クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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こちらはクラシック音楽のCDの名盤をレビューするブログです!
年間500枚以上クラシック音楽のCDを購入します。
好きな作曲家はマーラー、ストラヴィンスキー、ブルックナー、三善晃、ショスタコーヴィチなど
吹奏楽を中心にトランペット演奏の他、作曲なども行います。


尚美学園大学/芸術情報学部/音楽表現学科/音楽メディアコース卒業、トランペット、作曲、編曲、DTM


 みなさんこんにちは😃本日7月15日は私の誕生日になります。今年で31歳です。さて、はやいもので私も31歳になりましたが、現在も変わらず名盤はこうして日々聴きながら購入を続けています。その中でもやはりマーラーの交響曲はいつ聴いても飽きないというのが本音でしょうか。そんな本日ご紹介していくのは、直近に発売されたマーラー交響曲全集からセミヨン・ビシュコフ&チェコ・フィルハーモニー管弦楽団によるマーラー演奏を取り上げていきます。



「セミヨン・ビシュコフ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」


マーラー作曲:

交響曲第1番 ニ長調「巨人」


交響曲第2番 ハ短調「復活」


交響曲第3番 ニ短調


交響曲第4番 ト長調


交響曲第5番 嬰ハ短調


交響曲第6番 イ短調「悲劇的」


交響曲第7番 ホ短調「夜の歌」


交響曲第8番 変ホ長調「一千人の交響曲」


交響曲第9番 ニ長調




 ビシュコフ&チェコ・フィルによるマーラー・チクルスは交響曲第1番〜第5番まで発売された後、それ以降の番号付き交響曲に関しては今回の全集の一部として組み込まれる形で発売された。なお、Apple Music Classicalなどのストリーミング配信では第6番〜第9番までを単品で聴くことができるようにもなっている。今回個人的に残念だったのは、「大地の歌」や交響曲第10番が収録されていない点。とはいえ、近年におけるマーラー交響曲全集の中でも屈指の名盤であることは間違いない。


 私にとってマーラーはオーケストラにどっぷりとハマるきっかけとなった存在であり、このブログを始めるきっかけになった人生のターニングポイントである。このブログを2019年にはじめてはやいものでもう7年になるわけだが、ここまで続くとは思ってもみなかった。そして、今回マーラーの交響曲全集を取り上げること自体久しぶりに思える。ビシュコフのマーラーは以前「巨人」を取り上げているので、こうして全集を聴くことができるということは非常に嬉しく思える。




・マーラー:交響曲第1番「巨人」


録音:2021年10月12〜15日


 演奏が始まった瞬間にこの「巨人」が以下に理想的なマーラー演奏であるということを知るだろう。オーケストラ全体における音色やテンポの緩急における各楽章ごとの細かいダイナミクス変化など、非常に生き生きとした豊かなサウンドを聴くことができる。特に金管楽器の音色はある意味理想的な響きを奏でており、その奥深さと豊かな音色は魅力的であると言える。木管楽器の演奏は統一感と軽快さが明確であり、弦楽器は幅広さからなるスケール感よりも研ぎ澄まされた音色の美しさを強く聴くことができる。曲の構成としても各楽章ごとに頂点が繰り返されるわけだが、今回の演奏ほど理想的なマーラーは久しぶりに聴けた。




・マーラー:交響曲第2番「復活」


録音:2018年11,12月



・クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)

・エリーザベト・クールマン(アルト)

プラハ・フィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ルカーシュ・ヴァシレク)


 テンポの緩急からして、生き生きとした音圧の強さを演奏から通して聴くことができるインパクト満載の演奏を聴くことができる「復活」。もちろんそれだけではなく、第4楽章と第5楽章では合唱や歌手も加わるためその美しい歌声や音色の美しさに酔いしれることができる。全楽章共通して言えるのは、金管楽器の音色の変化である。「緩→急」ではインパクトのある音色を、「急→緩」では透明度の高い美しさに特化した神秘的な音色、響きをそれぞれの場面で聴くことができるのは非常に面白い。最終的には合唱とオーケストラが一体化するため、その際の荘厳的な美しさからなるスケール感は大きな感動をもたらしてくれるだろう。




・マーラー:交響曲第3番


録音:2024年1月30日〜2月3日



・カトリオーナ・モリソン(メゾ・ソプラノ)

プラハ・フィルハーモニー合唱団(女声)(合唱指揮:ルカーシュ・ヴァシレク)

プエリ・ガウデンテス(少年合唱)(合唱指揮:リボル・スラーデク&ヤン・キーヨフスキー)

・ヤン・ムラーチェク(コンサートマスター)

・ヤン・ペルニー(トロンボーン独奏)

・ワルター・ホーフバウアー(ポストホルン独奏)



 非常に重量感のある始まりではあるが、その分厚いスケールからなる音の太さは強烈である。故に第1楽章冒頭におけるホルンの音色は非常に存在感のある演奏だ。自然的な音のバランスによる美しさと、細かい細部にわたって演奏されるダイナミクス変化が描かれている。テンポの緩急も各楽章ごとに分かれているが、激しい演奏というわけではないどちらかといえば緩やかでアンサンブルを聴くことができる状態での演奏が展開されているため、牧歌的で落ち着いた空間をもととした世界観を聴くことができる。第4楽章、第5楽章における歌手や合唱の歌声もオーケストラとの調和的なバランスからなる美しい透明度からなるため、弦楽器や木管楽器による自然的な音の美しさが損なわれていないのが大きい。そして、第6楽章における弦楽器によるたっぷりと奏でられた美しさからなるスケールは格別の美しさてあるといえる。伸びやかさと透明度の高いダイナミクス変化は息を呑むような神秘的感覚を覚えるだろう。

