週末恒例の「腹黒な恋バナ

T大生と貧乏劇団員の間をフラフラした話です←

 

昨日の続きになります。

 

コメントありがとうございました!

読んでくださってる方がいるんだと思うと、最後まで書こう!と気合いが入ります。

いつもありがとうございます。

 

それにしても、プリントゴッコのCMに出た方までいらっしゃってビックリびっくり

 

そしてプリントゴッコ、インクが乾くまで広げて並べて…今考えると面倒!笑

 

ちなみに腹黒ベティコ、

実演しながら自分の年賀状も

ちゃっかり刷りました←オイコラ

 

インク使い放題だったので

豪華に何色も使った!笑

 

 

 

ここから24話です↓
 
私はお店を出て
Fくんのアパートに向かった。
 
しばらく歩いて
立ち止まる。
 
家に行ってどうすんの?
この状況でFくんに別れたいって言えんの?
 
頭をかかえた。
自分で蒔いた種とはいえ、
あんまりな展開だと思った。
 

大事なオーディションに

最後の3人まで残りながら
結局ダメだったFくん。。
 
いつも笑顔で前向きな彼も
さすがに落ち込んでるかもしれない。
 
これまでもFくんは
色々なオーディションを受け
受かったり落ちたりしてきた。
 
だけど今回ほど大きな役で
最後まで残った選考は初めてだった。
 
このタイミングで
別れたいって言うの?
 
ものすごく気が重い。
立ち止まってしばらく考える。
 
 
そして再び歩き出す。
久しぶりに歩くFくん家までの道。
 
言おう。
今日決着をつけよう。
 
今思えば
さっさと別れれば良かった。
 
月見バーガーを食べた日、
あの場で別れれば良かったし、
 
そのあとも
音信不通作戦なんかせず
早く別れれば良かった。
 
先延ばしにすればするほど
どんどん言いにくくなって
今日まで来てしまった。
 
これ以上
先延ばししちゃダメだ。
 
鬼かもしれないけど
今日言おう。
 
ずんずん歩いて
Fくんのアパートに到着した。
 
覚悟を決めて
ピンポンを押す。
 
 
 
…出ない笑い泣き
もおおおむかっ
なんでいないんだよむかっ
 
 
 
何回押しても出ないので
裏に回ってみたけど、
電気がついていなくて
家にいないようだった。
 
どこ行ったんだろう…
Fくん大丈夫かな…
 
しばらく待つことにして
アパートのドアに寄りかかる。
 
こんな日に
わざわざ待ち伏せして
別れ話するんだ、私は。。
…最低だな。。
 
現代ならばスマホを触って
ヒマつぶし出来るんだろうけど
この時やることが何もなくて
1分1秒がとても長く感じた。
 
もう明日にする?
 
そんな気持ちが湧いてくる。
だけど、昨日も今日も
Fくんは電話に出なかった。
明日も出ないかもしれない。
 
 
それは困る笑い泣き
 
 
予備日が3日あるとはいえ
出来るだけ早く別れたい。
しまうま君に説明できない。
 
誕生日までに必ず
しまうま君に乗り換えるんだ。
心の中で何度も唱える。
 
読者さまがコメントで
「私なら店長に手紙を託す」と
超ナイスな案をくださいましたが…
 
当時の私に
教えてあげたい!笑
 
そのナイスな案を
私は全然思いつかず
じっとFくんの帰りを待った。
 
 
寒いよ~えーん
 
 
ボロアパートの前は
風を遮るものが何もなく
11月とはいえ寒さがしみる。
いつのまにか夜8時を回っていた。
 
することがないので
どうしても色々考えてしまう。
 
劇団員Fくんのこと。
T大生しまうま君のこと。
 

優柔不断な自分が嫌になる。

結局のところ私は
自分が悪者になりたくなかっただけだ。
 
傷付けずに別れるなんて
しょせんキレイごと。
 
男女が同時に
別れたいと思う状況なんて
めったに起こらない。
 
片方は別れたくて
もう片方は別れたくない。
 
私はFくんと別れたかった。
でも大好きだったから
キレイな思い出で終わりたかった。
 
それは私の勝手なエゴで
ただの保身だった。

しかしそれにしても…

 
 
寒いよ~えーんえーん
 
 
私は携帯を持ってないし
近くに公衆電話もないので
Fくんに電話することもできない。
 
あとどれくらいで
Fくん帰ってくるだろう…
 
あと5分だけ待とう。
もう5分だけ待ってみよう。
 
それを繰り返しているうち
夜9時を過ぎてしまった。
 
Fくんどこ行ったのかな…
大丈夫かな…
何してるんだろう…
 
今日というか…
もしかして明日もあさっても
会えないのではないか。
そんな不安が押し寄せる。
 
電話も出てもらえず
会ってももらえなかったら
私はどうしたらいいんだろう。
どうやって別れればいいんだろう。
 
会えるか分からない人を
ひたすら待つのはつらい。
 
もう帰ろうか。
もう少し待とうか。
 
何度も何度も同じことを
グルグルと考える。
 
でもまた先延ばしにしたら
事態が悪化する気がした。
 
そうやってずっと
先延ばしにしてきたから
今この状況になっている。
っていうか…
 
 
寒いよ~えーんえーんえーん
 
 
手足が凍りそう。
寒すぎて歯がカチカチする。
手に息を吹きかけながら
 
Fくん大丈夫だよね…?
将来を悲観して…とか
 
いやいやいや。
ない。ないよ。Fくんに限って。
 
あまりに寒すぎて
思考もおかしくなってくる。
 
今日はもう会えないのかな…
諦めて帰ったほうがいいのかな…
 
夜9時半を過ぎ、
心が折れそうになった頃
 
 
イルカ「ベティコちゃん!?」
 
 
向こうの方から
駆け寄ってくる人影が見えた。
 
 
良かった…!
Fくん無事だった。
 
 
そう思ったら
安心感で座り込んでしまい、
ぶわっと涙がこみ上げた。

 

