(1992)Freejack

「フリージャック」とは過去から人間を連れてくること。何のためかと言えば、その肉体に別の人間の精神を転送するためである。脳の移植ではなく精神の転送。
巨大企業マッキャンドレスの一部門がフリージャックを手掛けている。
フリージャック部隊は装甲車のような車が何台も持っている。中には複雑な装置がいろいろとある。また実際に武装もしている。
アレックスのフリージャックを依頼した顧客は、実は社長のマッキャンドレス自身である。


映画関連目次(闇雲映画館)

■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
 アレックス・ファーロング(エミリオ・エステベス)-自動車レーサー
 ジュリー・レドランド(レネ・ルッソ)-アレックスの恋人。後にはマッキャンドレス社の重役
 ヴァセンダック(ミック・ジャガー)-マッキャンドレス社のフリージャック部隊のボス
 マッキャンドレス(アンソニー・ホプキンズ)-マッキャンドレス社の社長
 ミシュレット(ジョナサン・バンクス)-マッキャンドレス社の副社長。社長を抹殺しようとしている
 


■ あらすじ

◆ レースで事故

レースの日、アレックスはジュリーに起こされた。ジュリーの方が張り切っているようである。

ジュリーは着ていく服を選ぶのに鏡の前に立って「レーサーの奥さんに相応しいかしら?」と言う。それを聞いてアレックスは喜ぶが「口が滑ったのよ」と逃げる。

アレックスが「運がつくから、耳を噛んで」と言うのでジュリーはアレックスの耳を噛む。

だがしかし大事故が起きた。アレックスの車は壁に激突。

◆ フリージャックされたが逃亡

その瞬間を狙ってフリージャックされ未来に連れ去られた。実行したのはヴァセンダックの部隊。

なんとか逃げ出しジュリーと住んでいたアパートに行くが、別人が住んでおり銃で追い払われる。

この時点で自分がフリージャックされたことを認識する。ヴァセンダックの部隊がアレックスを追いかけている。多額の懸賞金がかけられている。

逃げ回って倒れているところにカトリックのシスター(アマンダ・プラマー)が現れる。このシスターは小銃をもって現れて「畜生」とか汚い言葉を使って、およそシスターらしからぬ振る舞いであるが、「神の御加護」と言ってアレックスに食料と拳銃を与えて助ける。後の場面だが、このシスターはアレックスをかくまったことを追求されて殴られると、相手の股間を蹴り返す。

◆ 裏切られて、さらに追われる

世界は汚染物質で溢れ、多くの人々は劣悪な環境で貧乏な生活している。ほんのごく一部の人間は裕福で豪華な生活をしている。SFにありがちな設定ではある。

知人を訪ねていくと、知人はジュリーに会わせると言ってアレックスを売った。ヴァセンダックの部隊が現れる。

追っ手を振り切りジュリーの豪邸を訪ねていくと思いがけずも中に入ることができるが、これはジュリーのところに現れると睨んだヴァセンダックの陰謀。ジュリーからは疑われて追い払われる。逃亡は続く。

◆ ジュリーに助けられたが、

しかし思い直したジュリーはアレックスに護衛をつけてくれる。ジュリーは今の生活は捨てられないと言う。「レースの直前にレースを止めて、私と他に行こうと言ったらどうする?」とのこと。

ヴァセンダックの部隊に加えて、ミシュレット配下の部隊もアレックスを追いかける。マッキャンドレスの精神転送を妨害してマッキャンドレス社を乗っ取るためである。

護衛はアレックスを守るために自爆し、別途ジュリーが用意した逃走用の船も爆破された。切羽詰まったところでジュリー自身が車に乗って現れ、危ういところを助けられる。

◆ ミシュレットに会いに行く

その車のディスプレイにミシュレットが現れる。アレックスはミシュレットに会いに行くことを決意し、ジュリーに拳銃を突き付けて、マッキャンドレス社に到着する。もちろん拳銃は本気ではない、演技。エントランスはミシュレットの部隊が警戒している。そこを通り100階のミシュレットの部屋に行く。