 



・マーラー:交響曲第4番


録音:2020年8月21〜26日



・チェン・ライス(ソプラノ)



 第1楽章冒頭の鈴とヴァイオリンによるテンポを遅くしながらの緩やかなアプローチは、ブーレーズ盤ぶりに思わず驚かされた演奏である。それにしても甘さたっぷりに演奏が行われているため、これは素晴らしい世界観の始まりであることを予感させてくれた。それ以降の楽章も細かいテンポの緩急が連続するため、その揺らぎやダイナミクス変化によるアンサンブルの空気的な流れの美しさを余すことなく聴くことができる演奏は中々ない。近年におけるマーラー録音のほとんどはスタンダードかされている中でこれほどの個性に満ち溢れたマーラーはないと言っても良いだろう。第4楽章ではソプラノが見事に美しい歌声を歌い上げており、オーケストラとの調和的な響きの世界は伸びやかでもありバランスの良さが冴えわたるアプローチの連続である。




・マーラー:交響曲第5番


録音:2021年12月8〜11日


 第1楽章冒頭のトランペットによるソロからして、強弱の違いやアタック、アーティキレーションが明確に出ていることもあり、メリハリからプラスとなったパワーを細部まで細かく聴くことができる。それはやがてオーケストラ全体に広がり、テンポの緩急を味方としてダイナミクス変化が見事に展開されている。第2楽章では多少の荒さは目立つかもしれないが、それ以外の楽章では豊かな音色を軸として聴くことができ、最終的にはインパクトのあるスケール感を味わえた上での演奏となる。第4楽章アダージェットの美しさは異常なほどであり、ゆったりとしたテンポから伸びやかさのある弦楽からなる細部まで細かく演奏されている。それはまさに息を呑むような美しさであり、第5楽章冒頭のホルンの音色はそれを受け継いだ状態で始まるため、これほど美しい音は中々聴くことができないだろう。その後も優美さが加わった状態で展開される緩やかなアプローチは、これまでに聴いてきたどの同曲録音の中でも類を見ないような美しさに満ち溢れていたのは間違いない。




・マーラー:交響曲第6番「悲劇的」


録音:2018年11月〜2025年6月


 久しぶりに聴いていて興奮することができた演奏に巡り会えた気がしている。オーケストラ全体としてひとつにまとまり合う一体感、分厚いスケールを兼ね備えたテンポの緩急からなるダイナミクス変化を聴くことができた気がしている。ティンパニの強打やトランペットをはじめとする金管楽器の叫ぶような咆哮、弦楽器による狂ったような狂乱の演奏、木管楽器は聴き手をあざ笑うかのような道化のような感覚を感じ取ることができるようになっている。100種類以上の「悲劇的」を聴いてきたが、その中でもトップクラスの演奏であるのは間違いない。また、ハンマーの打撃に関しても「ズシン」とした重みと深みを通して聴くことができるのはこの演奏だけかもしれない。




・マーラー:交響曲第7番「夜の歌」


録音:2018年11月〜2025年6月


 全楽章共通して独特なアプローチからなる細かいダイナミクス変化やテンポの緩急が非常に功を奏す演奏となっている。時に荒々しく、時に緩やかさや安らぎを持って演奏されるのが面白い。特に第3楽章以降は間や溜め、揺らぎが多く見受けられる。その中で各楽器ごとの群としての響きの重なりなど美しさを感じ取ることのできる箇所は随所存在している。特に第5楽章に到達すると、金管楽器群によるパワーだけではなく個性豊かな音色の変化というものを多発的に聴くことができるようになるので、今まで難解さ故に積極的に聴きづらいと感じる方も多かったこの曲がより聴きやすくなったと感じるのは間違いない。




・マーラー:交響曲第8番「一千人の交響曲」


録音:2018年11月〜2025年6月



・サラ・ウェゲナー(ソプラノ1)

・カテリーナ・クニェジコヴァー(ソプラノ2)

・ミリアム・クトロヴァッツ(ソプラノ3)

・ステファニー・イラーニ(メゾ・ソプラノ1)

・ジェニファー・ジョンストン(メゾ・ソプラノ2)

・デイヴィッド・バット・フィリップ(テノール)

・アダム・プラチェトカ(バリトン)

・デイビット・シュテフェンス(バス)

プラハ・フィルハーモニック合唱団(合唱指揮:ルカーシュ・ヴァシレク)

ブルノ・チェコ・フィルハーモニー合唱団(合唱指揮:ジョエル・ハナ&ペトル・フィアラ)

プラハ・フィルハーモニック児童合唱団(合唱指揮:イジー・フヴァーラ)

ダニエラ・ヴァルトヴァ・コシノヴァ(オルガン)

ズデニェク・クラウダ(副指揮)



 荘厳的な美しさと、豊かで深みある音色を奏でるチェコ・フィルと共に合唱が美しい歌声を聴くことができるのはまさにこの美しい空間をたっぷりと楽しめる美しさが秘められているのは明確である。第1部こそ長大であり、テンポの緩急からなる激しいダイナミクス変化をたっぷりと聴くことができた。第2部では伸びやかなスケールからなるオーケストラ演奏や合唱、歌手の美しい歌声が非常に功を奏す形となっている。ダイナミック・レンジの幅広さを細部まで細かく聴くことができるのはもちろん、各楽器ごとに透明度の高い響きが奏でられているのはこの演奏ならではであると言える。




