今回はニュートンの運動方程式の演習。
基本的には、力のつりあいの式と同じです。
加速方向は運動方程式、それに垂直な方向は力のつりあいの式を立てます。
運動方程式でも、間違える箇所は力のつりあいの式と同じ。
基本ルールの間違い
1.力の矢印を図に描きこむときの間違い
2.x軸、y軸のとり方の間違い
3.式を立てるときの間違い
*基本ルールについて見直したい人は、019運動方程式・改訂版を見てください。
1.力のつりあいの場合とまったく同じ。ほとんどの人が、力の矢印を図に描きこむ段階で間違えます。
2.力のつりあいの場合はx軸y軸をどの向きにとってもよかったのですが、運動方程式の場合は、物体が加速する方向にx軸を置きます。ここで、加速度aとx軸y軸を図に描きこむようにしましょう。
3.図の軸の向きと、力の向きを比べながら、式を立てます。
具体的なポイントについては、あとでまとめることにします。
1〜5は単純な問題演習です。基本ルールの間違いに気をつけて、基本ルール通りにやってみましょう。
6〜7も基本的な問題で、運動方程式を立てるルールを確認するのに最適です。
2つの物体が連動して動くときは、どちらも同じ加速度で同じ方向(一連の運動として同じ方向、という意味です)に進むので、図に加速度の矢印も書き込む必要があります。
では、描きこみを見ながら解説していきます。
1と2は単純な復習問題です。
3も典型的な問題。ぜひ、自力で解いておきたいところですね。2と3では、手の力が直接触れている相手にだけかかることを忘れないようにして、運動方程式を立ててください。
4はエレベーターが降りるときの様子を再現した問題ですが、上向きに引っ張っているのに、物体が下向きに加速するというのが、初心者には奇妙な感じがするところです。重力と手の力のバランスで、物体がどちら向きに加速するか決まるので、「合力によって加速する」というイメージに慣れることが必要ですね。
5は斜めの場合。37度の傾きだと、有効二桁で、三角形の辺の比が3.0:4.0:5.0になります。この辺の比を使う問題もけっこうありますので、慣れておきましょう。
6と7も復習ですが、質量をmとMでなく、mと3m、2mにしてありますので、計算がカンタンになります。こういう例で計算しておくと、運動の見通しがつきやすくなりますね。
8は応用問題。
これが解けるようなら、力のつりあいと運動方程式の基本はマスターできてきた、ということになります。
次回からは、いよいよ、摩擦力や弾性力など、さまざまな力が登場します。
といっても、力のつり合いや運動方程式の立て方が変わるわけではないので、安心してください。
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