 

クローバークローバークローバー
 
 
イルカ「ベティコちゃん大丈夫?落ち着いた?」
りんご「うん。ごめん。」
 
 
Fくんの部屋で
ホットミルクを飲んだ。
 
2時間半ほど外で待って
寒くて死にそうだったけど
少し温まってきた。
そして、ハッと我に返る。
 
部屋に入らない方が良かったのでは…ガーン
 
そうだ。
立ち話で良かったのに
部屋にあがってしまった。
 
何カ月ぶりかに
Fくんの部屋に来たけど
相変わらず狭くて散らかっている。
 

やばい。寒すぎてうっかり部屋に入っちゃったよ…ガーン

 
「昼に外で会って」と
しまうま君に言われたのに
もう夜だし、外でもない。
 
早く言おう。
最低なタイミングで
最低なことを言って
 
Fくんに嫌われて
速攻で帰るんだ。
 
 
イルカ「ごめんね。オーディションダメだった。」
りんご「…残念だったね。…こんな時に悪いけど話したいことが…」
イルカ「俺向いてないのかな…」
 
 
Fくんが弱音を吐くのを
初めて聞いた。
大きく心が揺れる。
 
Fくんと付き合って一年半、
いつも前向きな言葉しか
聞いたことがなかった。
 
 
りんご「向いてないわけないよ、最後の3人に残ったんだから。」
 
 
目の前のFくんは
表情なく俯いたままだった。
 
そんな顔を見るのも
初めてのことだった。
 
本当にFくんは
いつも元気に笑ってたから
 
笑顔の彼しか
見たことがなかった。
 
 
イルカ「最後の1人にならないと意味ないよ…」
 
 
消えそうな声で
Fくんはそうつぶやいて
大きな目に涙が溜まっていく。
 
長いまつ毛の間から 
スローモーションのように
涙がこぼれ落ちて
 
それは
ギョッとするほど美しかった。
 
 
やばい…ガーン
カッコイイ…ガーン
 
 
この時初めて知った。
涙は女だけの武器じゃない。
 
 
イケメンの涙、
破壊力やばい…!
 
 
これたぶん
近くで見たらダメなやつだガーン
 
 
そう思うのに
どうしても目が離せない。
磁石のように
心が吸い寄せられる。
 
 
ここにいたら
ダメな気がするガーン
 
 
先延ばしはダメだと思ったけど…
今日決着をつけたかったけど…
 
 
とりあえず撤退えーん
 
 
出直そう。うん、そうしよう。
後日!昼間!外で!
先延ばしになっちゃうけど
ここにいる方がやばいと思った。
 
目の前で涙をこぼすFくんは
普段の姿とのギャップもあり
あまりにカッコ良くて
 
心をギュッとつかまれ
激しく揺さぶれた。

 

ダメだ…!
早くここを出ないと…!
 
私は慌ててコップを置き、
カバンをつかんでFくんに言った。
 
 
りんご「遅くなっちゃったから、とりあえず帰る…」
 
 
立ち上がったその時
揺れるFくんの声が聞こえた。
 
 
イルカ「もし…他に好きな人がいるなら、そっちに行ってもいいよ?」
 
 
((((;゚Д゚))))え…
 
 
イルカ「なんか様子がおかしいと思ってたけど…やっぱそうだよね。」
 
 
頭が真っ白になった。
Fくん気付いてたんだ…
 
 
イルカ「ごめんね、俺が落ちたから言いにくいよね。…俺は大丈夫だから、その人のところに行っていいよ。その方がベティコちゃんが幸せならそれでいいから。」
 
 
言葉を失った。
Fくんの圧倒的な優しさに
呆然と立ちつくす。
 
 
どこまでいい人なの…?
 
 
オーディションに落ちて
Fくんすごく辛いはずなのに
こんな時まで私の心配すんの?
 
なんて人だろう。
それに比べて私は。。。
自分の汚さに泣きたくなった。
 
同時に、
いら立ちが込み上げる。
 
いい人すぎるよ!
こんなの反則だよ!
 
なんで優しくするの。
最低だねって言ってよ。
 
そうじゃないと…
嫌われないと…
次に行けないじゃん!!!
 
言いようのないイライラで
頭の中がいっぱいになった。
私は逆ギレした。
 
 
りんご「ずるいよ!そんなこと言われたら、どこにも行けなくなる!」
 
 
言ってるうちに
どうしようもなく泣けてきた。
 
何の涙なのか
自分でも分からないけど
ただ激しく動揺していた。
 
しまうま君の顔が浮かぶ。
乗り換えたかったのに…!
本当に脱出したかったのに…!
 

気付いたら

Fくんに抱き締められていた。
 
イルカ「どこにも行けないならここにいてよ。」
 
 
 

続きます

 
 
ちょうちょ追記ちょうちょ
こんな展開で
ごめんなさーい笑い泣き笑い泣き笑い泣き
 
それと私引っ越しするので
来週のあひる更新は土曜のみ、
日曜日はお休みします。

 

その分、今日長々と

4000字書きました~笑い泣き

それでは、また来週土曜にパー

 

 

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