・マーラー:交響曲第9番


録音:2018年11月〜2025年6月


 楽章によっては多少の荒っぽさが演奏から通して聴くことができなくはない。特に金管楽器群の演奏にその傾向を感じる。しかし、弦楽器の深みある濃厚な音色をたっぷりと聴くことができる面を考えると、この交響曲第9番における演奏としては伸びやかなスケールを聴くことができるため第4楽章終盤における静寂的な美しさも含めて感動を味わえる。各楽器によるアンサンブルも細かく演奏されているため、ダイナミクス変化を含めて聴きやすかった。



 久しぶりにマーラーの交響曲全集を聴いたが、近年稀に見る名盤を多数収録した全集であると言えるだろう。新しい発見を与えてくれた交響曲第4番や第7番など、一つ一つの交響曲の素晴らしさを改めて知ることができた。これは繰り返し聴きたくなってしまう。誕生日を迎えた今日という日になる直前まで聴き続けたのもあるが、ビシュコフ&チェコ・フィルのマーラーは全ての人にオススメしたいと思う。



https://tower.jp/item/7965500













 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、エドワード・ガードナー&ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」、「メタモルフォーゼン」です。ガードナーは現在注目的な指揮者の一人で、ロンドン・フィルとは直近でも録音が多く残されています。そんな両者による新譜がリヒャルト・シュトラウス作品。この頃「アルプス交響曲」については何種類もの演奏を聴いていますが、ガードナーが作り上げる世界観はどのようなものとなっているのかみていきましょう。



「エドワード・ガードナー指揮/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団」



リヒャルト・シュトラウス作曲:


アルプス交響曲 作品64


メタモルフォーゼン




 ガードナーによるロンドン・フィルとの演奏は現在までにドヴォルザークやシューマン、ラフマニノフなどの録音が残されている。リヒャルト・シュトラウス作品としてはベルゲン・フィルとの「サロメ」や「エレクトラ」がキャンドスレーベルにて録音が行われている。今回の2曲はApple Music Classicalの先行リリースにてDolby Atoms/ハイレゾロスレスで聴くことができる。また今後増えていくのかはわからないが、今回「アルプス交響曲」が録音となってリリースされるということは非常に嬉しい。




・リヒャルト・シュトラウス:アルプス交響曲


録音:2025年2月21日


 ダイナミック・レンジの幅広さからなるスケール感、豪快なサウンドの連続などが非常に素晴らしい演奏となっている。今日までケンペやバッティストーニなど何種類もの同局録音を聴いてきたがその中でも特に迫力や演出面として満足のいく演奏となっていたのではないか?と感じた。特に「雷雨と嵐」における嵐や雷雨における細かいダイナミクス変化による演奏が非常に隅々まで細かく演奏されているのが個人的には鳥肌が立つくらいに満足度の高い演奏であった。もちろんそれ以外における「急→緩」な場面では木管楽器の透き通るように美しい音色を聴くことができる。それに合わせて弦楽器によるスケールが展開されている。残響も含めて美しい演奏がどこか冷たさをも感じさせるような感覚ではあるが、透明度の高い演奏からなる感動を味わえるのは大きな満足感が味わえるだろう。




・リヒャルト・シュトラウス:メタモルフォーゼン


録音:2025年1月15日


 弦楽による生々しい音色の美しさや卓越されたアンサンブルの美しさ、ダイナミクス変化におけるバランスの良さなど細部まで細かく演奏で展開されているのが非常に素晴らしい。ダイナミック・レンジの幅広さがあり、その中で音の広がりが伸びやかだからこそ弦楽の美しさを余すことなくたっぷりと楽しめるようになっているのは間違いないだろう。



 ガードナー&ロンドン・フィルによるリヒャルト・シュトラウス作品。想像していた以上に素晴らしい演奏であった。この調子で「英雄の生涯」なども録音してもらえたらどれだけ嬉しいか。また、過去に録音された曲についても気になってきたので、それらについてもこれから少しずつ聴いていきたいと考えている。何より直近に聴いた「アルプス交響曲」の中でも特に映画を見ているかのような感覚になった演奏を聴くことができたのは間違いない。



https://classical.music.apple.com/jp/album/1895132606?l=ja-JP








 



 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、アレクサンドル・ラザレフ&日本フィルハーモニー交響楽団によるショスタコーヴィチ交響曲第4番です。両者によるショスタコーヴィチ録音といえば、これまでも数多くの名演がCD化されてきました。まだ全ては取り上げきれていなかったので、今回はその中から交響曲第4番を取り上げていきます。



「アレクサンドル・ラザレフ指揮/日本フィルハーモニー交響楽団」


ショスタコーヴィチ作曲:

交響曲第4番 ハ短調作品43




 ラザレフ&日本フィルによるショスタコーヴィチといえば、これまで交響曲第4番、第5番、第6番、第7番、第8番、第9番、第10番、第11番、第12番、第15番までがCD化されている。個人的には両者の交響曲第11番がきっかけとなりショスタコーヴィチの演奏を数多く聴くようになったと言っても過言ではない。当ブログでも何種類かすでに取り上げているが、今回はその中から交響曲第4番を取り上げていく。



・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番


録音:2014年10月24〜25日(ライヴ)


