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音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

第32回西春吹奏楽団定期演奏会

 

 スマホで入力して記事をアップしようとすると投稿完了の表示が出るものの、実際にはアップされていないと言う事態がここしばらく続いています。この記事も実際には9時40分ぐらいにアップしようとしていたのですが、肝心の記事が消えてしまっていましたので、そこから再度作り直しています。

 

 この西春吹奏楽団の演奏は、毎年楽しみにしているものの1つで、車椅子で生活している母親を連れて行ける数少ない演奏会の1つです。今年もこれを楽しみにしていました。

 

 

プログラム

 

 

 どこの吹奏楽団でもそうですが、演奏会は2部形式で、その第1部は、自分たちの1年間の練習の成果を発表する吹奏楽のオリジナル作品の演奏になっています。今回もその例にもれず、前半はそういう作品が演奏されました。今回のトップで演奏されたのは「天国の島」と言う作品でした。この作品2011年度の全国日本吹奏楽コンクールの課題曲として使われたものになります。実際の北海道北西部に周囲12キロの小さな島「天売島」(てうりとう)という島があります。作曲者の佐藤博昭さんは、ここで中学校の音楽教師として1年間勤務した経験もあるそうです。生徒数が7名と少なく、毎日一緒に生活していると言う感覚の中で、この島の魅力をこの作品に込めて書き上げています。たまたまこの作品テレビ番組の「ザ・鉄腕!dash!」で使われたこともあり、あっという間の人気曲になっていきました。多分皆さんも耳にしたことがあると思います。和楽器のテストを盛り込んだ、この作品はこれからも末永く演奏されるのではないでしょうか。

 

 

 

 1998年にジェームズ・ホルジンガーが作曲したこの作品は、アイルランドのケルトミュージックを要素に取り入れた作品です。ただあまり演奏される機会がないので、知らない人の方が多いかもしれません。

 

 

 選曲が凝っていて、3曲目にはレハールの「メリー・ウィドウ」から(ヴァリアの歌」が演奏されました。吹奏楽の父と称されるアルフレッド・リードが吹奏楽編曲した作品で、オペレッタの中に流れるメロディーとは多少違っているのが特徴です 。

 

 

 この作品は、昨年度も別の吹奏楽団が演奏していましたが、作曲者の酒井渉氏が、高校時代に作曲したと言う早熟な作品です。しかし、ソロ楽器によるアンサンブルや息継ぎを考慮した自然なフレーズなど、吹奏楽のエキスをいっぱい詰め込んだ作品になっています。名曲です。

 

 

第二部

 

  第二部は打って変わってポップスステージとなっていました。ただ最初はジャズのウェザーリポートの代表曲「バードランド」が演奏されました。一般にはメイナード・ファーガソンのトランペット版が有名なようですが、こういう吹奏楽版の演奏も楽しいものです。

 

 

  小生はほとんど知らないのですが、次に演奏されたのはMrs. GREEN APPLEのメドレー曲でした。この作品では、やはり小さい子供たちが一緒に口ずさみながら手拍子を打っているのが印象的でした。

 

 

  次のスーパーマリオブラザーズでは、お馴染みのファミコンから流れるゲーム音が次々と登場するので、子供たちは目をキラキラさせていました。冒頭の和音は実ファらのサウンだけで構成されている。そのシンプルさから、当時は強い印象を受けたものです。

 

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 ムーン・リバーは楽曲の紹介曲として取り上げられたようで、各楽器のソロが色々とフューチャーされていましたが、今回の選挙の中ではちょっと違和感がある作品であったことも事実です。

 

 「アナと雪の女王」「のメロディーはいろいろな編曲がありますが、ここではハイライトとして「ベリーー雪だるま作ろうー生まれて、初めてーLet It Go」と言う4曲が演奏されました。

 

 

 小生たちの世代には懐かしいのですが、1969年から71年にテレビで放送された「巨泉×前武ゲバゲバ、90分」と言う番組のテーマソングとして、作曲された曲が演奏されました。今回聞いてこんな賑やかな曲だったんだと言う思い出とともに、この番組で有名になったはじめの「と驚く玉五郎」「と言うフレーズも懐かしく思い出されました。

 

 

 「明日と言う日が」は、東日本大震災の被災地で歌われた、復興支援のシンボル曲 として広まったと言う事ですが、個人的には「花が咲く」「の方がどうしても印象が強いものです。こちらのほうは合唱曲として広く広まったようです。

 

 

