週末恒例の「腹黒な恋バナ」
大学生の時、バイト先でT大生を狙った話です。
前回、劇団員Fくんにまたも別れ話を言い出せなかった私。
果たして腹黒ベティコは、ボロを出さずにT大生しまうま君との待ち合わせを乗り切れるのか。
第20話 見抜かれた嘘
普段どおり16時に
しまうま君と本屋で会った。
少し一緒に本を見たあと
カフェに移動した。
しまうま君はいつも通り
ふんわりと笑っていたし
何も問題ないように思えた。
全然大丈夫じゃん!良かった~!
ホッとしたら
なんだかお腹が空いてきた。
そうだ。お昼食べてない。
突然、午後の休講が決まって
そのままFくんに会いに行った。
色々あって食べるの忘れてた。
パスタを注文して
もぐもぐ食べていると
ふいに、しまうま君に言われた。


パスタを食べる手が止まる。
何か食べたらダメだった…?
でもお昼が遅くなるなんて
普通にありえるよね…?


((((;゚Д゚))))じゃあ何?
心臓がバクバクしてきた。
いつもと同じようにしてるつもり。
何が言いたいの?
あ
…もしかして私

本屋に来るのが遅かった?
16時に本屋、というのは
だいたいの待ち合わせだった。
学校帰りに何となく電車乗って
何となく本屋に向かう。
そこで本を見てまわってると
そのうち、しまうま君に会う。
そんな待ち合わせだから
改めて考えると自信がない。
私は普段、正確には
何時何分に本屋に着いてるんだろう。

きっといつもより遅かったんだ。
念入りに化粧を直してたから。
そう、泣いたのを隠すために。
大丈夫。落ち着こう。
設定を確認しよう。私はどこにも寄っていない。学校を出るのが遅れただけ。
心の中で繰り返し唱える。
自分に言い聞かせる。



しまうま君がこちらを見る。
背中から冷えていく感覚におそわれた。
なんで?何がダメ?
賢い人やばい。どうしよう。
頭がグルグルする。

み…南側!?
店に入る方向なんて
完全に無自覚だった。

じゃあもう今日は
本屋で会った瞬間から
おかしいと思ってたの…
?


う((((;゚Д゚)))…

う((((;゚Д゚)))…

((((;゚Д゚)))コワイ…
名探偵しまうま君は
相変わらずキレキレだった。
怖いほどお見通しで言葉を失う。
そう、本当は
今日ちゃんと別れて
しまうま君に言いたかった。
宿題終わったよって。
でも。。
どうしても言えなかったんだよ。。




((((;゚Д゚)))怖いよ…
怖い。怖すぎる。
もういたたまれなくて
正直に言うしかないと思った。





((((;゚Д゚)))!?
無理!もう無理!怖すぎる!
賢すぎる人、私には無理!
怖くて
しまうま君の顔を見れない。
今すぐ帰りたい。
バイトもサボって帰りたい。
この人、怖すぎる。
賢すぎる人、やばい。
もう帰るー!!!
。・゚・(>д<)・゚・。



あ…これどこかで聞いた。
そう思いながら、
しまうま君の声が揺れた気がして
私はそっと顔を上げた。
驚いた。
しまうま君の泣きそうな顔があった。
…こんな顔もするんだ。
その姿はとても痛々しくて
捨てられた動物みたいだった。
…なんか。かわいそう。
彼のつらそうな顔を見て
怖かった気持ちが消えていった。
問い詰められて
あんなに焦っていたのに
すっと落ち着きを取り戻した。
「なんで嘘つくの…」
しぼり出すような彼の声に
やっと分かった気がした。
たぶんこの人は
人一倍傷付いてきたんだ。
普通の人なら
気付かなくて済むのに。
知らずにいられるのに。
きっとこれまでも
親、先生、友達、彼女など、
いろんな相手が嘘をつくたび
どうしてもそれに気付いてしまい
たくさん傷付いてきたんだろう。
おバカに生まれた方が
幸せだったかもしれないね。
大丈夫だよと
言ってあげたいような。
そんな衝動にかられた。
だけど、もう一人の私が
ごもっともな事を言う。
でもさぁぁぁ
この男と付き合っていくの、
けっこう大変じゃない?
( ;∀;)
だよね。
大変だよね。
傷ついたしまうま君を前に
私はまた迷い始めた。
続きます
今日すみません!
12時だいぶ過ぎてしまいました!
それと明日の更新休みます!
今週多忙過ぎました
次回は3/14土曜日
前回を振り返る方は
\フォローして待っててね/
人気記事
新シリーズ始めました
シングルマザーだった日々
ここ数年の頑張った日々
オンラインサークル運営中