せっかく奪い取った物を犯人自身が元の持ち主に戻す映画がある。


(1936)真珠の首飾り/Desire

出演はゲイリー・クーパー、マレーネ・ディートリッヒ。

詐欺師のマドレーヌ(マレーネ・ディートリッヒ)は精神科医のモーリス・ポーケと宝石商のアリスティード・デュヴァルを騙して、デュヴァル宝石店から真珠の首飾りを盗んだ。デュヴァルはポーケが購入したものと認識している。そして車でパリからスペインに向かった。

アメリカの自動車メーカーのパリ支店に勤務するトム・ブラッドリー(ゲイリー・クーパー)は本社に帰任する前に休暇を貰って車でスペインに向かった。

国境の検問を切り抜けるためにマドレーヌは首飾りを隣にいたトムのポケットに入れた。

マドレーヌは自分の車を故障したことにして、トムの車に乗せてもらう。行き先はサン・セバスチャン。

マドレーヌはなんとかして首飾りを取り戻そうとするが、うまくいかない。注、ここの展開が面白い。

二人は同じホテル(の別の部屋)に泊る。マドレーヌには仲間がいる。カルロス・マルゴリ。

ここでもなかなか首飾りを取り戻せない。

しかしカルロスは手品を披露する。偽物の首飾りを出して、それを消して見せる。トムに向かって「今消えた首飾りは、あなたのポケットにあります」と首飾りを取り出して、トムから取り戻した。