 今回の演奏会で圧倒的だったのは、最後に演奏された千と千尋の神隠しの音楽として、久石 譲が作曲した「スピリットドアウェイ」と言う作品でした。もともとミニマル音楽の手法に精通している久石氏ですが、ここでは映画に登場する(龍の少年#カオナシ、#あの夏へ#底なし穴#湯婆狂乱#いつもいつでも#再び)という曲が、メロディーで演奏され、まるで映画の交響詩のような作品に仕上がっていました。メリハリのある演奏で、素晴らしく、充実したコンサートを盛り上げていました。

 

 

 一緒に同行した妹も今年の演奏会はすごく楽しめたと言うことを言っていました。

 

改訂・人生の50枚

 

 2016年の10月号のレコ芸に、「人生の50枚~私のリピート・ディスク・リスト」という特集記事がありました。この特集は、評論家の方々に、繰り返し聞いてきて、いまも聞き続けているディスクを50枚あげてもらい、それにコメントをつけてもらったものです。また、編集部員も50枚のリストだけあげています。上記のような基準であげられたものですから、仕事抜きといえると思います。ですから、それぞれの方の嗜好のようなものがわかって興味深いものがあります。が雑誌の性格上クラシックに的を絞ったリストを掲出している人もいれば、ポップスも組み入れてそれなりに実際の人生の50枚を選出している人もいました。小生としてはポップスなりジャズなり様々な音楽をチョイスした方がその人の本当の人生が垣間見えるような気がします。人それぞれの出会いですから、大切な50枚はよく知られた名盤もあれば、演奏どころか曲自体知らないというものもあり、結構興味深いものかあります。下がその時の記事です。

 

 

 リピートディスクということにおいては現物がないといけませんが、長い人生の中では処分してしまったものもあります。そんなことで、今回は原点に戻って今現在手元にあるもので過去に記事で取り上げたものをリストアップすることにしました。要するに所有はしていても、記事として取り上げていないものはカットしたということです。赤文字のものが今回入れ替えたものです。一応、レコードからCDに切替えたものは残してあります。こうしてみると結構処分したものです。取り上げた記事とリンクしていますので記事に飛ぶ事が出来ます。

 

 自分でもびっくりしましたが実に30%強が入れ替えの対象になりました。今回新しくリストアップしたのは赤太文字で表示しています。

 

1960年代

 

1.エルネスト・ミュールバッハー/モーツァルトホルン協奏曲集
2.コンヴィチュニー/ブラームス交響曲第1番
3.ブリテン/青少年の管弦楽入門
4.フェランテとタイシャーの「ロマンティック・コンサート」
5.ミシェル・オークレール/名演集
6.デルヴォー/ハンブルク・フィル/イタリア、真夏の夜の夢組曲
7.ワルター/ドヴォルザーク交響曲第8番
8.フルトヴェングラー/シューマン交響曲第4番
9.ブーレーズ/BBC交響楽団/幻想交響曲
10.ムーディ・ブルース/デイズ・オブ・フューチャーパスト

 

 この60年代は小生にとってレコードの黎明期でした。聴くもの全てがもの珍しく新しく購入するたびに何度もプレーヤーにかけて聞き込んだものです。で、モーツァルトのホルン協奏曲集は今でもディフェクトスタンダードです。でも、今ではこんなレコードが出ていたことすら忘れられているでしょう。朴訥なミュール・バッハーハーのホルンはこの楽器の面白さを教えてくれました。当時のウィーン響の主席だった人です。60年代はブラームスは蚊帳の外の人でした。渋すぎて一生聞くことのない作曲家だと思っていました。しかし、この特養版は交響曲とヴァイオリン協奏曲が一度に楽しめるということでCPに絆されて購入した一枚でした。しかし、ウカメイトは不思議なもので、これでブラームスに開眼するのですから。コンヴィちゅにーといえばベートーヴェンなんでしょうが、この一枚、オイロディスク録音ということでほぼ黙殺されている演奏です。併録の銀ペルのヴァイオリン協奏曲もスタンダードな名演です。オークレールはずっとレコードは取り上げていましたがこちらはCDのボックスセットに置き換えました。小生の中でフルトヴェングラーはベートーヴェンでもオペラでもありません。このシューマンはデーモニッシュです。改めてこの曲を見直すきっかけとなった演奏です。

 

1970年代

 