 第1楽章よりテンポの緩急における凄みある分厚いサウンドが重心の低い状態で演奏が展開されていく。強烈なフガートにしてもオーケストラ全体の重々しい演奏は今回のライヴならではであるということは明確であり、細部まで細かく作り込まれた演奏と複雑かつ難解なオーケストレーションなど聴いていて非常に面白い演奏である。弦楽器による演奏が非常に魅力的で面白い演奏となっており、聴き手を音で包み込むような凄みがあったのは間違いない。


 第2楽章では第1楽章におけるテンポの緩急による大きな変化と比較すると基本は一定のテンポで演奏が行われているため、やや重心の低い状態で演奏が行われることもありどっしりとしたサウンドを日本フィルのサウンドからは聴くことができる。


 第3楽章は第2楽章の流れをくんでいることもあり、第1楽章でのインパクトの大きさから連想するとややインパクトに劣る印象も少なくはない。しかしながら、演奏難易度としても第1楽章に強烈なフガートなどがあるため、第3楽章は整理した結果としての安定感のある音圧とキレ味の良さを演奏から聴くことができたと感じる面も多い。特にトロンボーンの音色は抜群に良い。



 ラザレフ&日本フィルによるショスタコーヴィチの交響曲録音はどれも非常に素晴らしい名盤として知られる演奏が多数存在している。個人的な話だが、私が今もこうしてショスタコーヴィチ作品を頻繁に聴いているのもラザレフ&日本フィルのおかげでもある。全集完成とまではいかなかったが、まだ聴いていない交響曲についてもこれから取り上げていきたいと思う。



https://tower.jp/item/3883259












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ヘルベルト・フォン・カラヤン&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による1987年ザルツブルク音楽祭でのワーグナー作品です。以前晩年におけるワーグナー管弦楽曲集を取り上げていますが、今回は「タンホイザー」序曲、「ジークフリート牧歌」、「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲、イゾルデの愛の死が収録されています。その中でも「イゾルデの愛の死」はジェシー・ノーマンとの共演で聴くことができる演奏ということもあり、非常に貴重なライヴ録音であると言えるでしょう。




「ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」


ワーグナー作曲:

歌劇「タンホイザー」序曲


ジークフリート牧歌


楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲、イゾルデの愛の死





 カラヤンによるワーグナー録音といえばこれまでのオペラ本編を含めて管弦楽曲集などをはじめとして名盤が非常に多い。そんな今回は1987年夏のザルツブルク音楽祭マチネー・コンサートでのライヴとなっている。中でも「トリスタンとイゾルデ」では「イゾルデの愛の死」において、ジェシー・ノーマンと初共演による演奏を聴くことができる。





・ワーグナー:歌劇「タンホイザー」序曲


録音:1987年8月15日(ライヴ)


 ベルリン・フィルによる演奏とは違い透明度の高い演奏という印象が非常に強い演奏となっている。というのも、重厚的かつ分厚いスケールからなる音色と伸びやかなサウンドからなるベルリン・フィルの演奏からするとウィーン・フィルとの演奏からは伸びやかさと奥行きのある音の広がりやキレ味の良さが明確になっている。また、テンポの緩急に優れた演奏という印象もあり、「緩→急」では弦楽器の研ぎ澄まされた音色を、「急→緩」では木管楽器による奥深く、豊かな音色からなる演奏が展開されている。そして、トロンボーンの深みある演奏も豊かで美しくたくましい。それぞれに特徴の良さを演奏から通して聴くことができる「タンホイザー」となっている。



・ワーグナー:ジークフリート牧歌


録音:1987年8月15日(ライヴ)


 木管楽器、ホルンをはじめとして透き通るように透明度の高い美しさが極まった音色の良さが非常に功を奏す形となっている。ダイナミック・レンジの幅広さが抜群に良く、広大なスケールからなる音の広がりやアンサンブルによる鮮明な彩度の綺麗な演奏である。その分パワーや盛り上がりには欠ける面があるかもしれない。しかし、パワーでゴリ押すような作品でもないため、今回のアプローチがベストなようにもおもえてくる。このライヴは安定感があり非常に聴きやすい「ジークフリート牧歌」と言えるだろう。



・ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」より第1幕への前奏曲


録音:1987年8月15日(ライヴ)


 ダイナミック・レンジの幅広さ、空間的にも音の広がりが功を奏す演奏となっており、オーケストラ全体として透明度の高い音色の良さが発揮された演奏である。オーケストラとの息もぴったりでゆったりとしたテンポ設定による伸びやかさが大きなスケールを包み込み、濃厚さがこれまでの演奏にプラスされた印象を強く受けた。



・ワーグナー:楽劇「トリスタンとイゾルデ」よりイゾルデの愛の死


録音:1987年8月15日(ライヴ)


 ここからジェシー・ノーマンが加わり、これまでオーケストラだけだった演奏に空間的にもオペラ本編を思い出させてくれるような凄みのあるスケール感と透明度の高い美しさをたっぷりと聴くことができるようになった。テンポの緩急からなる細かいダイナミクス変化からなる濃厚な音色と響きの良さ、そしてその圧巻たる歌声は聴いているだけでうっとりとしてしまうだろう。



 カラヤン&ウィーン・フィル、ジェシー・ノーマンによる1987年夏のザルツブルク音楽祭でのライヴ、非常に素晴らしい名演を聴くことができたと言えるだろう。それをUHQCDによる高音質盤で聴くことができたというのも満足できる。そして、カラヤンのワーグナーはいつ聴いても飽きない。またベルリン・フィルとの管弦楽曲集などを含めて聴き比べてみたいと思う。



https://tower.jp/item/4416498












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ラハフ・シャニ&ロッテンダム・フィルハーモニー管弦楽団によるドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」、ワーへナールの序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」です。2025年に来日した両者による来日時と同様のプログラムからなる録音を聴くことができるということもあり、当盤は非常に注目てきな新譜であると言えるでしょう。