ここでカロルスとマドレーヌは姿を消せばよいのだが、そうは展開しない。

マドレーヌは詐欺師生活に嫌気がさしている。そしてトムを好きになった。

マドレーヌはトムにすべてをバラした。するとトムがカルロスに拳銃を突き付けられる事態になるが、スキを見てトムが反撃。首飾りを取り戻した。

トムとマドレーヌはパリに戻った。マドレーヌはデュヴァル宝石店を訪れて「返品はお願いできるかしら?」と首飾りを差し出す。

この時点ではデュヴァルは首飾りが盗まれたことを知っているのだが、世間体から返品を受け付ける。
 


(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky

出演はアン・バクスター、グレゴリー・ペックなど。

ストレッチたち六人組は銀行から金を奪って逃げた。騎兵隊に追いかけられ、テス・ヴァレーに逃げ込んだ。

デス・ヴァレーは海面下で、世界最高気温を記録した土地である。入れば生きては帰れない。騎兵隊は追跡を止めた。

なんとかデス・ヴァレーを越えて、Yellow Skyという立札がある町についた。しかし無人であった。

いやコンスタンス・メイ(アン・バクスター)通称マイクという若い女性と祖父が住んでいた。二人は金鉱を採掘していた。

六人組と二人の間に争いが発生する。しかし一方でストレッチとマイクが愛し合うようになった。そしてストレッチが残りの強盗たちと対立する。

二人が離反してストレッチに着いた。残りを倒した。五人はYellow Skyを後にした。

ストレッチたちは、元の銀行を訪れて、奪った金を戻した。

ストレッチ、マイク、祖父は新しい生活を目指して旅立った。
 


(1948)百万ドルの週末/Million Dollar Weekend

ニコラスは共同経営していた会社の金を持ち出してハワイに向かった。

シンシアは夫を埋葬した後ハワイに向かった。つけてきたアランから「夫を殺した」と脅された。

シンシアはニコラスに頼んで知人の振りをしてもらった。この間に二人の間に親しくなった。

しかしアランはニコラスの金を奪って逃亡した。

ニコラスとシンシアはアランを追いかけて発見。金を取り戻した。

ニコラスは会社に戻って金を戻し、共同経営者に退職する旨を告げた。

ニコラスはまたハワイに行ってシンシアと暮らした。
 


(1999)トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair

出演はピアース・ブロスナン、レネ・ルッソなど。

トーマス・クラウン(ピアース・ブロスナン)は企業の経営者だが、実は絵画泥棒でもある。

トーマスは手下を雇って美術館から絵画を盗ませようとする。しかし失敗する。これは実は偽装。

トーマス自身が発煙弾を投げ込んで火災を偽装する。展示室の延焼を防ぐためのドアが上から下りてくる。そのドアが締まる前にトーマスが飛び込んでモネの絵を盗む。

これを我々は知っているが警察は知らない。

警察の捜査が開始される。一方、保険会社の調査員キャサリン・バニング(レネ・ルッソ)が押しかけてくる。保険会社はできれば保険金を支払いたくないからである。

キャサリンは警察の捜査を無視して勝手な行動をする。

一方トーマスは「モネの絵が戻るまでは自分の絵を貸し出す」と申し出て、代わりの絵が飾られる。

キャサリンは、ごく簡単な調査からヤマ勘でトーマスに「犯人はあなた」と断言。

キャサリンはトーマスの屋敷に忍び込んで問題のモネの絵を運び出す。しかしこれは偽作であることが判明。

いろいろとトーマスとキャサリンの間で小競り合いが発生する。その間に二人が惹かれあうのは当然の展開。

二人は今までの生活を捨てることを決断する。

トーマスは「盗んだモネを戻す」とキャサリンに話した。この時点では警察はトーマスを疑っていないのだが、キャサリンは警察に話す。

警察は厳重な警戒態勢を敷く。その中でトーマスが現れた。しかし同じ姿をしたトーマスが何人も現れた。美術館の中を動き回る。警察は必死で彼らを見張る。

トーマスはやはり発煙弾を使う。火災と誤認してスプリンクラーが水を放出する。絵を水から守るために、それぞれの絵の前のシャッターが閉じられる。

だがトーマスが貸し出した絵のシャッターだけが閉じないように仕掛けられている。

貸し出した絵に水が降りかかる。その絵は水彩絵の具で描かれたものである。絵の具が水で剥げ落ちる。すると盗まれたモネの絵が現れた。

その後、二人は飛行機で旅立つ。
 


■ 出演作

◆ マレーネ・ディートリッヒ
(1930)モロッコ/Morocco
(1932)上海特急/Shanghai Express
(1939)砂塵/Destry Rides Again
(1950)舞台恐怖症/Stage Fright
(1956)八十日間世界一周/Around the World in Eighty Days
(1952)無頼の谷/Rancho Notorious
(1936)真珠の首飾り/Desire

◆ グレゴリー・ペック
(1945)白い恐怖/Spellbound
(1947)パラダイン夫人の恋/The Paradine Case
(1962)アラバマ物語/To kill a Mockingbird(1958)大いなる西部/Big Country
(1947)決死の猛獣狩り/The Macomber Affair
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky

ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf
(1936)真珠の首飾り/Desire

レネ・ルッソ
(1992)フリージャック/Freejack
(1992)リーサル・ウェポン3/Leathal Weapon3
(1993)ザ・シークレット・サービス/In the Line of Fire
(1995)アウトブレイク/Outbreak
(1995)ゲット・ショーティ/Get Shorty
(1996)身代金/Ransom
(1996)ティン・カップ/Tin Cup
(1997)バディ/Buddy
(1998)リーサル・ウェポン4/Leathal Weapon4
(1999)トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair
(2000)ロッキー&ブルウィンクル
(2002)ショウタイム/Showtime
(2002)ビッグ・トラブル/Big Trouble
(2005)ヘレンとフランクと18人の子供たち/Yours, Mine and Ours
(2017)ベスト・バディ/Just Getting Started

アン・バクスター
(1940)スワンプ・ウォーター/Swamp Water
(1953)青いガーディニア/The Blue Gardenia
(1950)彼女は二挺拳銃/A Ticket to Tomahawk
(1950)イヴの総て/All about Eve
(1952)人生模様/最後の一葉/O. Henry's Full House
(1956)十戒/The Ten Commandments
(1953)私は告白する/I Confess
(1946)剃刀の刃/THE RAZOR'S EDGE
(1952)ポーカー・フラットの追放者/The Outcasts of Poker Flat
(1946)地獄から来た天使/肩の上の天使/Angel on My Shoulder
(1948)幸福の森、アイルランドの妖精/The Luck of the Irish
(1944)婚約者の陰謀/スカートの中の悪魔/Guest in the House/Satan in Skirts
(1955)暴力には暴力だ/The Spoilers
(1952)妻の親友/My Wife's Best Friend
(1958)生きていた男/Chase a Crooked Shadow
(1954)カーニヴァル物語/Carnival Story
(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky
 


 

 


 

 

(1999)トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair

(1948)廃墟の群盗/Yellow Sky

(1936)真珠の首飾り/Desire