11.シカゴ/5
12.ジョン・ルイス/ヨーロッパの窓
13.ブラームス/交響曲全集 ジュリーニ/フィルハーモニア管弦楽団
14.MJQ/ブルース・オン・バッハ
15.カモメのジョナサン/ニール・ダイヤモンド
16.ポール・モーリア/The Music of Paul Mauriat Orchestra
17.ジョー・ハリオット/インドジャズ組曲
18.バッハ/ブランデンブルク協奏曲全集/コレギウム・アウレウム
19.オーマンディ/サンサーンス交響曲第3番
20.ブラームス/弦楽六重奏曲第1番 ベルリン八重奏団
21.アラビアのロレンス
22.ジーザス・クライスト・スーパースター
23.民族音楽シリーズ「バリ島のガムラン音楽」
24.ワルター・ジュスキントのコダーイ
25.チップス先生さようなら
26.五つの赤い風船/第2集
27.小椋佳/青春
28.ピンクフロロイド/原子心母
29.マイク・オールドフィールド/チューブラー・ベルズ
30.スメタナ四重奏団/ドヴォルザーク「アメリカ

 

 小生の人生の中で70年代は音楽体験の宝庫だった時代です。そんなことで、いろんな音楽に接してきました。クラシックだけでなくポップスや映画音楽、ジャズそしてロックまでも音楽として吸収しました。これがいい体験になっています。シカゴはデビュー版が鮮烈でしたからそのイメージが強いのですが、個人的にはアルパムの完成度は「シカゴ5」がベストです。映画の「エクソシスト」で知った「チューブラー・ベルズ」でしたが、今ではオーケストラものライブものと揃えています。「原子心母」もやはりライブ物も揃えています。ジュリーニは前回はシカゴとのストラヴィンスキーを取り上げていたのですがこのブラームスはレコード化されなかった4番を含む貴重なフィルハーモニアによる全集ということで今でも愛聴しています。この時代に知ったMJQはその独自なサウンドといいジョン・ルイスのセンスに惹かれました。「ヨーロッパの窓」はモノラルですがジョンがオーケストラを指揮して見事な演奏を披露しています。「イングランズ・キャロル」などは名曲です。映画音楽も方この時代で、トータル・アルバムとしての「かもめのジョナサン」は映画は転けましたが音楽は最高です。ニール・ダイアモンドは来日していない大物なのが残念です。「チップス先生さようなら」はジョン・ウィリアムズが担当していたことはあまり知られていません。で、「ジーザス・クライスト・スーパースター」はアンドレ・プレヴィン/ロンドン響がたんとうしていますし、「アラビアのロレンス」はロンドン・フィルが担当していました。全てオーケストラ物ですな。この中には「インド・ジャズ組曲」や「ガムラン音楽」も含まれていてワールド・ワイドな時代でした。フォークにハマったのも70年代でした。メイン・ストリームにはあまり興味がなく、日本の第二の国家になり損なった「遠い世界に」が含まれた五つの赤い風船と独自の作風で長く活躍した小椋佳はその独自な人生と共にやはり印象的です。

 

1980年代


31.ジョン・ウィリアムズ/スターウォーズ
32.ブルックナー交響曲第4番/ベーム・ウィーンフィル

33.オハン・ドゥリアン/ショスタコーヴィチ交響曲第12番
34.ニューヨーク・フィロムジカ/モーツァルトディヴェルディメント第3集
35.YMO – X∞Multiplies
36.ボブ・ジェームス/ハンズ・ダウン
37.パニアグワ/古代ギリシャの音楽

38.スタートレック/カーンの逆襲
38.音楽の捧げもの/カール・ミュンヒンガーシュトットガルト室内管弦楽団
39.ストコフスキー/ロンドン交響楽団/シェエラザード
40.アンチェル/チェコフィル/ヤナーチェク/シンフォニエッタ
41.ベートーヴェン/交響曲第3番「英雄」モントゥー/アムステルダム・コンセルトヘボウ

 

 80年代は仕事に忙しく音楽は半分休止みたいな時代でしたが興味のあるものは積極的に聴いていました。CD化が進んだのもこの時代でした。映画音楽ではやはりSF者の対等でしょうか。「スター・ウォーズ」は画期的でした。シリーズ・全作品を担当したというのも記録ですがまるでワーグナーのオペラのようにキャラクターのライトモチーフを散りばめていたのはまさにスペース・オペラの醍醐味でしょう。スター・トレックシリーズはコロヒロと音楽担当が変わったのがまとまりのないところですが、中でも映画音楽の醍醐味とのちのシリーズでも核心的な作品となった「カーンの逆襲」を担当したジェームズ・ホーナーが一番好きでした。「ムタラ星雲の戦い」などは戦闘シーンの醍醐味とでもいうべき音楽を書いています。オハン・ドゥリアンのショスタコとかニューヨーク・フィロムジカのモーツァルトなんかは多分ほとんど知られていない録音でしょうなぁ。YMOのアルパムは国内版からA&M盤に切り替えました。国内版のCDは音が悪かったのが原因です。a&M盤は曲は少ないのですが名曲揃いです。音がいいのは専用のミックスダウンをしているからです。ボブ・ジェームスも「ハンズ・ダウン」に入れ替えています。オーディオ・フェアでもデモで使われる「スパンキー」を含んだアルバムです。クロス・オーバー時代の代表曲でしょう。CD化されて改めて名曲名盤と確信したパニグワ、ミュンヒンガー、ストコフスキー、アンチェル、モントウーの演奏が並びます。

