムラヴィンスキー、今回の録音はどれも非常に良い状態で録音されているので、聴きごたえとしても十二分に楽しめる演奏と言えるだろう。


・ワーグナー:楽劇「神々のたそがれ」よりジークフリートの葬送行進曲

録音:1978年3月31日(ライヴ)

 まさにレニングラード・フィルによる金管楽器群の特徴を余すことなく堪能することのできる演奏であると言える。特徴的なヴィブラートを奏でながら演奏が展開され、聴き手に大きな印象を残す音色と響きを聴くことができる。これに関しては好みが分かれるところにはなるのだろうが、2023年最新マスタリングが施されたSACDハイブリッド盤ということもあってその独創的な感覚が功を奏する瞬間へと変化するとも言えるだろう。ダイナミック・レンジの幅広さが増していることもあって、そのインパクトからなる衝撃は十二分に凄まじい音を味わうことができる。


・楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死

録音:1978年3月31日(ライヴ)

 研ぎ澄まされた冷酷にも聴こえるような弦楽器の音色と響きからなる圧倒的なスケールは、大きな衝撃を与えてくれるというのもそうだが感動が個人的には優ってくるイメージである。特に「愛の死」における伸びやかなその音は、ダイナミック・レンジの幅広さが増したSACDハイブリッド盤であり、K2HDマスタリングが施されているからこそ味わえる世界観であると言える。


・楽劇「ワルキューレ」よりワルキューレの騎行

録音:1978年3月31日(ライヴ)

 ダイナミック・レンジの幅広さが増していることによって、細部まで細かく聴き込むことができるようになっている。それによって金管楽器群の演奏だけでなく、弦楽器と木管楽器による動きに関しても明確に聴き取ることのできる明瞭さを演奏から聴くことができる。また、テンポがやや速めに演奏されていることもあって普段聴く演奏よりも推進力が増して聴くことができるようになっている点も大きなポイントと言えるだろう。


・歌劇「タンホイザー」序曲

録音:1982年1月31日(ライヴ)

 テンポの緩急が明確になっており、オーケストラ全体としても一貫性のある統一された音色のもと演奏されている。言うまでもないが「緩→急」にかけて音楽の流れが変化する際まさに怒涛の連続とも言える音圧が展開されており、牧歌的な音色から変化した後とはとても思えないほどのインパクトがあると言えるだろう。未だかつてここまで勢いの良い「タンホイザー」序曲を聴いたことがない。


・歌劇「ローエングリン」より第1幕への前奏曲

録音:1973年3月11日(ライヴ)

 弦楽器と木管楽器によるやや尖り気味ではあるが、透き通るような透明度の高い音色によって始まり徐々にダイナミクス変化も上がっていく。オーケストラ全体のテンションが最高潮に達した瞬間凄まじい音響と共に圧倒的で強烈な金管楽器の演奏が奏でられる。この後に収録されている第3幕への前奏曲と別日に録音されているが、それを聴く準備は仕上がっていると言えるのは間違いない。


・歌劇「ローエングリン」より第3幕への前奏曲

録音:1973年3月11日(ライヴ)

 第1幕への前奏曲と同日との記載があるが、先ほどはステレオ録音だったのに対して、第3幕への前奏曲はモノラル録音となっている。タワーレコード紹介文にも記載はあるが、おそらく第1幕への前奏曲は収録エンジニアも違うことから別録音なのではないか?というような解釈をされている。今回の演奏はモノラル録音ではあるが正直それがあるからダメということもなく、抜群の推進力を感じ取ることのできる勢いの良さが演奏から体感することができるようになっている。研ぎ澄まされた美しい弦楽器とそれに引けを取らない金管楽器の演奏など、オーケストラ全体で一貫性のあるサウンドがつくり上げられていることが大きなポイントであると言えるだろう。


・歌劇「タンホイザー」序曲(リハーサル音源)

録音:1977年1月

 先ほど収録されていた「タンホイザー」序曲とはまた別録音となっている。リハーサル風景ではあるが非常に良質に録音されており、元々特典盤で市販されていなかった音源との記載があるため、貴重であることをより理解できる。ムラヴィンスキー?の声も今回はじめて聴いたが渋い声となっており、トスカニーニとは真逆の静寂さを感じる。無言のプレッシャーとも言うのかもしれないが、リハーサルとはいえど研ぎ澄まされた感覚は変わることなく演奏されているので別録音としての楽しみ方がまた一つ増えるというもの。


 ムラヴィンスキーによるワーグナー管弦楽作品集は、想像している以上に好みなサウンドだったとも言える。SACDハイブリッド盤となっているからこそ楽しめる要素も多いと思うが、ショスタコーヴィチやチャイコフスキーとはまた違うムラヴィンスキーとレニングラード・フィルの演奏を聴くことができて今はただ満足である。他の録音もあれば探して聴いてみたいと思う。

https://tower.jp/item/6216832/ワーグナー:ジークフリートの葬送行進曲、「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲と愛の死、ワルキューレの騎行、「タンホイザー」序曲+リハーサル、他(2023年K2HDマスタリング)<タワーレコード限定>