ベティ改めベティコです
大学時代のバイト物語、第4話です。
電話とファックスで
お子様の勉強指導をする、
どーぶつ学習塾のバイト。
社員もバイトも
「動物名」で呼び合う謎のオフィスで
私はあひる先生として
バイトを始めたばかりでした。
大量のファックス(答案)が届き、
「これ全部終わるの?」と
不安でいっぱいになった時…
まわり動物たち(バイト仲間w)が
「エース」と呼び絶大な信頼を寄せる…
しまうま君が登場しました。
「お疲れ~」
18時半ごろ来た、しまうま君は
ニコニコ笑顔が爽やか~
「あ、エース来たあ!!!」
「おせーよ!」
「何とかしてコレ。」
動物たち(バイト仲間)が
絶対的に信頼してる、しまうま君。
一体しまうま君の何がすごいのか。
よく分からずポカーンとしてた私に
しまうま君はニッコリして
「新人さん?こっち先やってね。」
とプリントの束をくれました。
そしてしまうま君は、
積みあがっている大量のFAXを
目にも止まらぬ速さで分けていった。
隣のカエルちゃんが
小声で解説してくれました。
「しまうま君はね、驚異的な記憶力でほとんどの子の生活リズムを把握してるの。」
「どういうこと?」
「この子は18時にお風呂に入るとか。この子は19時台テレビに夢中でこっちが電話しても絶対出てくれないとか、数百人の子供のタイムスケジュールをしまうま君は覚えてて。
私たちが電話したとき子供に出てもらえないと、また何分か後にかけ直しするわけだからタイムロスするじゃん?
それが何人も続くと、たくさん電話してるのに全然終わって行かないっていう状況になんの。」
「なるほど!」
「しまうま君がすごいのは子供の筆跡も覚えてるところでさ、同じ名前の子供って結構いるじゃん?答案に下の名前だけ書く子って多いけど、しまうま君は19時にお風呂入るゆうきくんと、20時前に寝ちゃうゆうきちゃんを筆跡見て一瞬で判断できるの。」
「ひえ~」
「子供によっては、サボった数日分の答案を複数枚FAXしてくるじゃん?いっぺんに送ってくれればこっちも分かるけど、国語送ったあと10分後に算数、その10分後にもう一枚算数…ってやられると、こっちは他の子のFAXが混ざるから、その子が3枚送ってることに気付かずバラバラに3回電話しちゃう。」
「それは三度手間になりますね。」
「そう!しまうま君は神経衰弱の能力も高くて、さっき見たなって3枚見つけて1セットに出来る。つまり我々は1回の電話で答案3枚分の電話が終了する。」
「なるほど!」
「しかも兄弟も完璧に覚えてるから、兄弟がバラバラにFAXしてきても、それを見つけ出して1セットに出来る。1回の電話で2名の答え合わせ電話を終わらせることが出来て、進むわけよ!
司令塔しまうま君の指示通りやれば、このFAXの山が嘘みたいに全部終わるから!」
「すごい記憶力だね…!」
「彼、T大生だから。」
当時私が付き合っていたのは
劇団員だったんですよ~♡
すごい好きだったし
いつかそんな話も書ければと思うけど
当時の私は就職活動やら大学卒業やら
現実が見えてきた時期で、
夢見る劇団員とギクシャクしてました。
T大生しまうまを…狙う!
動物が集まる塾で
私はハンターになる決意をした!笑
続く
→「あひる先生の最後の授業⑤」