 

1990年代以降

 

42.ガンゼンハウザー/ドヴォルザーク交響曲第2番
43.組曲「惑星」チャールズ・グローヴス/ロイヤルフィル
44.久石譲/ナガノ・チェンバーオーケストラの「英雄」
45.クルト・ザンデルリンク/ベートーヴェン交響曲全集
46.コザ~ネーネーズ・ベスト・コレクション
47.テンシュテット/ロンドンフィル/マーラー交響曲第5番
49.シベリウス/交響曲第3番マゼール/ピッツバーグ交響楽団
50.レネ・ヤーコブス/ハイドン交響曲第92番、ジュピター

 

 90年代以降はこれと言って記憶に残るものが少なくなったのはCD時代の衰退と関連があるのでしょうか。クラシックではベートーヴェンの演奏がベーレンライターの楽譜とピリオド楽器の台頭で画一化され個性的な演奏がなくなったのが大きな要因と考えています。その中で、久石譲/長野チェンバー・オーケストラのベートーヴェンはまだ面白い演奏でした。特に取り上げている第1弾となったベートーヴェンの交響曲第1番は珍しくベートーヴェンがロックしている演奏として気に入っています。ピリオド系ではヤーコブスのハイドンの92番には驚きました。通常は速いテンポで演奏されるハイドンが遅いテンポとダイナミックスのある演奏で今までにない感動を与えてくれました。カップリングされているモーツァルトの「ジュピター」も同様の演奏で個人的にジュピター見直しの一枚になっています。ただ、この組み合わせ、ボックスセットのみのカップリングで一般には発売されていません。そんな中、CDでのみベートーヴェンの交響曲全集が発売になったのはザンデルリンク/フィルハーモニアのせっとです。クレンペラーの跡を継ぐような雄大なベートーヴェンで、今ではこういうベートーヴェンを聞くことはできなくなっています。同様にシベリウス見直しの一枚となったのがまセール/ピッツバーグ響の一枚で俄然この演奏でシベリウスの3番に目覚めました。カラヤンがシベリウスで唯一録音しなかったのがこの第3番ですが、今ではシベリウスの交響曲中一番好きな曲となりました。グローヴスの「惑星」はメジャーからの発売がないので知られていませんが、爆炎型の名演で壮大なうちう空間を味わえます。一点異質なのはネーネーズのアルバムですが、このアルバムを聴き感動してわざわざ沖縄まで出かけてライブまで楽しみました。古き良き沖縄と現代の沖縄の両方を感じることができるアーティストです。現在も第6期のメンバーで活躍しています。

新幹線大爆破

 

 

 

  10月3日から1部の劇場で、Netflix映画新幹線大爆破が劇場公開されます。今年Netflixで配信された映画の中では、ピカイチの出来だった作品ではないでしょうか?何しろ今年4月23日に配信開始となった本作は、日本におけるNetflix週間トップ10で初登場1位を記録し、アメリカやアジア、ヨーロッパアフリカなど世界各地で幅広く視聴され、初週から80国でトップテン医療を果たす大ヒットを記録しました。

 

 草なぎ剛主演、樋口真嗣監督のNetflix映画『新幹線大爆破』。配信スタート直後からSNSなどで大きな反響を呼んでいる本作について、すでに作品を鑑賞した人でも何度も見返したくなるような、劇中に仕込まれた小ネタやトリビアの数々を一挙紹介します。

 同映画は、1975年に公開された東映の同名映画が原作。JR東日本の特別協力により実現したディティールのリアルさと、最新のVFX、特撮を融合させた大迫力の映像はもちろん、原作オマージュもふんだんに盛り込みつつ、令和ならではのパニックアクションとして熱き物語が展開されるます。Netflixでは同時期こちらも公開されていて2作を同時に鑑賞することができました。

■JR東日本が特別協力!エンタメの力で東日本を元気に

 原作では国鉄の協力が得られなかったが、本作では「エンタメを通じて東日本を盛り上げたい」という制作陣の思いにJR東日本が共感し、異例の特別協力が実現した

 


 新幹線のアクシデントを回避するシーンでは、実際に働くJR東日本の担当者がシナリオを読み、演出面でアドバイスを提供。また、新幹線の座席やパネルには、現役を引退して訓練用に使われている実物のパーツを使用し、細部にまでリアルを徹底している。

