T大生と貧乏劇団員の間をフラフラした「腹黒の恋バナ」です。週末に更新してます。

 

昨日の続きです。

 

 

 

ここから27話です↓
 
 
しまうま君と電話しながら
腹黒ベティコと普通ベティコが
脳内でせめぎあっていた。
 
グラサンまだ引っ張れ!
キョロキョロもうやめようよ!
 
勝ったのは
普通ベティコだった。
 
 
りんご「お台場には絶対行かないから待たなくていい。しまうま君とは付き合わない。」

 

 

たぶん引っ張っても

私はFくんと離れられない。
 
もめ事を大きくするだけ、
傷を深くするだけだ。
 
フラフラするのは
もう終わりにしよう。
 
 
牛しっぽ「誕生日プレゼント買ったのに、そういうこと言うの?」
りんご「ごめん。」
 
 
牛しっぽ「親にも会ったのに?」
りんご「ごめん。」
 
 
牛しっぽ「なんで?その劇団員と話合う?あひるちゃんの読書量について来れんの?俺はあひるちゃんと初めて本屋で会った時、絵本の話で盛り上がってさ…なんか癒されたっていうか、俺らは合うと思ったよ?」
 
 
私もそう思ったよ( ;∀;)
しまうま君と絵本の話をして
その居心地の良さに驚いた。

 

 

 
劇団員Fくんは
全く本を読まない人だから
 
そういう意味で
話が合うかと言われたら
合うわけがない。
 
だけど。
 
 
りんご「理屈じゃなくて、どうしてもFくんが好きだから、ごめん。」
 
 
出会う時期が違ったら
きっと違う展開があった。
 
しまうま君と
本屋や美術館を回るのは
すごく楽しかった。
 
普通に考えたら
絶対しまうま君だと思う。
 
じゃあなんで?
って自分でも思うけど
仕方ないじゃんかえーん
私がそうしたいんだから。
 
 
牛しっぽ「分かった。もう会わない。バイトも辞めるから。」
りんご「え!?私が辞めるよガーンしまうま君が辞めたらみんなが困る!」
 
 
牛しっぽ「いや俺が辞める。あひるちゃんのこと思い出す場所に行きたくないし、もう明日から行かないからパンダ(社員)に言っといて。」
りんご「ちょ、ちょっと待ってガーンパンダ先生とちゃんと話して!引き継ぎしてから辞めてよ!」
 
 
牛しっぽ「じゃあ。」
りんご「待って!ねえ!しまうま君!」
 
 
電話を切られてしまった。
まずい…ガーン
 
どうぶつ学習塾の
司令塔エースが
突然いなくなってしまった。
 
 
クローバークローバークローバー
 
 
次の日は月曜日で
本来なら、私もしまうま君も
シフトに入っている日だった。
 
しまうま君は
本当に来なかった。
 

 

ロップイヤー「あれ?今日エースは?」

セキセイインコ黄「あひるちゃん一人?」

ハリネズミ「喧嘩した~?笑」

 

 

喧嘩くらいで
済めば良かったんだけど。
本当に申し訳ない。
 
 
りんご「しまうま君辞めるって…」
パンダ「は!?なんで?」
カエル「え?突然?」
りんご「迷惑かけてすみません。」
 
 
別れ話のもつれか…
という無言の空気が漂う。
 
そして
全員の顔に書いてあった。
 
『あひるちゃんが辞めればいいのに』
 
 
ロップイヤー「これからどうすんの?」
トラ「本当にもう来ないの?」
ねずみ「エースなしで回るかなあせる
おひつじ座「誰かさんのせいで大変なことになったね。」
 
 
針のむしろだった。
パンダ先生(社員)に呼ばれ
私はひたすら謝った。
 
 
りんご「私が辞めるって言ったんですけど…」
パンダ「何とかならないの?」
 
りんご「すみません。私も辞めます。」
パンダ「はあ?!勘弁してよ!すぐには採用できないんだから、申し訳ないと思うならしばらく辞めないで!」
 
 
パンダ先生がイラつく姿を
この時初めて見た。
 
生徒にも、バイトにも、
「パンダ先生だよっ♡」と
ご機嫌で笑顔の人だったから
 
この人も
こんなふうに怒るんだ…
 
と思って余計怖かった。
針のむしろ状態でのバイトは
ヘタレな私にはきつくて
 
本当はすぐ辞めたかったけど
これ以上迷惑をかけるのも悪くて
 
新バイトが数人採用されるまで
バイトを続けることにした。
 
 
クローバークローバークローバー
 
 
しまうま君がやってた仕事は
とりあえず社員二人がやっていた。
 
届くFAXを仕分けして
子供に電話する順番を組む。
 
これだけ見ると
全然大したことじゃないし
実際しまうま君は
いつもサラッとやっていた。
 
社員二人がかりでやれば
さすがに何とかなるだろう。
最初は皆そう思っていた。
 
頑張って丸付けをし、
頑張って電話をかけた。
私たちは普段より頑張った。
 
だけど
毎日少しずつ終わらなくて
電話できなかった答案が
日々ジワジワと蓄積していき、

 

さらに私たちは
気付かずにミスをしていて
その一つ一つは
小さいミスだったんだけど
 
10日ほど過ぎた頃
保護者たちのクレームが爆発し
どうぶつ塾は戦場と化した。
 

 

来週に続きます

 

 

 

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