■ Buddy(1997)


製作年:1997年、脚本:キャロライン・トンプソン、監督:キャロライン・トンプソン、日本語DVDなし、VHSあり   予告編(英語)  


■ はじめに

ゴリラを育てた女性の話。実話。1920年代。日本語タイトルでは意味不明だが、ゴリラの名前。実話とは言っても、どこまで忠実に描いているのかは不明だが、それは良いだろう。

本作の他にルワンダの森林で18年間にわたりマウンテンゴリラの生態系の調査を行ったダイアン・フォッシーの生涯を描いた「愛は霧のかなたに(1988)」という映画がある。主演はシガニー・ウィーヴァー。


■ あらすじ

冒頭は、ガートルード・リンツ(レネルッソ)がチンパンジーのジョーとマギーを映画館に連れて行くところ。入場券を三枚買って入場する。騒ぐので観客からは顰蹙となるが、ガートルードは平気な顔。

やたらと広~い屋敷。庭は動物が住みやすいように木が植えてあり、岩や池がある。15種類くらいの動物を飼っている。犬(数匹)、猫(数匹)というありきたりものから、大きなものは馬(数頭)、大きなカメ、アルマジロ(?)、アライグマ(?)、なんか大きな鳥(何羽もいる)。魚もいる。それとオーム。後でチンパンジーがもう二匹入ってくる。マギーはよく猫と遊んでいる。

動物の世話をするために二人を雇っている。ディック(アランカミング)とエマ(イルマPホール)。ディックはチンパンジーと仲が良い。楽しそうに、いろいろと話しかけながら世話をしている。エマは小言が多い。

夫のビル(ロビーコルトレーン)は医者。妻の行動に理解があると言うよりも、むしろ積極的に協力している。

さて電話がかかって来てガートルートはフィラデルフィアに出かける。生まれたばかりのゴリラの赤ん坊がいる。母親はいないとのこと。あまり真面目に世話をしてなさそうなので、強引に連れて帰る。

体調が悪そうなのでビルが診断すると肺炎とのこと。治療をしてミルクを飲ませる。つきっきりで世話をした。やっと元気になり、名前は「バディ」となった。

元気になるとガートルートにしがみついて離れない。ビルは面白そうに見ている。バディを抱いたままベッドに入った。夜になってバディが寝てからやっと着替えることができた。

育てるための情報を得るために、文献を調べたり、専門家に聞きに行ったりした。しかし役に立たなかった。「人間と同じように育てます」と言って帰ってきた。

たちまち大きくなってくるので、次第に問題が出てくる。さすがにビルは「どうするか考えなさい」と忠告する。

マギーが自分の檻のカギを盗んでベッドに隠しておいた。夜になって檻を開けて、他の檻のカギを持ち出して、ジョーやバディを外に出す。鏡の前にいたガートルードの隣にバディが現れて、ガートルードはケラケラ笑い出した。

バディが親しみをこめてガートルードに抱きつくが、力が強いのでガートルードは苦しくなる。

バディは赤い色が好き。赤い布を巻きつけて遊ぶ。ガートルードは「私も赤が大好きよ」と答える。


さてシカゴ博覧会に出演することになる。注、シカゴ博覧会を調べると1933年となっている。

ビルはバディを連れて行くのに反対するが、バディを連れて行く。ジョーとマギーとバディが出演する。

ジョーとマギーは、自転車、綱渡り、竹馬、二人でボクシングと大人気。バディは檻の中で興奮している。マギーは演技の合間にバディの檻のカギを開けて、そのまま知らん顔して、演技を続けた。

バディが檻から外に出た。観客はパニックになって逃げだす。ガートルードは、しばらく事態に気がつかないが、バディを探して回る。

バディは、無人の部屋に入る。そこには赤い色のイスがいくつもおいてある。ガートルードが入ってくると、ガートルードを抱き上げたり、イスに座ったりする。別のイスに座りなおしたりして、ずっと遊んでいる。