 一方で、あえてフィクションを取り入れた演出も。その代表が、原作にも登場する指令所内のワイドな電光表示板、通称「屏風」だ。実際にはJR東日本では数年前に撤去され、現在の総合指令所では各自のモニターに路線図が表示される仕組みとなっている。

 それでも樋口監督は、「映画としてどうしても総括指令長・笠置(斎藤工)が双眼鏡で“屏風”を視認する演出を入れたかった」と語り、劇中に“屏風”を再現。重厚感ある見た目ながら、電光表示の切り替えには苦労があり、内部にスイッチを設けてスタッフがトランシーバーの指示に従って操作するという、アナログな仕掛けで対応していたという。
 

通称“屏風”を再現=Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

通称“屏風”を再現=Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

■“あの名シーン”を再現!双眼鏡に込められたオマージュ

 総括指令長・笠置(斎藤工)が、新幹線の運行状況を示す電光表示板を双眼鏡で確認するシーンが登場する。実際の現場では、各自のモニターに路線図が表示されるため、双眼鏡を使うことはないという。しかしこのシーンは、原作で運転指令長の倉持(宇津井健)が双眼鏡を構える姿へのオマージュ。あの姿に“シビれた”ファンも多く、印象的な演出として本作にも取り入れられている。
 

笠置(斎藤工)の双眼鏡は原作映画のオマージュ=Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

 

■前代未聞の“リアル新幹線撮影”!臨時列車として7往復

 劇中に登場する新青森15時17分発のはやぶさ60号東京行きは、実際に臨時列車として運行され、撮影では同型のE5系新幹線を上野~新青森間で計7往復運転させ撮影が行われた。早朝に上野を出て新青森まで行き、折り返して上野まで。12時間の長旅である。鉄道ファンとして知られる樋口監督にとってもこの撮影は特別な体験だったようで、「朝が来るのが楽しみで、臨時列車から降りたくなかった」と語っています。

■列車も家も吹き飛ぶ!樋口組が挑んだ大爆破

 タイトルにふさわしく、列車や家屋が巻き込まれる樋口監督渾身の“大爆破”シーンが登場。圧倒的な迫力に思わず息をのむが、これらのシーンは、樋口組のプロフェッショナルたちが集結しVFXと特撮を駆使して撮影されたという。樋口監督は「ついついやりすぎて、爆発が大きすぎてせりふがつながらなくなり、全部撮り直すことになった場面もありました」と、裏話を明かしている。具体的には、家屋が吹き飛ぶシーンで一軒家を吹き飛ばすほどの火力では隣家にも危険が及ぶため、刑事からの報告のせりふを撮り直したとのこと。
 

一軒家の大爆破シーン(メイキング)=Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

 

■新幹線に仕掛けられた爆弾は…庵野秀明氏がデザイン

 はやぶさ60号に仕掛けられた爆弾は庵野秀明氏がデザインを担当しています。今でこそ「監督」としての印象が強い庵野氏ですが、もともとは天才的なメカ作画監督であり、メカデザイナーです。樋口監督とは若い頃からの盟友と言える間柄でもあります。無駄のない形状と説得力のあるディテールは健在で、本作の肝とも言える爆弾デザインを手掛けている。

■実は元鉄道人だった!田中要次が映画で熱演

 救出班の保線担当者・新庄を演じるのは、日本を代表する名バイプレイヤーとして知られる田中要次。実は田中自身、過去に国鉄で保線職員として勤務していた経験を持つ。樋口監督も「ヘルメットや安全帯が誰よりも似合う」と太鼓判。
 

Netflix映画『新幹線大爆破』独占配信中

 

■ハリウッドにも影響を与えた!『新幹線大爆破』のレガシー

 1975年に公開された東映映画『新幹線大爆破』。スピードが落ちると爆発するという手に汗握る設定は、1994年公開のキアヌ・リーブス主演『スピード』(監督:ヤン・デ・ボン)にも影響を与えたとも言われている。

■ゆりやん!?白石監督!?意外な著名人が続々登場

 救出号の運転士・福岡を演じる尾上松也、本作のキーパーソンとして登場したピエール瀧のほか、Netflixシリーズ『極悪女王』でタッグを組んだゆりやんレトリィバァと白石和彌監督も出演している。

 ゆりやんレトリィバァは救出号の車内アナウンスの声で登場し、白石監督ははやぶさ60号と救出号を連結する作業員の1人としてカメオ出演。また、映画『碁盤斬り』でタッグを組んだ主演の草なぎ剛へのサプライズとして、白石監督を本番中に突然登場させる計画もあったが、2人は控室のテントで普通に談笑しており、サプライズはあえなく失敗に終わったという。そのほかにも、樋口監督の代表作『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』で主人公を演じた前田愛が、車内の女医役として出演。約10年ぶりとなる演技を披露しています。