「ラハフ・シャニ指揮/ロッテンダム・フィルハーモニー管弦楽団」


ワーへナール作曲:

序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」



ドヴォルザーク作曲:

交響曲第9番 ホ短調作品95「新世界より」





 ラハフ・シャニ&ロッテンダム・フィルによる演奏は以前メンデルスゾーンの「スコットランド」を取り上げた以来になる。両者は2025年に来日しており、その際ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」やワーへナールの「シラノ・ド・ベルジュラック」は演奏されている。来日は2025年6月となっており、今回の録音はその後である同年8月に行われた。今年は5月に来日しており、その際はミュンヘン・フィルとの演奏が行われている。





・ワーへナール:序曲「シラノ・ド・ベルジュラック」


録音:2025年8月25〜28日


 勢いの良さとテンポの緩急からなる揺らぎによる美しさと多彩な美しさと情熱的なサウンドを演奏から聴くことができる。勢いの良さと金管楽器による活発な演奏が非常に面白い。普段の演奏では中々聴くことができない熱量の多さをドヴォルザークの前で聴くことができることで、このあとに収録されている「新世界より」に向けて細かいアプローチが向かっているのがよくわかる。




・ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」


録音:2025年8月25〜28日


 第1楽章よりスタンダードなアプローチかと思いながら演奏を聴いてみると意外にもアタックの強さやリピートありでの演奏など、近年における同曲録音の中でも類を見ないような演奏となっている。音の処理はシャープで、残響は少ないスマートなサウンドながらティンパニの強打や金管楽器による咆哮など特徴的な面は数多く抑えられている印象を受ける。


 第2楽章では伸びやかであり、緩やかな弦楽器と木管楽器によって奏でられる非常に美しい音色と響きを演奏から聴くことができる。その繊細なアプローチによって奏でられる細かいダイナミクス変化からはコーラングレをはじめとして他の楽器にも透明度の高い音色からなる感動を味わえるようになっていると言っても良いだろう。


 第3楽章は推進力溢れるインパクトのある演奏となっているが、ここまでの演奏と同様にシャープなアプローチからなるキレ味を演奏からは聴くことができる。テンポの緩急における細かいダイナミクス変化も聴くことができるため、金管楽器によるパワーや木管楽器の優美さからなる美しいサウンドを余すことなく楽しめるようになっている。


 第4楽章はスピーディかつキレ味も多少加わったインパクトのある演奏となっている。冒頭のトランペットやホルンをはじめとするファンファーレ、木管楽器や弦楽器が奏でる濃厚でたっぷりとした美しい深みある音色の良さなど、多くの特徴がここで集結していると言っても良いだろう。



 シャニ&ロッテンダム・フィルによる名盤はメンデルスゾーンだけではなく、今回のドヴォルザークも非常に素晴らしかった。ブルックナーも録音が残されているので、そのうちマーラーも録音されるだろうか?これはこれで気になるので、また続報を待ちたい。



https://tower.jp/item/7991118













 みなさんこんにちは😃本日7月10日は作曲家カール・オルフの誕生日です。今年で生誕131年になります。そんな本日ご紹介していくのは、シャルル・デュトワ&モントリオール交響楽団によるオルフの代表作である「カルミナ・ブラーナ」です。数多くの名盤を残してきた両者による「カルミナ・ブラーナ」、UHQCD仕様の高音質盤にもなった非常に素晴らしい名盤を取り上げていきます。



「シャルル・デュトワ指揮/モントリオール交響楽団」


オルフ作曲:

世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」





 オルフによる「カルミナ・ブラーナ」といえば、誰しもが一度は聴いたことがある曲であると言っても過言ではない。それは全曲ではなく冒頭などを示すことも含めているが、つい先日も新しい同曲録音のCDが発売された。これについてはまた後日取り上げたい。


 今回は数多くのフランス音楽における名盤を残してきたデュトワ&モントリオール響のコンビ。今回はそんな両者による「カルミナ・ブラーナ」を取り上げていく。パワーでのゴリ押しではなく、色彩豊かな美しいアンサンブル、サウンドをみていこう。




・オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」


録音:1996年5月



・ビヴァリー・ホック(ソプラノ)

・スタンフォード・オルセン(テノール)

・マーク・オズワルド(バリトン)

モントリオール交響合唱団

F.A.C.E.少年合唱団



 色彩豊かな美しい音色、響きを演奏から通して聴くことができ、歌手や合唱の美しい歌声との相性も非常に良い。空間的な音の広がりも申し分なく、各曲ごとの世界観を明確なまでに彩った演奏を聴くことができる。デュトワとモントリオール響による相性の良さも含めて歌手や合唱の豊かな歌声が細かいアンサンブルとして、テンポの緩急からなるダイナミクス変化の中でこの名作を楽しめるようになっているのは非常に大きい。



 デュトワ&モントリオール響による名盤はどれも非常に人気の高い演奏が多数存在しているが、その中でも合唱との演奏ということだけあって透明度の高いオーケストラ演奏、合唱の歌声とのバランスの良さなどを聴くことができたのは大きな満足感がある。両者による同じような編成での録音があれば今後ぜひ聴いてみたいと思う。



https://tower.jp/item/5317446












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、ベルナルド・ハイティンク&バイエルン放送交響楽団によるマーラー交響曲第4番です。ハイティンクといえば複数のマーラー録音が残されており、その中でも晩年はバイエルン放送響とのライヴが多く残されてきました。今回はソプラノ歌手にユリアーネ・バンゼを迎えての演奏となっています。



