チップス先生さようなら
原題 : Goodbye Mr.Chips
製作年 : 1969年
製作国 : アメリカ
配給 : MGM配給
上映時間 : 151分
初公開年月 : 1969/12/
製作年 : 1969年
製作国 : アメリカ
配給 : MGM配給
上映時間 : 151分
初公開年月 : 1969/12/
スタッフ
監督: Herbert Ross ハーバート・ロス
製作: A. P. Jacobs A・P・ジャコブ
原作: James Hilton ジェームズ・ヒルトン
脚本: Terence Rattigan テレンス・ラティガン
撮影: Oswald Morris オズワルド・モリス
音楽: John Williams ジョン・ウィリアムス
美術: Ken Adam ケン・アダム
編集: Ralph Kemplen ラルフ・ケンプレン
衣装(デザイン): Julie Harris ジュリー・ハリス
キャスト(役名)
製作: A. P. Jacobs A・P・ジャコブ
原作: James Hilton ジェームズ・ヒルトン
脚本: Terence Rattigan テレンス・ラティガン
撮影: Oswald Morris オズワルド・モリス
音楽: John Williams ジョン・ウィリアムス
美術: Ken Adam ケン・アダム
編集: Ralph Kemplen ラルフ・ケンプレン
衣装(デザイン): Julie Harris ジュリー・ハリス
Peter O'Toole ピーター・オトゥール (Arthur_Chipping)
Petula Clark ペトゥラ・クラーク (Katherine)
Michael Redgrave マイケル・レッドグレーヴ (The_Headmaster)
George Baker ジョージ・ベイカー (Lord_Sutterwick)
Michael Bryant マイケル・ブライアント (Max_Staefel)
Jack Hedley ジャック・ヘドレー (William_Baxter)
Sian Phillips シアン・フィリップス (Ursula_Mossbank)
Alison Leggatt アリスン・レゲット (Headmaster's_Wife)
Clinton Greyn クリントン・グレーン (Bill_Calbury)
Michael Cluver (Johnny_Longbridge)
Petula Clark ペトゥラ・クラーク (Katherine)
Michael Redgrave マイケル・レッドグレーヴ (The_Headmaster)
George Baker ジョージ・ベイカー (Lord_Sutterwick)
Michael Bryant マイケル・ブライアント (Max_Staefel)
Jack Hedley ジャック・ヘドレー (William_Baxter)
Sian Phillips シアン・フィリップス (Ursula_Mossbank)
Alison Leggatt アリスン・レゲット (Headmaster's_Wife)
Clinton Greyn クリントン・グレーン (Bill_Calbury)
Michael Cluver (Johnny_Longbridge)