 

 こんな作品、やはり、大画面で見たいものです。ただ、劇場公開と言っても実際に上映されるのは東京都と大阪のイオンシネマシアタス調布とイオンシネマシアタス心斎橋の2館だけで、地方では見ることができません。まあ、今でもNetflixでは見ることができます。

グスターボ・ドゥダメル

ベートーヴェン 運命 第7

 

交響曲 第5番 ハ短調 作品67 ≪運命≫

1.第1楽章:Allegro con brio    07:24    
2.交第2楽章:Andante con moto    11:31    
3.第3楽章:Allegro    05:22    
4.第4楽章:Allegro    08:39    
交響曲 第7番 イ長調 作品92
5.第1楽章:Poco sostenuto - Vivace    11:29    
6.第2楽章:Allegretto    08:42    
7.第3楽章:Presto    09:41    
8.第4楽章:Allegro con brio    06:15


録音/2006/09  ベネズエラ中央大学、アウラ・マグナ講堂、カラカス

EP:クリスティアン・ラインス
P:シド・マクラクラン
BE:バスティアン・シック
E:ヴォルフーディーター・カルヴァトキ
独GRAMMOPHON 477 6228(00289 479 2988)


 昨日、ドゥダメルを取り上げるにあたりそういえばCDを持っていたことを思い出し、引っ張り出しました。手元にあるのは「100GREA SYMPHONY」と題するボックスセットに含まれるもので、そっけないタイトルだけ書かれたジャケットだったので見逃していました。上はオリジナルで発売された時のジャケットです。どういうものかDGGはデビューの時このベートーヴェンの5番と7万をカップリングして発売するのが常套のようでクライバーも、ティーレマンもこの組み合わせで発売していました。まあ、聴かせるなら一番派手な曲の組み合わせということでしょうか。

 

 最初の「運命」の第1楽章では,冒頭の運命の主題から力みはないものの,アンサンブルは引き締まっていて弾力性があって,リズミカルで溢れるばかりの表現意欲の伝わる演奏になっています。普段写真で見るバカでかい編成ではなく通常の規模の編成で録音されているところも表書きます。そのため、弦のアンサンブルがピシッと纏まっていて管とのバランスもしっくりといっています。それでいてコントラバスは力強く明瞭ですし、とにかくバランス感覚は聴いていてハッとさせられるものがあります。最近ではショルティとウィーンフィルの旧録音が

オーソドックスな中にショルティの意志が強く感じられてなかなかよかったのですが、このドゥダメルの演奏もそういう指揮者の意志が反映されていて面白い演奏です。


 第2楽章は、じっくりとしたテンポで演奏しています。意外にもショルティ/シカゴ響のテンポです。そして、細かく聴くとヴァイオリンの響きが指示がないのにクレッシェンドしていく様や、音のフレーズをつないでスラー気味に演奏するところなどいろいろ細かいテクニックをつかっています。それでいて一本筋の通った演奏でまとめているところはなかなかです。

 

 第3楽章でも重苦しい印象はなく、流れの良さと厚みのあるハーモニーには 強い訴求力があって胸に迫ります。トリオでのチェロとコントラバスは切れ 味良く、表現の幅の広い大変に聴き応えのある演奏をつくりあげてい ます。ただ、時々管の響きが一本調子になるところがあり若さが露呈します。なにしろこの録音時ドゥダメルは若干25歳です。

 

  第4楽章に突入しても力強い足どりで前へ前へすすんでいく推進力が あります。弦の合奏は流石によく練れていて一糸乱れぬアンサンブルと、コントラストの強いフレーズの刻みが演奏の勢いをさらに増していき、ただテンポの早い演奏だけに終始はしていません。惜しむ楽は録音スタッフが聴きなれないメンバーで、明らかに編集した後というのが聴いていてわかります。このため、音楽の流れがそこで一瞬止まってしまうということが起きています。そのためコーダの部分で一度溜めを作る部分ではテンポを落とすのですがその部分が音楽に乗り切れていない甘さが露呈しています。