しかしミシュレットはジュリーが元はアレックスの恋人であったことを知っている。マッキャンドレスはすでに死亡しているが精神転送をするつもりはなく、自分が会社のボスになるという。二人には「自由にしろ」という。

二人はエレベータで下に降りていくが、危険を察知してエレベータを上に反転させる。しかしエレベータは最上階の200階までいく。ここには精神転送機がある。

一階にヴァセンダックの部隊が到着し、ミシュレットの部隊との銃撃戦を制した。

◆ 精神転送機にかけられた

200階には、アレックス、ジュリー、ヴァセンダック、ミシュレットと死んではいるがまだ精神は生きているマッキャンドレス(のイメージ)が集まった。そして周りをヴァセンダックの部隊が取り囲んでいる。

ヴァセンダックはアレックスを捕らえて、マッキャンドレスの精神→アレックスの肉体の精神転送を実行しようとする。
 


■ 補足

本作の見どころの一つはヴァセンダックのキャラクタ。不気味な感じがよく出ている。しかしそれだけの性格ではない。

本作のDVDはないと思っていたが、良く調べてみるとあった。私が見たのはVHS字幕。

元の時代は1991年、フリージャックされた時代は2009年。
 


■ 結末

VHSしかないと思っていたので、結末を書いていたが、削除するのももったいないので載せておく。

ヴァセンダックはアレックスを精神転送機にかけてスイッチを入れる。

精神転送が実行されていくが、途中でジュリーが部隊の一人の拳銃を奪って、精神転送機に向けて発射する。精神転送機は爆発し、アレックスは床に投げ出される。

これを見てミシュレットは「マッキャンドレスは死んだ。私が社長だ」と言う。ヴァセンダックはたじろぐ。

が、アレックスは起き上がりながら「精神転送は完了した。私がマッキャンドレスだ」と主張。

ミシュレットは「身分証明番号を言ってみろ」と言い、ヴァセンダックは部下から携帯型のディスプレイを受け取って覗き込みながら、マッキャンドレスに向かって「答えろ」。

マッキャンドレスは一桁ずつゆっくりと数字を答えていく、ヴァセンダックはそのたびにうなづく。最後の桁まで答えた。

ヴァセンダックは本物のマッキャンドレスと認める。ミシュレットが拳銃を取り出すが、ヴァセンダックに射殺される。

マッキャンドレスとジュリーは一階に降りて車に乗る。そして「耳を噛んで」と言う。

なぜ正確に身分証明番号を答えることができたかは、想像していただきたい。本当を言えば他人(ヴァセンダック)がマッキャンドレスの身分証明番号が分かるのがおかしい。
 


■ 出演作

レネ・ルッソ
(1992)フリージャック/Freejack
(1992)リーサル・ウェポン3/Leathal Weapon3
(1993)ザ・シークレット・サービス/In the Line of Fire
(1995)アウトブレイク/Outbreak
(1995)ゲット・ショーティ/Get Shorty
(1996)身代金/Ransom
(1996)ティン・カップ/Tin Cup
(1997)バディ/Buddy
(1998)リーサル・ウェポン4/Leathal Weapon4
(1999)トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair
(2000)ロッキー&ブルウィンクル
(2002)ショウタイム/Showtime
(2002)ビッグ・トラブル/Big Trouble
(2017)ベスト・バディ/Just Getting Started
(2005)ヘレンとフランクと18人の子供たち/Yours Mine and Ours
 


 

 


 

 

レースの朝

いよいよレース

事故発生⇒ここでフリージャック

逃げ出して、さまよう

シスターが助けてくれる

ジュリーはM&Aの打ち合わせ中

アレックスは依然として逃走中

ジュリーの部屋へ侵入

ジュリーが助けに来る

ヴァセンダック

用意した船が爆破される

ジュリーを「人質」にしてマッキャンドレス社へ

マッキャンドレス(のイメージ)と対決

精神転送機にかけられる