あらすじ
イングランド南部の田園の町ブルックフィールドにあるブルックフィールド・スクール。ここに勤めるアーサー・チッピング(ピーター・オトゥール)は親しい人々にチップス先生と呼ばれていた。彼は教育熱心ではあったが、生徒たちの受けはよくなかった。まだ独身のチップス先生は、夏休みを利用して、イタリアへの旅に出かけた。途中、ロンドンで1泊した際、俳優のキャサリン(ペトゥラ・クラーク)と知り合った。そして、その後、ポンペイの遺跡で再会した2人の心は急速に打ち解けあった。そしてあるパーティの席上彼女から愛を打ち明けた。ブルックフィールドに戻った時、チップス先生のそばにはキャサリンがいた。校長(マイケル・レッドグレイヴ)をはじめ学園中が目を丸くして驚いたが、たちまちキャサリンは人気者になってしまった。しかし学校の有力者サタウィック卿(ジョージ・ベイカー)はチップスを学校から追い出すよう脅迫した。キャサリンはこの強力な反対に会い、身を引こうとしたが、チップス先生の愛に支えられ、2人の幸福な生活が続いた。そして、この頃から生徒達も、チップス先生の魅力にひかれはじめてきた。だが、やがて戦争が始まり、キャサリンは空軍の慰問に出かけて行った。チップス先生の校長就任が決まった時、彼女は帰らぬ旅路に発った後だった。そして戦争は終わった。チップス先生は生徒たちに別れを惜しまれながら職を退いた。しかし町を去るにしのびず、学校の近くに居を構えることにした。そして、そこには毎日のように、生徒の明るい顔がみられるのだった。(MGM配給*2時間32分)
イングランド南部の田園の町ブルックフィールドにあるブルックフィールド・スクール。ここに勤めるアーサー・チッピング(ピーター・オトゥール)は親しい人々にチップス先生と呼ばれていた。彼は教育熱心ではあったが、生徒たちの受けはよくなかった。まだ独身のチップス先生は、夏休みを利用して、イタリアへの旅に出かけた。途中、ロンドンで1泊した際、俳優のキャサリン(ペトゥラ・クラーク)と知り合った。そして、その後、ポンペイの遺跡で再会した2人の心は急速に打ち解けあった。そしてあるパーティの席上彼女から愛を打ち明けた。ブルックフィールドに戻った時、チップス先生のそばにはキャサリンがいた。校長(マイケル・レッドグレイヴ)をはじめ学園中が目を丸くして驚いたが、たちまちキャサリンは人気者になってしまった。しかし学校の有力者サタウィック卿(ジョージ・ベイカー)はチップスを学校から追い出すよう脅迫した。キャサリンはこの強力な反対に会い、身を引こうとしたが、チップス先生の愛に支えられ、2人の幸福な生活が続いた。そして、この頃から生徒達も、チップス先生の魅力にひかれはじめてきた。だが、やがて戦争が始まり、キャサリンは空軍の慰問に出かけて行った。チップス先生の校長就任が決まった時、彼女は帰らぬ旅路に発った後だった。そして戦争は終わった。チップス先生は生徒たちに別れを惜しまれながら職を退いた。しかし町を去るにしのびず、学校の近くに居を構えることにした。そして、そこには毎日のように、生徒の明るい顔がみられるのだった。(MGM配給*2時間32分)


この映画については既に紹介していると思ったのですが、このヤフーのブロクでは紹介していませんでした。唯一、この「チップス先生さようなら」を試験的にアサブロで取り上げていました。所有のレコードは別のブロクで書こうと思ってアサブロの方に書き始めたのですが、スパムコメントがあまりにも多いので中断しているのです。ですから最近ではレコードもこのヤフーブログの中で紹介しています。そんな中、この9月にNHKのBSでこの1969年製作の「チップス先生さようなら」が放送されたので懐かしさ一杯で視聴しました。ピーター・オトゥールの押さえた演技の中にきらりと光るユーモアのセンス、そして一途な教師としての生き方に感動し思わずラストの演説では涙ぐんでしまいました。

ごたぶんにもれず、この作品もミュージカルです。別にミュージカルを好んで観ているわけではないのですが、なぜか感動する作品、記憶に残る作品はミュージカルが多いです。やはり、物語と音楽が一体となって展開されることで相乗効果を生んでいるのでしょうか。
映画はまず序曲から始まります。こういう作品は今ではほとんど見かけられません。実際の映画館ではスクリーンに何も映し出されていない状況で音楽だけが流れます。この作品別に大作とは思っていなかったのですが、70㎜のシネラマ作品だったのでこういう作りだったのですね。さすが、テレビで放映するときは画像無しというわけにはいかないので、バックにはハイライトシーンが本編に先立ってスチールで写しだされていました。

本編のスタート画面はクリケット場を遠くに眺めた映像で象徴的に始まります。このクリケットがこの物語のバックに大きな比重を占めていることはストーリーの後半にいやという程思い知らされます。そして、舞台となる学校の人の居ないさまざまなシーンが次々と映し出されながらバックには最初の曲「Fill the World With Love」が流れてこの映画がミュージカルだということを思い起こさせてくれます。
サントラの記事でも書いていますが、この作品でピーター・オトゥールはアカデミーの主演男優賞を、そして、作曲のレスリー・ブリッカスと、ジョン・アィリアムズがミュージカル映画音楽賞を受賞しています。これ以前に、彼は「哀愁の花びら1967」や「屋根の上の赤ちゃん1969」などの音楽を書いていますが、音楽監督として初めてメジャーな賞を獲得したジョン・ウィリアムスの記念碑的作品です。ここでは序曲を始めとしてオーケストレーションを担当してしています。フル・オーケストラを使った演奏はすでに彼のスタイルを築いていますが、ここではピアノやオルガン、チェンバロがそれぞれのシーンで有効に使われています。どちらかと言うと語り的な要素が強いですが、一応ミュージカルですからピーター・オトゥールもちゃんと歌っています。