 確かに衝撃的なデビュー録音ですが、DGとしては続けてベートーヴェンを録音しなかったのはまで時期早尚と判断したのでしょう。下の演奏はこのデビュー盤ではなく、2015年の全紙ュゥによる配信音源です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 続いて演奏されている交響曲第7番になると,第1楽章の冒頭から,オケの 響きに透明感があって,スカッと晴れ渡っているのが印象的です。まあ、Poco sostenutoですからそれほど重くならないテンポが最適なのでしょう。意外にもこのテンポ、カラヤンの2回目の1976年の店舗と頬同一です。ただ一つ不満なのはテインパニの音の扱いです。流石に最近の傾向の頭の小さいマレットの乾いた音ではなくしっかりとした音を拾っているのですが、どうもボンボンと響いて浮いています。カラヤン/ベルリンフィルのようなどっしりとしたティンパニの響きがないのが一つ弱点です。ここでの木管のソロは生き生きとして見事ですし,力感がありながらリズムのキレとフットワー クはなかなかのものです。

 

 第2楽章は,初演当時からアンコールされるほど旋律美に優れた音楽で、ここでも「不滅のアレグレット」と言われるように比較的落ち着いたテンポと、強弱の幅の大きいダイナミクスの中で奏でられる,明朗で愉悦感のあるフレージングが大変に新鮮です。ここてはいたずらにテンポを揺らすことなく美しい弦の弱音で紡いでいます。

 

 第3楽章においても、持って回ったところのないストレートな表現で,すっきり鮮やかにリズムを刻んでおり,軽く跳ねるようなフレージングも心地良い ですし、トリオの全奏のところでの壮麗な響きも印象的で心沸き立つ精力的な演奏が堪能できました。

 

  第4楽章に入った途端テンポの速さに一瞬驚きましたが、大変明瞭でキレも良く強弱の表現も巧みですし,たたみかけるような和音の刻みやアタック のスピード感は大変スリリングで、一気呵成に楽章を駆け抜けていきます。まさに 息を呑む思いで聴き入ってしまいました。 実演でもこの第3楽章と第4楽章は間髪を入れずまるでアタッカのように演奏されるのがよくありますが、このCDでもそういう編集がされています。5番の第3楽章と第4楽章を退避させる意味でもこれは効果的な演出なのでしょう。

 

 このCD、シモンボリバル交響楽団の実力を知らしめるには格好のデモンストレーションになったのではないでしょうか。ただ、今後のこのオーケストラとの関わりはベネズエラの内政の混乱との絡みで余談の許さないものがあり、ドゥダメル自身も2026年シーズンからはニューヨーク・フィルハーモニックに拠点を移すことによる環境の変化をどのようにオペレーションしていくのか今後に注目したいところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グスターボ・ドゥダメルと若き指揮者たち

 

編集、著作:能地 祐子

小室敬幸  (著), 坂口安紀  (著), 鈴木淳史  (著), 本間ひろむ  (著), 前島秀国  (著), 山田真一 (著), 奥田佳道  (その他), 吉原真里  (その他), 亀田誠治 

出版:DU BOOKS

 

 

来日記念出版!
映画『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』も大好評。
配信作品が2025年グラミー賞で3部門受賞、2026年にはニューヨーク・フィルの音楽監督就任。
いま、世界で最も注目される指揮者ドゥダメルについての、はじめての本!

 

 日本のクラシック論壇では意外と、ドゥダメルがしっかりと語られる機会は少ない。人気のわりには。ベートーヴェンと16ビートを地続きで指揮してしまうドゥダメルの全貌はなかなかこれまでのクラシック音楽史観だけでは語れない、ということもあるのだろう。でも、間違いなく21世紀のクラシック音楽世界を変えたすごい指揮者だし、特にドゥダメルをきっかけにクラシックが好きになったポップ、ロック系の音楽ファンはとても多いんじゃないかと思います。なので、ドゥダメルや新世代の指揮者に注目している音楽ファンにとっては興味深い、クラシック読本だけどジャンルレスなアプローチの、濃いけど楽しい本を作りたいと思いました。で、想像していた以上に面白い本ができたのではと思います。まだ刷ってるとこなんで、くわしい内容やご寄稿いただいた方々については後日あらためて書きたいと思いますが。ちょうどドゥダメル、マケラ、ヤマカズと来日公演が続き、しかもヤマカズはベルリンフィルにデビューしたばかり…という、偶然にもここでとりあげられた指揮者たちに注目が集まるグッドタイミングでの発売となりました。---データベース---

 

 2004年にバンベルクで開かれた第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールに優勝し 一躍時の人となったのが南米はベネズエラ出身のグスターボ・ドゥダメルです。若干18歳でベネズエラのシモン・ボリバル・ユース・オーケストラの首席指揮者に就任しています。コンクールの2年後には、ミラノ・スカラ座にデビューし、2009年からはロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めています。

 