「ユリアーネ・バンゼ(ソプラノ)、ベルナルド・ハイティンク指揮/バイエルン放送交響楽団」


マーラー作曲:

交響曲第4番 ト長調




 ハイティンクのマーラーといえば、コンセルトヘボウ管やシカゴ響をはじめとして全集や選集など複数の録音が残されている。晩年にかけてはブルックナーの交響曲録音が多かった印象ではあるが、今回の演奏はすでに発売されている記念BOXからの発売となっている。




・マーラー:交響曲第4番


録音:2005年11月3,4日(ライヴ)


 第1楽章冒頭より軽快かつ軽やかなテンポによって演奏が展開されていく。「急→緩」へとテンポが落ちた際はより一層緩やかになり、その際はやや重心が低くなる。それによって演奏のバランスがダレることもなく、全体としてはスッキリとして演奏が行われているため太いサウンドを奏でるオーケストラの演奏が非常に素晴らしい。特に交響曲第5番第1楽章冒頭の動機が演奏される際の重量感とトランペットによる音のハリは抜群である。


 他の録音と比べても強烈なテンポの緩急を備えた演奏ではなく、中間部にしてもゆったりとしていて伸びやかである。ソロも含めて豊かな音色、キャッチーなアプローチからなる演奏を聴くことができるようにもなっており、木管楽器は特に愛らしく、弦楽器、特にヴァイオリンは悪魔的なイメージを連想させるような面白さがある。


 思いの外重々しくはないテンポで演奏が進められており、ゆったりとした穏やかな演奏を聴くことができる第3楽章。一音一音における音の重みは凄まじく、終盤における金管楽器の咆哮とともに演奏されるティンパニの深みある打撃は格別である。また、弦楽器や木管楽器によるアンサンブルも細部まで細かく聴き込めるようになっているのも素晴らしい。


 第4楽章でソプラノが加わり、オーケストラとの調和的な響きが明確となる。豊かな音色を楽しみやすくなったのはもちろん、細かいダイナミクス変化、テンポの緩急を自由に演奏が行われていることもあり、ゆったりとした美しさに満ち溢れた演奏を楽しみやすくなっているのは間違いない。



 ハイティンクのマーラー自体取り上げたのは久しぶりのことだったが、思いの外ワクワクした演奏だったのは間違いない。両者によるマーラーでは特に交響曲第3番を以前はよく聴くことが多かったのだが、この第4番は第3番を聴いた上でそのまま続けて聴いてみると面白い良さがあると私は考えた。



https://tower.jp/item/8012374














 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、オーケストラ・ニッポニカによる「反戦作品集」です。時代が変わろうとも風化してはならない平和への想いが作品に込められています。収録されているのは、糀場富美子の「未風化の7つの横顔」、林光の第3交響曲「八月の正午に太陽は⋯」、野平一郎の「ある科学者の言葉」です。


「野平一郎指揮/オーケストラ・ニッポニカ」


糀場富美子作曲:

未風化の7つの横顔〜ピアノとオーケストラのために


林光作曲:

第3交響曲「八月の正午に太陽は⋯」


野平一郎作曲:

ある科学者の言葉〜児童合唱とオーケストラのために




 オーケストラル・ニッポニカは現在活動休止となっている。今回収録されている3曲は過去の定期演奏会で演奏された貴重な録音の数々を聴くことができる。今回は「オーケストラ・ニッポニカ反戦作品集」と題して世界へ平和の祈りを込めた日本人作曲家による作品が集められている。




・糀場富美子:未風化の7つの横顔〜ピアノとオーケストラのために


録音:2022年12月11日(ライヴ)


 設立20周年連続演奏会でのライヴ録音。阪田知樹をピアノ独奏に迎えての演奏。ピアノとオーケストラのための作品であり、現代音楽ではあるがその繊細かつ細部まで演奏された響きと不協和音による音色のぶつかりからはこの作品独特の面白さを聴くことができる。「緩→急」へと変化した際のピアノや打楽器など、オーケストラ全体によるトゥッティの強烈な音には思わず驚かされる。細かいダイナミクス変化がカギとなる演奏となっており、美しくも不気味な静寂を楽しめるのは間違いない。



・林光:第三交響曲「八月の正午に太陽は⋯」


録音:2023年11月12日(ライヴ)


・竹多倫子(ソプラノ)



 1990年9月19日にサントリー音楽財団の委嘱により作曲。全3楽章からなる交響曲である。1989年4月に起きた「天安門事件」や1919年5月4日の「五・四運動」が根底にある。また、1976年4月5日に起きた「四五天安門事件」にも想を受けている。そのことから第1楽章、第2楽章における作品として重要なリズム「4+5」もしくは「5+4」がそれぞれの日付をもととされている。


 第43回定期演奏会「初回への眼差し」でのライヴ。極めて現代的な作品というわけではなく、社会的なメッセージを強く秘めた作品ということもありショスタコーヴィチ作品に近い歯切れの良さからなるリズム、オーケストレーションというようにも聴こえるかもしれない。しかし、それによるテンポの緩急と群としての演奏があることによって、この悲観的であるはかなさをまとった美しい世界観が展開されているのだと考えられる。