学期末の冒頭の授業で生徒のサタウィックのテニスの試合への出場が補習授業で潰れます。これがクリケット事件の始まりです。生徒たちからは堅物の名物教師ということで嫌われています。そして、この冒頭のシーンで時が戦時下に近いことが暗示されています。上手い演出で学校の置かれた状況を無駄なく描いています。ハーバード・ロスは多作家ではありませんが「フットルース」、「愛と喝采の日々」、「摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に」、「クッバイガール」などきらりと光る作品を残しています。

さて、物語の展開はチップスが10週間のバケージョンをロンドン経由でポンペイで過ごすことでキャサリンに出会うことです。この出会いのシーンはジョーク満載で一番笑ってしまいます。ポンペイの遺跡のシーンもふんだんに収録されていてこちらも見応えがあります。
前半はチップスとキャサリンの出会いと結婚がメインになっていますが、この結婚が嫌がらせの妨害に会います。神聖な学校といえども経済的援助が無くてはやっていけないということなんですなぁ。しかし、チップス先生は妻を守るために立ち上がります。一途な正義感が表に出てかっこいいところなんですが、最終的にはキャサリンの工作で問題が解決するところが笑わせます。劇中劇で相変わらずの美声を披露しているキャサリン役のペトゥラ・クラークはやはり存在感があります。ピーター・オトゥールも歌は披露していますが、決してうまいわけではありませんからね。

こうして結婚生活は15年の永きに渡りますが、二人の間には子供が出来ません。お互いそのことは気にはしていますが、彼らには学校の生徒全員が子供のようなものです。校長が引退する時、チップスに次の校長は君だと内示をしますが実際はライバルのバクスターにさらわれてしまいます。一度は辞職を決意するものの、妻の一言でそれを思いとどまります。しかし、時は戦争の影を色濃く映し出しています。やがて、ドイツ軍の爆撃が頭上を襲うようになります。学校も安全ではありません。空襲におびえながらもチップスは気高く授業を続けます。昔はショーガールだった妻が軍隊の慰問に出かける日、バクスターは突然政府の要職に就くために校長を辞します。思いがけずチップスにその職が回ってきます。それを伝えようとキャサリンのもとに走りますが、キャサリンにはその知らせが今一歩のところで伝わりません。そして、そのまま、キャサリンは帰らぬ人となってしまうのです。子供たちのいたずらとその悲報が授業中に伝わるシーンでは、押さえたピーター・オトゥールの演技が秀逸で思わずもらい泣きをしてしまいます。

戦争の終結とともにチップスの校長先生としての職務は終了します。それはあたかも戦争が与えてくれた校長代理のような期間でした。それでも、チップスは無事勤め上げ、最後の席で子供たちと過ごした期間が何と素晴らしかったかと演説します。君たちはすべてわて死の子供だと・・・。そして、引退後もずっとブルックフィールドに住み続けると約束します。
素晴らしい映画で、素晴らしい音楽です。ジョン・ウィリアムズの代表曲と言ってもいいのですがほとんど忘れられています。もったいない話です。嘘のような話ですが、このミュージカル版の「チップス先生さようなら」はDVDは発売されたことがありません。ビデオは1993年に一度だけ発売されました。それにしても、70年代の名作がDVD化されていないものが結構あります。
ソング・オブ・ノルウェー−−−グリーグの生涯を描いたミュージカルです。NHKでやってくれないかな。
ガラスの部屋−−−ヒロシのテーマソングとして話題になった映画なのですがDVD化されていません。
小さな目撃者−−−ビデオは発売されましたがDVDは出ていません。マーク・レスター主演のレア映画です。
・・・YOU・・・−−−エリオット・グールド主演の青春映画。「卒業」の続編みたいなもの
ガラスの部屋−−−ヒロシのテーマソングとして話題になった映画なのですがDVD化されていません。
小さな目撃者−−−ビデオは発売されましたがDVDは出ていません。マーク・レスター主演のレア映画です。
・・・YOU・・・−−−エリオット・グールド主演の青春映画。「卒業」の続編みたいなもの
などなどがあります。テレビで放映されるのをじっと待つしかないかな?

今回の画像はレコード盤のサントラに含まれているものを使用しました。
完全版のCDのサントラ盤はこちらになります。