 そのキャリアの根にあるのはベネズエラで生まれた「エル・システマ」による音楽教育であり、指揮者に転向する前はヴァイオリンを学んでいます。ドゥダメルのキャリアの中で特に華々しいプロジェクトは、2012年に行われたマーラーの交響曲ツィクルスであり、ロサンジェルスとカラカスにて、それぞれ20日以上かけてロサンジェルス・フィルとシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ両方の楽団を指揮したのです。まさに破竹の勢いで、DGGと契約し、デビュー盤はシモン・ボリバル・ユース・オーケストラとのベートーヴェンとの交響曲第5番と7番をカップリングしたものでした。

 

 

 

 今年9月日本の河口湖で開催された日本版ワルドビューネコンサートも大成功だったようです。それもありこの本は今年の5月に発売されています。内容的にはドゥダメルの紹介本といったところで、それほど内容があるわけではありませんが、2009年にロサンゼルスフィルの音楽監督に就任して以来のドゥダメルの動きというのがよくわかるようになっています。また本来ならシモン・ボリバル・ユース・オーケストラと世界ツアーができたものがベネズエラの内紛によってそれが不可能になってしまった事はこの本で初めて知りました。そして公開された映画です。ドキュメンタリー映画でこのベネズエラの内紛の事まで描かれています。

 

<主な内容>
Introduction ドゥダメルの現在地──音楽の力が未来を照らすとき

1部 ドゥダメルから始まった新時代
奥田佳道×能地祐子 ドゥダメルと二十一世紀の若き指揮者たち──朝日カルチャーセンター講義
グスターボ・ドゥダメルの歩み 能地祐子
吉原真里インタヴュー バーンスタインからドゥダメル、そして新世代指揮者たちの時代
ドゥダメルとふたりの〝ジョン〟──現代アメリカを代表するふたりの作曲家が託すもの 前島秀国
グスターボ・ドゥダメル全作品ガイド

2部 映画『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』を読む(劇場版パンフレット増補版)
ドキュメンタリー映画がとらえた、ドゥダメルの示す〝新世界〟 能地祐子
映画『ビバ・マエストロ!』に寄せて 山田真一
政治の渦に巻き込まれたドゥダメル――ベネズエラで何が起きているのか 坂口安紀
エル・システマとの衝撃的な出会い 豊田泰久
音楽プロデューサー・亀田誠治が語る『ビバ・マエストロ!』とグスターボ・ドゥダメルの魅力

3部 これからの若手指揮者ガイド
いま聴いておきたい! 二十一世紀の若手指揮者たちの聴きどころ 鈴木淳史
巨匠への道が約束されたクラウス・マケラという天才 小室敬幸
世界で活躍する若き日本人指揮者たち 本間ひろむ
これからが楽しみ! 本書執筆陣とディスクユニオン スタッフが注目する、新世代の若手指揮者59人

 


デュダメルのリハーサル

 様々な人との対談やエッセイが収録されています。必ずしも統一された内容ではありませんが、基本的にドゥダメルの絶賛本といったところです。ただこの本の面白いのは従来の大家と言われる指揮者の事にはほとんど触れていません。要するに、これから次世代を担うデュダメルを代表とする指揮者にスポットを当てて構成しているところです。この本ではディダメルとともにマケラがその筆頭に挙げられています。マケラと言えば、先日パリ管と来日したばかりですが、今度はアメリカのシカゴ交響楽団もその手中に収めると言うことで、八面六臂の活躍をしています。そうそう、アムステルダムコンセルトヘボウも彼を常人に迎えようとしています。こんな指揮者は今までいません。そういうところの視点を持って、今後活躍しそうな若手指揮者を59人取り上げています。映画が中古レコード店のディスクユニオンが配給したと言うこともあり、そのディスクユニオンの店長がその若手指揮者を取り上げています。また鈴木淳史氏による若手演奏家の考察もなかなか興味深いところです。その中には日本の指揮者も含まれていますし、女性指揮者も取り上げているところが今までにない視点です。日本の若手指揮者の筆頭は、先ごろベルリンフィルにも登場した山田一樹です。また原田慶太桜や川瀬賢太郎、さらには鈴木優人などがピックアップされています。世界的な期待指揮者としては、先の寺を筆頭にピエタリ・インキネン、シシト・ウルバンスキ、ヤクブ・フルシャ、アンドレア・バッティストーニ、マキシム・パスカル、ペトル・ポペルカなどの名前が上がっています。また女性指揮者としては、沖澤のどかを始め注目株の名前が上がっていますが、それはこの本を読んで確認していただきましょうか。

 

 これからの音楽界を担うということでは、これは結構面白い本です。自分の一押しも含めいちど確認されると良いでしょう。