週末恒例の「腹黒な恋バナ

T大生と貧乏劇団員の間をフラフラした話です←

 

昨日の続きになります。
 

T大生しまうま君に

嘘がばれてしまった私は

必死で引き留めました。。。

 

 

 

ここから22話です↓
 
 
牛しっぽ「もう嘘つかない?」
りんご「うん。(たぶん)」
 
 
ここで目をそらしたら負け。
しまうま君をじっと見た。
 
頑張れ、私。
この男をのがしちゃダメだ。
 
しまうま君は
ため息をつきながら…
 
 
牛しっぽ「…分かった。とりあえずバイト行こっか。」
りんご「はっガーン!もう18時なるよ?」
 
 
牛しっぽ「別にちょっとくらい遅刻してもいいよ。」
りんご「ダメだよ!」
 
 
牛しっぽ「なんでそんな真面目なのに、俺の宿題やらないかな…」
りんご「やるよ…ねえ急いでバイト行こう?」
 
 
牛しっぽ「バイト終わったら事情聴取の続きするからね!」
りんご「分かってるよ~」
 
 
どうぶつ学習塾への道を
しまうま君と一緒に走りながら
心の底から思った。
 
本当にちゃんとするから。
週末必ずFくんと別れるから。
 
 
クローバークローバークローバー
 
 
どうぶつ学習塾でバイト中、
丸付けをしながら
ぼんやり考えていた。
 
週末って何曜日のことだろう。
 
映画のオーディション結果は
「週末出る」と言ってたけど
金曜日?それとも土曜?日曜?
 
「結果が出たら電話する」と
劇団員Fくんに言われたけど
 
何しろ20数年前の大むかし。 
まだ携帯を持ってなかった私。
家にかかってくる電話を
ひたすら待つしかない。
 
 
でも金曜の昼間は学校で
私たぶん家にいない。
 
しかも、いくらなんでも
「受かったよ」という電話に
「別れましょう」とすぐ返すのはヒドイ?
 
ということは
その翌日に私がかけ直す?
 
スムーズに別れるには
どうするのがいいんだろう。
 
腹黒ベティコが
グルグル考えていると…
 
 
ハムスター「ねえ、早くT大生合コンセッティングしてよ~」
鳥「そうだよ~」
 
 
丸付けをしながら
女子たちが騒ぎ出す。
バイトだけでなく、
社員まで乗っかってくる。
 
 
三毛猫「いいな!T大生合コン!」
パンダ「私も年ごまかして行く♡」
 
 
社員とはいっても
25歳前後の女の子だし
 
子供相手に
「パンダ先生だよっ♡」
という仕事でもあるので
社員も元気でノリが良かった。
 
相変わらずだったけど
それ以外はいい人が多くて
明るく楽しい職場だった。
 
そんな職場で、
気付けば私としまうま君は
公認カップルになっていた。
 
毎回、一緒にバイト来て
一緒に帰ってるわけで
そう思われるのも当然だ。
 
しかし。
その内情は。。
 
合コンどころじゃねぇ笑い泣き
 
もう本当に
今度こそFくんと別れないと
しまうま君に逃げられる。
 
逃げられたら…
合コンも実現しません…
ですから皆さま…
私を応援してくだされ…
 
心の中でぼやきながら
適当に相槌を打った。
 
しまうま君は
向こうのFAXの近くで
司令塔として指示を出している。
 
バラバラと届く答案から
ダブリや兄弟を見つけ出し
入浴や食事の時間をさけ
電話する順番を組んでいく彼。
 
子ども数百人の
生活サイクルを把握って…
 
あの頭の中、
どうなってるんだろ…
 
私は淡々と答案に丸を付け、
あひるの絵を描いた。
 
こういうことになるとは
全然思ってなかった。
 
でも全部自分が撒いた種。
頑張るしかない。

 

 

