昨日の第8話に

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LINE、DMもありがとうございます!

 

投げ出して放置してたあひる話、

週末更新続けるぞー!

 

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Fくんのカフェバイトが終わり、
二人で一緒に外に出た。
見慣れたいつもの帰り道。
 
でも今日はミッションがある。
そう、別れ話をするんだ。
 
私は劇団員と別れて
T大生と付き合うんだ。
 
クローバークローバークローバークローバー
 
何から話せばいいだろう。
そう思いながら
とりあえずどうでもいい話をする。
 
 

りんご「今日お店混んでたね。」

イルカ「うん。混んでるの嬉しいよね~」
りんご「え?何が?」
イルカ「お客さん多いと楽しいじゃん!」
 
 
本当にFくんはいつも前向きだった。
『お客さんが多いと楽しい』か…
 
 
りんご「すいてる方がラクじゃんえー
イルカ「あはは!ベティコちゃんらしい!でも賑わってると楽しくない?」
 
 
そう言われるとそんな気がしてくる。
この人は店が忙しくても、暇でも、
どんな時も楽しくする天才だ。
 
 
イルカ「あ!月見バーガーそろそろ終わっちゃうから食べていい?」
りんご「いいよ~」
 
 
マクドナルドの前で立ち止まる。
マックの秋限定商品、月見バーガーが
Fくんの大好物だった。
 
日々節約に励む劇団員Fくん。
たまの自分へのご褒美が
バイト終わりの月見バーガー。
 
 
りんご「Fくんって本当に美味しそうに食べるよね~」
イルカ「だって旨いじゃん!」
 
 
別れ話をしなければと思いつつ、
Fくんが超幸せそうな笑顔で
月見バーガーをほおばるもんだから
つい本音がこぼれる。
 
 
りんご「私がマックの偉い人だったら、絶対FくんをCMに使うのになぁ」
イルカ「マックのCMかあ~!!いいね!夢だね!絶対出るから見てて爆  笑
 
 
りんご「でもそんな有名になったらファン殺到でマックに来れなくなるよ?笑」
イルカ「望むところだ~」
 
 
りんご「Fくんの大好きな月見バーガー食べれなくなるよ?笑」
イルカ「大丈夫。俺は家で待ってるからベティコちゃんが買ってきて。」
 
 
りんご「駄目だよ、週刊誌に撮られるw」
イルカ「人気俳優F、熱愛発覚爆  笑
りんご「それ大変!笑」
 
 
この日に限らず
こんなたわいもない夢物語を
Fくんとよく話した。
そのたびに私は何度も思った。
 
本当にそんな日が来るなら。
 
別れなくてもいいのでは?
Fくんと一緒にいられるのでは?
 
 
本当にそんな日が来るなら。
 

未来を妄想するのは

とても楽しい時間だった。
 
本当に叶う気がしてきて
淡い期待をしてしまう…
優しくて残酷な時間だった。
 
 
 
 
ダメだ!しっかりしろ!
世の中そんな甘くない。
 
心の中で
もう一人の冷静な私が言う。
 
何年かかるか分からない。
叶うかどうかも分からない。
 
そうだよ。
もし仮に彼が売れたとして
貧乏じゃなくなったとしても
 
そしたら職場は
キレイな女優さんばっか。
 
地味チビデブスの私は
きっとFくんに捨てられる。
 
 
 
りんご「あのさ~」
イルカ「うん。何?」
 
 
2個目の月見バーガーを
ほおばりながら
Fくんが私の方を見る。
 
 
りんご「今のバイト先でさ…」
イルカ「ああ!動物なんとか塾?」

 

 

言え!言うんだ!
好きな人が出来たと!