・野平一郎:ある科学者の言葉〜児童合唱とオーケストラのために


録音:2016年7月10日(ライヴ)


 第29回定期演奏会「野平一郎ミュージック・アドヴァイザー就任披露」こどもの領分 反戦の戦いでのライヴ。ある科学者とはアルベルト・アインシュタインのこと。アインシュタインの著作や発言をまとめた「アインシュタインの150の言葉」などから抜粋、構成された。科学の可能性、平和への願い、人間性についての思索などが合唱と共にオーケストラが演奏する。


 児童合唱とオーケストラという幻想的にも聴こえるこの神秘的な響きは、他の作曲家でも同様の編成による演奏を聴いた時と同じように衝撃的な響きを演奏から聴くことができる。独特な音の広がりと透明度の高いくもりのない歌声、リズミカルで特徴的なオーケストラによる演奏による融合的な印象。この曲は今回初めて聴いたが強いメッセージ性を持ちながら面白い演奏であると感じ取ることができた。



 いわゆる現代音楽を数多く演奏してきたオーケストラ・ニッポニカ、今回は全てが現代的な要素の色濃い構成ではなかったことも聴きやすい方向であったことはあるだろう。同オーケストラによる演奏は以前芥川也寸志作品を聴いた際の衝撃もあるが、今回はどれも初めて聴く作曲家の作品が中心となっていた。それぞれの作品についてはまた後日取り上げていきたいと思うと同時に、今後も過去の演奏会における貴重な演奏が発売されることを楽しみに待ちたいと思う。



https://tower.jp/item/8038742












 みなさんこんにちは😃本日7月7日は七夕、そしてグスタフ・マーラーの誕生日です。今年で生誕166年になります。そんな本日ご紹介していくのは、フランソワ=グザヴィエ・ロト&レ・シエクルによるマーラー交響曲「大地の歌」です。両者はすでにマーラーの交響曲を2曲録音していますが、ここでまさかの「大地の歌」が登場しました。当盤が発売されたのは1月になるので半年前ではありますが、貴重なピリオド楽器によるマーラー演奏、これは聴かないわけにはいきません。



「フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクル」


マーラー作曲:

交響曲「大地の歌」




 ロトによるマーラーといえば、毎回発売されると同時に話題に上がる。これまでレ・シエクルとの交響曲第1番や第4番、ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団との交響曲第3番、第5番の録音が特に話題を呼んだ。そんなロトのマーラー新譜が交響曲「大地の歌」とは誰が予想しただろう。しかもピリオド楽器による演奏。ちょうど最近レ・シエクルとの交響曲第1番、第4番がセットで発売されたので、そちらと合わせて聴くのも面白い。





・マーラー:交響曲「大地の歌」


録音:2024年3月18〜20,30,31日、4月1日、11月19日



・マリー=ニコル・ルミュー(コントラルト)

・アンドリュー・ステイプルズ(テノール)



 第1楽章冒頭より勢いの良さ自体も申し分ないパワフルさを演奏から通して聴くことができる。それに合わせて歌手の歌声も伸びやかであり、太い歌声をたっぷりと聴くことができる。ピリオド楽器による演奏ではあるとはいえ、ここまでの豪快さは中々ないだろう。金管楽器の音色がその分鋭くなっているかもしれないが、推進力からなるエネルギー量によるつかみは抜群だったのは間違いない。


 第2楽章でのゆったりとした美しさを余すことなく体感できるようになっており、第1楽章と比べると「急→緩」になっている分コントラルトとオーケストラとでの調和的な響きが美しい。より深みが増している印象も受けなくはない。


 第3楽章は再び「緩→急」へとテンポの勢いを戻す。多少キレ味のある細かいダイナミクス変化を演奏から通して聴くことができるアプローチが続いていくのだが、アンサンブルの美しさを通したテンポの緩急が非常に素晴らしい。


 第4楽章では緩やかに始まりながらも中間部では過去に聴いてきたどの録音の中でも一番テンポの加速からなる勢いの良さを感じ取ることができた。ぐんぐん進んでいく中でのパワフルなサウンドを金管楽器中心となって奏でており、その後「急→緩」へとテンポの流れは戻ると弦楽器と木管楽器による調和的な響きが美しく奏でられている。


 第5楽章はよりキャッチーなアプローチによる歌声やオーケストラのサウンドが愛らしく感じ取ることができるような演奏となっており、自然的な豊かさを感じ取ることができる音色の良さを演奏から聴くことができる。短い楽章ではあるがそのテンポの緩急があるからこそ各楽器における個性をうまく残した状態での演奏を聴くことができるのは間違いない。


 第6楽章、これまでの交響曲でも聴くことができたような暗い響きが奏でられる演奏となっている。その中で一音一音が深みを持った濃厚さを感じ取ることができるような演奏となっている。かつ、それにあわせて歌い上げるコントラルトのはかなさと存在感あふれる歌声にはうっとりしてしまう場面が幾度もある。スケール感を演奏から通して聴くことができるような伸びやかさを聴くことができ、歌曲と交響曲の融合たるこの曲の締めくくりがこの楽章で完結する。



 今回「大地の歌」が録音されたということは今後もマーラー作品が発売される可能性があるということを明確にさせてくれた気がしている。個人的には第6番や第7番、第9番あたりの演奏を聴いてみたいのだが、両者はドビュッシーなどのオペラ作品も残していることを考えると合唱付きの交響曲を録音していくこともできなくはないと考えている。それはそれとして、今後の楽しみが増えた感覚であることは間違いない。



https://tower.jp/item/7931038












 みなさんこんにちは😃本日ご紹介していくのは、今話題にあがっているユッカ=ペッカ・サラステ&ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団によるシベリウス交響曲全集です。サラステ自身すでに過去に複数回交響曲全集を完成させていますが、ヘルシンキ・フィルも同じ。両者にとって3度目の交響曲全集、楽しんでいきましょう。



