物理ネコ教室、うっかり水圧と気圧の内容を上げ忘れていましたので、追加しておきます。
022空気や水からうける力と024仕事とエネルギーの間に入る内容です。(これにともない、仕事以降の記事は番号を変えました)
冒頭のイラストは本当はトリチェリにしたかったのですが、まだイラスト化していないので、トリチェリのお師匠であるガリレオさんに登場願いました。
1.は圧力の基本的な定義です。
2.は液体気体の圧力について、固体の及ぼす圧力との違いを示しました。
3.は大気圧の測定に成功したトリチェリの実験と大気圧の計算です。
4.は水圧の式の導き方。
5.は水圧によってアルキメデスの浮力の原理を説明する内容になっています。
6.は高校ではやらないのですが、小中学校のどこかでならうパスカルの原理。油圧ブレーキなどに使われている力の拡大装置です。
では、書き込みを見ていきましょう。
1.の欄外に書いてあるメモは、スポンジを使った圧力の実験。
接触面積が小さいと載せたものが深く沈み込みます。下敷きなどをはさんで接触面積を広げると、ほとんど沈み込みません。
圧力の単位はパスカルですが、初心者はよく力と圧力を混同しますので、注意が必要です。
2.は、液体気体の分子が四方八方へ動いているために、固体の場合と違って圧力が横や上へもかかるということを書いてあります。水圧が水の重さによって生じているのに上向きに働くのがわからない、という人がけっこういるんですね。
3.のトリチェリの実験は歴史的にも重要。マグデブルク半球の実験は、吸盤2つを重ね合わせると実験できます。
大気圧の実験は、下敷きなどで行うと仕組みがよくわかるので、この講義のときはなるべく実験を見せるようにしています。
実験の映像はこちらで。
動画はこちらです。
4.は水圧の式の導出です。
「水圧」という言葉に関しては、教科書によって定義が違います。
大学の教科書では水深hでの圧力(大気と水の重さを足した圧力)を水圧と呼ぶのが普通ですが、高校の教科書では、水の重さによる圧力だけを水圧と呼ぶことがあります。
5.は、水中に沈めた物体に働く水圧の合力が浮力になることを証明する内容です。
この計算は結果より、説明の過程が重要。過去のセンター試験でも、説明過程が問題として出題されています。
6.パスカルの原理は正確には「気体や液体の圧力を一箇所で⊿pだけ増やすと、他の場所の圧力も同じ値⊿p増える」という内容です。これだとわかりにくいので、ざっくりと「気体・液体の圧力はどこも同じ」として計算します。(液体の場合は水深によって圧力が異なりますが、深問題とする2ヶ所の水深が同じなら問題ありません)
パスカルの原理を使った力の拡大機は、実際に油圧ブレーキ、エアブレーキ、エアジャッキに利用されています。
面積を1万倍変えれば力は1万倍になります。ネジなどの力学装置を使った場合は、ここまでの拡大率は見込めませんので、トラックのような重いクルマでは、エアジャッキを使っています。
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