 

 

りんご「そう、どうぶつ学習塾で…」
イルカ「何か面白いことあったニコニコ?」
 
 
Fくんの大きな目がキラキラして
私は思わず目をそらす。
 
 
りんご「Fくん、目力強すぎ!笑」
イルカ「俳優は目が命♡」
りんご「歯でしょ!?笑」
(当時これに近いCMがありましたw)
 
別れ話をしたいのに
また楽しい雰囲気になってしまう。
 
Fくんの目はとてもキレイで
全く何も疑ってないんだなあと
しみじみ思う。
 
私の計算高さ、したたかさを
なぜ分からないんだろう。
 
この人大丈夫だろうか。
自分の事を棚に上げて心配になる。
 
こんなのも見抜けないようじゃ
悪い人に騙されるよ!?
 
お金取られて
もっと貧乏になるよ?
 
 
イルカ「で、何の話だっけニコニコ?」
りんご「実は話があって…」
 
 
私は意を決して
暗いトーンで話し始める。
 
 
イルカ「どうした?」
りんご「…突然で申し訳ないけど」
 
 
察してくれ!!
この重い空気を!
今から別れ話しますよ!?
 
 
イルカ「あ、もしかして…」
 
 
ようやく感じたか!?
この不穏な空気を!
と、思ったら…
 
 
イルカ「お金はないよ爆  笑?」
りんご「そんなの知ってるし爆  笑!」
イルカ「やめろ!傷つく!笑」
 
 
明るい笑い声が店内に響き
また楽しい雰囲気になってしまう。
 
特別なお出かけをしなくても、
その辺のマクドナルドでも、
ただ一緒にいるだけで楽しい。
 
私にとってFくんはそういう人で
やっぱりすごく、、好きだった。
 
ダメだ滝汗
言えない滝汗
 
こんな楽しい雰囲気の中
私を信じ切ってる人に
突然別れ話なんか出来ない。
 
…でも。
この先ずっとFくんと
付き合っていく勇気もない。
 
かといって
せっかく捕まえたT大生も
あきらめたくない。
 
これは… 
少しずつ、距離を取ろう。
うん。そうしよう。
 
だんだん会う回数を減らして
彼を好きな気持ちを忘れて行こう。
 
Fくんにも
「避けられてる?」と思ってもらおう。
 
別れを予感してもらって
その上で別れ話をしよう。
今日は…今日はもう無理えーん
 
 
りんご「あのね、どうぶつ塾で人が足りなくてシフト増やすから、あんま会えなくなる。」
 
 
とりあえず布石は打った!
私、頑張った←
 
 
イルカ「そうなんだ~。でもそういえば俺もいくつかオーディションがあって忙しくなるからさ~」
りんご「そっか(それは好都合)!」
 
 
イルカ「お互い頑張ろうね(*´∇`*)」
りんご「…うん。」
 
 
Fくんのキラキラ笑顔を見て
色々と複雑だった。
しかし、とにもかくにも…
 
ミッション失敗滝汗
劇団員Fくんと別れられず!
 
 
クローバークローバークローバークローバー
 
 
駅前でFくんと別れ
自宅に帰るためバスに乗る。
 
 
ボーっと窓の外を見ながら
私は憂鬱だった。
 
明日、しまうま君に会うのにどうしよう。
 
次の日は
どうぶつ学習塾のバイト日で
私達は本屋で待ち合わせをして
一緒にバイトに行く予定だった。
 
奇跡的に捕まえたT大生、
しまうま君からの宿題は…
「彼氏と別れてきてね」
 
どうしよう。
宿題終わらなかった。。
 
なんてこった滝汗
↑全て自分で蒔いた種です
 
続きます

こちら第10話「高学歴男子の反撃」

 

 

ちょうちょ編集後記ちょうちょ

今週一番悲しかったのは

リビングの電気が壊れたこと。

暗闇でごはん食べてて

「これじゃ私グレちゃう」と思ったw
物理的に明るいってことも大事!
 

※文中のマクドナルドの写真は、既に閉店した店舗の中からお借りしました。道路の写真、バスの写真は「写真AC」を利用しています。カフェの画像は私が以前トトロカフェで撮ったものです。