けっきょくバディの出演はキャンセルとなり、家に戻ってきた。

戻ってきた後、バディがキッチンの床を磨いている時にガートルードが滑って転ぶ。このことはバディには責任はないが、バディが暴れだす。注、バディが床を磨くのはいわば日課。

ビルは「バディをどうするか、決めてくれ」と言う。バディは、ずっと檻に入れられたままの生活になった。落ち込んでいるようである。

雷の夜、バディが檻を叩き破って逃げ出してガートルードのベッドに来る。不安なようである。ガートルードは「怖がらないで」とバディに言うが、自分自身に言っているようでもある。抱き合って階下に降りる。しかしここでまた雷が鳴り、バディが暴れだす。他の動物たちが怖がってパニックになる。

今度は手が付けられない。バディは家の中を壊しまわる。警官隊が駆けつけて銃を構える。ガートルードは「私が言うまで、撃たないで!」と叫ぶ。

バディを止めたのはオーム。「バディ、とっても素敵」とオームが言うとバディは破壊を止めた。まあ、このあたりはちょっと信じがたい。

バディは森の中に帰ることになる。どこであるかは明示されていないが、どうも最初にいたフィラデルフィアらしい。他のゴリラも一緒。高い柵で囲まれた森になっている。

柵を開けると、バディは赤いスカーフを持って、振返りながら歩いて行った。森の中に消えた。

 


■ 蛇足

ガートルードはマギーにマニキュアをしている。

ガートルードは、マギーやジョーやバディがイタズラをした時に「恥を知りなさい」と叱るが、チンパンジーやゴリラが理解するとは思えない。注、VHS吹替えなので、英語ではなんといっているか不明。

ジョーはローラースケートが好き。マギーは馬に乗る。

ジョーとマギーが包丁をキャッチボールのように投げ合って遊ぶ場面がある。ガートルードが骸骨のおもちゃを見せると、二人は怖がって隠れる。

ディックとジョーが酒を飲みかわす場面がある。博覧会から帰ってきて、バディが最初に暴れた後。二人は向かい合って座り、ディックが「悪夢だよ、こんなことがあっていいのか」と言っている。ジョーはディックのグラスに酒を注いで、自分もグラスで酒を飲む。

 


■ 出演作

レネ・ルッソ
(1989)メジャーリーグ/Major League
(1990)MR.デスティニー/Mr. Destiny
(1991)ニューヨーク・ジャスティス/許された犯罪/One Good Cop
(1992)フリージャック/Freejack
(1992)リーサル・ウェポン3/Leathal Weapon3
(1993)ザ・シークレット・サービス/In the Line of Fire
(1995)アウトブレイク/Outbreak
(1995)ゲット・ショーティ/Get Shorty
(1996)身代金/Ransom
(1996)ティン・カップ/Tin Cup
(1997)バディ/Buddy
(1998)リーサル・ウェポン4/Leathal Weapon4
(1999)トーマス・クラウン・アフェアー/The Thomas Crown Affair
(2000)ロッキー&ブルウィンクル
(2002)ショウタイム/Showtime
(2002)ビッグ・トラブル/Big Trouble
(2005)トゥー・フォー・ザ・マネー/Two for the Money
(2005)ヘレンとフランクと18人の子供たち/Yours, Mine and Ours
デニス・クエイド、レネ・ルッソ
(2011)マイティ・ソー/Thor
(2013)マイティ・ソー/ダーク・ワールド/Thor: The Dark World
(2014)ナイトクローラー/Nightcrawler
(2015)マイ・インターン/The Intern
(2017)ベスト・バディ/Just Getting Started
(2019)アベンジャーズ/エンドゲーム/Avengers: Endgame


 

ジョーとマギー

 

 

 

 

バディがだんだん大きくなる

ディックが手品を見せている

鏡の前のガートルードを見ている

 

万博でバディが外に逃げ出した

バディは椅子に長い間座って遊んでいる

万博から戻ってきた

ディックとジョーが酒を飲んで話している

バディは森の中に行くことになる

バディと別れる