「ユッカ=ペッカ・サラステ指揮/ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団」


シベリウス作曲:

交響曲第1番 ホ短調作品39


交響曲第2番 ニ長調作品43


交響曲第3番 ハ長調作品52


交響曲第4番 イ短調作品63


交響曲第5番 変ホ長調作品82


交響曲第6番 ニ短調作品104


交響曲第7番 ハ長調作品105




 サラステといえば、1987〜1989年にかけてセッション録音、1993年にはサンクトペテルブルクでのライヴによる全集をフィンランド放送交響楽団とシベリウス交響曲全集を完成させている。対するヘルシンキ・フィルは、シベリウスの交響曲第1番から第6番までを初演しており、その後としては1982〜1987年にかけてベルグルンドとの交響曲全集、2002〜2004年にかけてセーゲルスタムとの交響曲全集が録音された。つまりは両者にとって3度目の交響曲全集となるのが今回の交響曲全集である。




・シベリウス:交響曲第1番


録音:2026年1月13日


 いらないものを削ぎ落としたかのようなスッキリとしたサウンドによるテンポの緩急、細部にわたり細かく演奏されたアンサンブルが非常に功を奏す演奏となっている。ダイナミック・レンジの幅広さが増している分、伸びやかな響きを持って演奏を楽しむことができる。オーケストラ全体として音色の統一感が素晴らしく、伸び伸びとしていることもあり、しつこさが全くと言っていいくらいにない。しかし、卓越されたアンサンブルやこれまでもシベリウス作品を演奏しているからこそのアプローチが見事である。



・シベリウス:交響曲第2番


録音:2025年12月13〜14日、18〜19日(ライヴ)


 オーケストラ全体を生かしきった分厚いスケールはあまり大きくない印象ながら、スッキリとした快活的なサウンド作りからなる印象を受けなくはない。また、やや速めなテンポからなるアプローチを演奏から通して聴くことができる。残響は少ないながら透明度の高い音色と響きの美しい弦楽器による演奏は両者ならではの演奏なのではないだろうか?研ぎ澄まされた感覚を覚える凄みとしては申し分ない交響曲第2番の演奏である。



・シベリウス:交響曲第3番


録音:2025年12月13〜14日、18〜19日(ライヴ)


 非常に安定したアプローチからなるスケール感と伸びやかなサウンドを奏でる弦楽器による土台と、密度のある演奏を連続としてきくことができる演奏となっている。ダイナミック・レンジの幅広さがあることによって音の広がりと各楽器ごとに細かく聴き込めるような安定感も抜群に良い。全3楽章からなる交響曲ということもあり、あっという間に思えてしまうかもしれない。しかし、久しぶりに分厚い演奏で楽しめた。



・シベリウス:交響曲第4番


録音:2025年4月2〜3日(ライヴ)


 「暗→明」へと向かっていくシンプルかつ親しみのあるサウンドが非常に美しく、弦楽器と木管楽器による音色と響きの良さが功を奏す形となっている。第4楽章に入ると各楽器ごとに生き生きとした快活的なアプローチからなる演奏が行われており、特にクラリネットの演奏には強い勢いを感じ取ることができる。テンポの緩急を含めてスリリングな場面も少なくはないが、生き生きとした演奏を聴くことができる。



・シベリウス:交響曲第5番


録音:2024年11月6〜7日(ライヴ)


 やや筋肉質なストイックなアプローチからなる演奏を聴くことができたようにも思えなくはない。木管楽器の俊敏さと軽快さや弦楽器のテンポの緩急に合わせた柔軟性など個性的なサウンドとして仕上がっている。特に第3楽章における弦楽器の切れ味は凄まじい。



・シベリウス:交響曲第6番


録音:2024年11月20〜21日(ライヴ)


 演奏からは迷いの感じられない流れの良さが非常に美しい限りで演奏が行われている。やはり交響曲第6番は弦楽器を特に美しく聴くことができる。今回の演奏に関しては、いらないものを削ぎ落としたかのような筋肉質ではないがスッキリとしたアプローチからなる透明度の高い演奏となっているのがよくわかる。木管楽器を含めてオーケストラ全体におけるアンサンブルのバランス良さが功を奏す形となっているのも大きなポイントと言えるだろう。



・シベリウス:交響曲第7番


録音:2024年11月20〜21日(ライヴ)


 交響曲第6番とセットで聴くことによってこの交響曲第7番はより理解しやすくなる作品であると個人的には考えている。スッキリとした後味でありながらも弦楽器によるくもりない美しい音色と響きが非常に功を奏す演奏となっており、普段の難解さが今回の演奏ではあまり感じられなかったのが大きなポイントと言えるだろう。テンポ自体も緩やかであり、奥行きの明確な響きの良さをたっぷりと聴くことができる演奏となっていた。



 サラステによるシベリウス交響曲全集、発売当初より気になっていたこともあり今回聴くことができて良かった。こうなったときに気になるのは過去に録音されているフィンランド放送交響楽団との演奏である。それについてはまたディスクユニオンなどで探しつつ、今回のヘルシンキ・フィルとの交響曲全集を聴きながら待ちたいと思う。



https://tower.jp/item/8016979