ベティコです(*´∇`*)
週末は「腹黒な恋バナ」を更新しております。
先週 (「俺の方がいいと思わせてあげるから、こっちおいで」発言&惚れてまうやろ~!となった)の続きです。
第12話 女子たちの嫉妬
私はご機嫌だった。
とりあえず
何とかなった(*^▽^*)
↑最低
T大生しまうま君は
洞察力がヤバくて焦ったけど
結局なんだかんだ優しくて
宿題は延期になり
「なるべく早くFくんと別れる」
ということですんなり収まった。
ベティコは
T大生をつなぎとめた。
テレレテッテレー♪
ドラクエ風?笑
ふたり仲良く店を出て、
バイト先に到着した。




電話とファックスで
子供に勉強を教えるバイト、
どうぶつ学習塾。
「あひる先生だよっ♡」
子供に電話をかけ、
ハイテンションでトークするのも
すっかり慣れてしまった。
面接で初めて来た時は
「パンダ先生でえすっ♪」
と言う社員にドン引きしたのに、
もう全く何とも思わない。
答案に丸を付けるのも好きだし
子供と話すの超楽しいし
T大生をつかまえちゃったし
このバイト、最高かよ(≧∇≦)
とウキウキしていたら
トイレで女子3名に囲まれた。
そうだった。
さわやかT大生のしまうま君は
バイト仲間の女子たちから
大人気の物件であった。




「あひるちゃん!見たよお~」
「私も見た!」
「最近しまうま君と一緒にバイト来てるんだって?」
え…((((;゚Д゚))))
心の中で必死に弁解する。
いや…今日でまだ3回目よ?
1回目は偶然だし、
2回目は待ち伏せよ?
3回目なんか、
詰められて瀕死だったよ?
「あひるちゃんって、しまうま君と付き合ってるの!?」
う…((((;゚Д゚))))
言葉に詰まる。
しまうま君と付き合ってる?
それとも付き合ってない?
今非常にビミョーなとこなんで…
コメントしたくない
事務所通してもらえますか←

「でもさ?あひるちゃんって彼氏いたよね?やたらカッコイイ人。」

「前に見たって言ってた人?」

「え~!知らない!」
そうだった。
以前ヒツジちゃんに
目撃されてしまったことがあった。
劇団員Fくんは
とてもカッコイイので
歩いているだけで目を引く。
そんな彼と
手をつないで歩いてた女が
地味チビデブスの私だったので
彼女は大いに疑問だったようで
その時もあれこれ聞かれた。

「あのイケメンはどうしたの?」

「えっと…」

「そんなカッコイイの!?」

「何歳?年上?」
女子は集まると戦闘力が増す。
3人そろうと大変なことになる。
マシンガントークが止まらない。

「イケメンとは別れたの?」

「別れたというか…」

「まさか二股!?」

「あひるちゃんが二股!?」
二股…((((;゚Д゚))))
グサリと胸に突き刺さる。
そ、そういうことになるの…?
別れたと言えば良かったのに
私はこんな時も嘘をつけない。
根っからの優等生体質だった。
「二股」という言葉に動揺し、
脳内処理が追い付かず
何も言えずにいたら
勝手にトークが展開していく。

「しまうま君のT大生の友達と合コンお願い。」

「待って?本当に付き合ってるの?」

「なんであひるちゃん?」
なんででしょうね
再びグサリと胸に突き刺さる。
イケてない女ですみません。。。
そこへもう一人女子が
トイレにやってきて
さらに盛り上がる女子トーク…

「あひるちゃん?マジ!?」

「しまうま君狙いとはね~」

「でもイケメン彼氏がいるんだって!」

「え?どういうこと!?」

「同時進行的な!」

「ち、違うよ」

「同時!?やっぱ二股…」
ですからそこは
今まさに現在進行形なんで
温かく見守って
?
早急に別れますので…
女子達の追及は激しさを増し
ラチがあかないので
私はしどろもどろで釈明した。
- しまうま君とは(まだ)付き合ってない←本当
- 読書の趣味が合うから仲良くなった←本当
- イケメン彼氏は現在微妙なのでノーコメント←本当
女子4人は全然納得せず
またヤイヤイ言い始めたが
曖昧に笑ってごまかし
なんとかトイレを脱出した。
劇団員Fくんと
早急に別れよう
改めて強く決意した。
別れよう。早急に別れよう。
堂々と「付き合ってる」と言えるように。
心を落ち着けて席に戻り、
答案に丸をつけ始める。
すると女子4人が
トイレから戻ってきて
まだ色々言うではないか…!

「あひるちゃんの彼氏がそんなにカッコイイなんて意外だった~!」

「ビックリだよね~!」

「どこの人?同じ大学?」
ちょ…やめろ
しまうま君に聞こえる…!
私は焦って周りを見回す。
しまうま君は少し離れたところ、
社員の近くで仕事していた。
聞こえた?聞こえてない?
もうこの話題終わってくれ…!
腹黒ベティコ、思わず口をはさむ。

「あひるちゃんの彼氏が超カッコイイって話!」

「そうなんだ~!」

「私見たことあるけど超イケメンで~」

「へー!何系のイケメン?」
女子だけではなく
男子も巻き込んで盛り上がる。
なんてこった…

20人くらいのオフィスで
そんなに広くはないから
しまうま君に聞こえているかもしれない。
この大事な時期に…
私としまうま君がうまく行くか、
めちゃくちゃ大事な恋愛初期に!
余計な情報流しやがって!
イラっとして
ヒツジちゃんを見ると
彼女が笑ったような気がした。
これ、わざとだ…
しまうま君に聞かせるために
しつこく話題にしてるんだ。
こんの女狐め~!!!
ヒツジじゃなくて狐じゃねえか!
こっちは捨て身で
ブーメラン直撃しながらも
頑張ってんだよ!
邪魔すんな!卑怯者がぁぁ!
と思ったけど
腹黒ベティコ、我に返った。
…人の事言えない
こんなに噂の的になっているのに
バイトが終わるとしまうま君が
「一緒に帰ろ~」と言ってきた。
みんなの視線を感じながら
バイト先を出て
しまうま君と駅に向かう。

「劇団員くんってカッコイイんだ~」

「…うん(やっぱ聞こえてた…)」
ブーメランが怖いので
余計なことはしゃべらずに
私は沈黙した。
チラッとしまうま君を見ると
いつものふんわり笑顔だった。
この笑顔だけ見ると
さわやかで優しいT大生。
穏やかな草食系男子。
バイト仲間の女子たちは
多分こういう彼しか知らない。
私もついこの間まで
完全にこのイメージだった。
でも本当の彼は
そうじゃない。
ふんわり笑顔の奥に
鋭い一面を持っている。
本当のしまうま君は
一体どんな人なんだろう。
興味が湧いてしまった。
他の女の子たちは
何も知らないのだと思うと
優越感のようなものもあった。
優しいような、冷たいような?
笑っているようで、笑ってない?
フレンドリーに見える一方で
心を閉ざしているようにも見える。
気になる。
この気持ちを
「惹かれている」と呼ぶなら
私は彼を好きかもしれない。
振り返りたい方はこちら
【最初から読む】→第1話
【前回の話】→第11話「貧乏だから別れたい」
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