クローバークローバークローバー
 
 
牛しっぽ「あひるちゃん帰ろっか」
りんご「…うん」
 
 
長い長い1日。
バイトが21時に終わっても
しまうま君の事情聴取が待っていた。
 
ドトールに連行され
向かい合って座った。
 
 
まあでも考えてみれば
全然大した話じゃないのだ。
別に何かしたわけじゃない。
 
  • 休講になったので劇団員Fくんに会いに行きました。
  • 大事なオーディションが進んでいると聞きました。
  • 今は別れ話をすべきではないと判断、受かってから言おうと思いました。
 
りんご「…というわけです。」
牛しっぽ「ふーん。それだけ?」
 
 
すっかり二人とも落ち着いて
バイト前のカフェでの修羅場は
一体何だったんだと思った。
 
 
牛しっぽ「なんで泣いたの?」
 
 
それは…Fくんの顔見たら
ぶわっと泣いちゃったんだけど
まあ言わない方が良かろう。
 
もう1つの理由を言っておこう。
本当にそう思ったから嘘ではない。
 
 
りんご「悪いなと思って。」
牛しっぽ「俺と会ってるから?」
りんご「うん。」
 
 
劇団員Fくんには
最近ほとんど会ってないけど
 
T大生しまうま君とは
週に何度も会っているので
 
もう感覚としては
しまうま君が彼氏だった。
 
 
りんご「週末にオーディションの結果出るって言ってたから土日で別れる。私の計算では予備日が3日もあんの。」
牛しっぽ「予備日とか言ってないでさっさと別れろよ。」
 
りんご「分かってる!確実に宿題するための、念のための予備日だよ!」
牛しっぽ「…彼がオーディション落ちたらどうするの?」
 
 
え((((;゚Д゚))))
落ちることは
全く考えていなかった。
 
 
りんご「絶対受かる。」
牛しっぽ「なんでそんなこと言えんの?」
りんご「なんでって…」
 
 
劇団員Fくんは
誰が見てもイケメンだし
何より人柄が素晴らしい。
 
監督にもスタッフにも
絶対好かれるはず。
 
それに…
いつも笑顔で、前向きで、
あんなに頑張ってる人を
神様が見捨てるはずがない。
 
確信していた。
Fくんは必ず受かる。
 
そして映画デビューして
手の届かない人になるんだ。
 
 
りんご「Fくんは中身も外身も素晴しすぎるから、絶対受かる。」
牛しっぽ「…それを俺に言うんだ。」
 
りんご「私もう嘘つかないんで!」
牛しっぽ「ムカつくあひるだな!笑」
 
 
雨降って地が固まるのか、
二人でポンポン言い合って
最悪だった雰囲気が
少しずつ元に戻ってきた。
 
 
牛しっぽ「別れ話、俺も行くよ。」
りんご「来なくていいよガーン
 
 
次の彼氏同伴で
別れ話をしに行くなんて
いくらなんでも
Fくんに失礼すぎる。
 
 
牛しっぽ「大丈夫かなあ。分かってると思うけど、必ず昼間、外で会ってね?」
りんご「…何それむかっ
 
 
牛しっぽ「あのさぁ、誰が相手でも別れる時の基本だよ?!バカなのむかっ?」
りんご「T大生にバカって言われたら黙るしかないんですけど!笑」
 
 
牛しっぽ「はぁ…どんだけ引っ張るんだよ。」
りんご「ごめんね?わざとじゃないよ?」
牛しっぽ「それがタチ悪いって言ってんの!笑」
 
 
しまうま君も
素で言いたい放題だった。
 
ふんわり笑顔の時より
ずっと人間ぽくて安心した。
 
週末頑張ろう。

今度こそFくんと別れる。

三度目の正直だ。

 
決戦は金曜日。
あ。ドリカムみたいねw
 

 

続きます

 

前回を振り返る方は

第21話「今頑張らないと」

 

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ちょうちょ編集後記ちょうちょ

私ドリカムすごく好きで。

いろんな出来事とセットで記憶されてるからでしょうか?笑

 

「眼鏡越しの空」とか

今もよく鼻歌で歌います。

 

あのメロディライン、

音階下がってくる感じと

歌詞も好きです~