■ Bright Leaf
ブラント・ロイルのロイル・シガレット・カンパニーは紙巻タバコの製造機械を導入して、紙巻タバコの生産性を画期的に上げた。
競争他社を圧倒して市場を占有し他社を買収した。残るシングルトン・シガレットも追い詰めた。
ブラントは昔から好きだったシングルトン・シガレットの経営者の娘マーガレットと結婚した。しかしその後、ロイル・シガレットの業績は悪化していった。


製作年:1950、監督:Michael Curtiz、脚本:Ranald MacDougall、原作:Bright Leaf(Foster Fitz-Simons)


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)
ブラント・ロイル(ゲイリー・クーパー)
ソニア・コヴァック(ローレン・バコール) ブラントの元恋人
ジョン・バートン(ジェフ・コーリー) 発明家
クリス・マリー(ジャック・カーソン) "Dr Monaco" 元興行師、役員

シングルトン少佐(ドナルド・クリスプ)
マーガレット・ジェーン・シングルトン(パトリシア・ニール)

◆ 感想・補足

マーガレットとソニアのキャラクタの違いが鮮明で、両者ともよく描けている。これで本作のレヴェルがグッと上がっている。

ローレン・バコールは名前はよく知っているが、見たのは初めて。故意に避けていたわけではない。

パトリシア・ニールは「(1951)草原のウィンチェスター/RATON PASS」でも強烈な役を演じている。牧場主の息子を誘惑して結婚、裏切って他の男と組んで牧場を乗っ取り、激しい戦いの後に敗北すると「私はあなたの妻なのよ」と言い寄る。

ゲイリー・クーバーはパトリシアと浮気し、パトリシアは妊娠。しかしゲイリーの妻はカトリックで離婚を拒否した。パトリシアは中絶。その後、パトリシアは結婚して五人の子供を産んだ。
 


■ あらすじ

◆ ブラントが戻ってきた

ブラント・ロイルは故郷のノースカロライナ州、キングスモント(架空)に戻ってきた。叔父の遺産整理のためである。

昔ブラントの父親は当地でタバコ製造の会社を経営していた。しかし同じくタバコ製造をしているシングルトン少佐に負けて屋敷を差し押さえられた。

ついでながらブラントはシングルトンの娘マーガレットが好きだった。

一方、資産家の娘ソニア・コヴァックはプラントが好きだった。

◆ タバコの製造機械

ジョン・バートンという発明家がタバコの自動製造装置を考えた。紙巻タバコを自動的に製造する機会である。手作業をやれば、膨大な時間がかかる。そして品質も作業者によってバラバラになってしまう。これを機械でやれば、立派な品質のタバコが大量・安価に生産できる。

補足。もし例えば爪楊枝を手作業のナイフで作ったとしたらとてつもない時間がかかる。数百本の爪楊枝を100円ショップで売るようなことは不可能である。完全自動で爪楊枝を製造する機械が存在する。

しかしバートンには金がない。この話をシングルトンに持って行ったが、相手にされなかった。

次にブラントに話を持ってきた。ブラントも金がないのは同じだが、金持ちのソニアから出資をして貰うことにした。

ソニアは今では親からの財産だけではなく、自分の才覚で事業を大きくして、さらに財産を築いている。

◆ 会社は大きくなった

めでたく会社が始動した。ロイル・シガレット。

ソニアは出資したが自分の気持ちを抑えてブラントとは個人的な関係を持たなかった。

社長はブラントであるが、クリス・マリーという興行師を雇った。彼は副社長となった。

案の定、製造機械の威力はすごかった。安価なタバコを大量に生産する。ロイル・シガレットは急成長し、次第に他の会社は駆逐されていった。

◆ マーガレットとソニア

さてさてさて、今までブラントを無視していたマーガレットがブラントに誘いをかけてきた。

マーガレットのことである。何を考えているのか?何らかの作戦なのか?はたまた本当にブラントを好きになったのか?

ともあれ昔からブラントはマーガレットを好きなので二人は付き合い始めた。

一方ソニアはヨーロッパに移住した。二人の関係をどのように思ったかは不明である。

◆ シングルトンが自殺

さらに他のタバコ会社は倒産して、残るはシングルトンだけとなった。いやいやシングルトンも経営が行き詰りつつあった。

マーガレットは父親に「シングルトンの利益を守るために、ブラントと結婚する」と言い出した。

ここに至ってシングルトンはブラントに決闘を申し込んだ。結果シングルトンは負傷した。命に別条はなかったのだが、シングルトンは自殺した。

シングルトンの屋敷も抵当に入った。

◆ 業績の悪化

ブラントとマーガレットが結婚した。マーガレットにはそれなりのロイル・シガレットの株式が贈与された。

二人は新婚旅行に行った。しかし以後マーガレットはベッドを拒否した。

しかしその後ロイル・シガレットの財務は急激に悪化し、事業が行き詰った。

マーガレットは受け取った株式をすべて売却していた。

補足。単に株式を売却したのであれば、他の人が株主になるだけで、業績には影響ないはずだが、このようなストーリーになっている。

◆ マーガレットは復讐した

ブラントはマーガレットと対峙した。マーガレットは父親が死亡して以来、復讐のためにブラントを破滅させようと計画してきたと話した。

マーガレットは離婚を申し渡して立ち去った。

興奮したブラントは間違って屋敷に火を放った。駆け付けた消防隊を止めて「みんな、燃やせ!」と叫んだ。
 


■ 出演作

◆ パトリシア・ニール
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf
(1950)三人の秘密/THREE SECRETS
草原のウィンチェスター

ゲイリー・クーパー
モロッコ/Morocco(1930)
(1943)誰が為に鐘は鳴る/For Whom the Bell Tolls
真昼の決闘/High Noon(1952)
(1941)群衆/Meet John Doe
(1932)武器よさらば/戦場よさらば/A Farewell to Arms
西部の男/The Westerner(1940)
(1959)コルドラへの道/They Came to Cordura
(1954)悪の花園/Garden of Evil
(1935)永遠に愛せよ/PETER IBBETSON
(1935)オペラハット/Mr. Deeds Goes to Town
(1938)マルコ・ポーロの冒険/The Adventures Of Marco Polo
(1950)燃えつきた欲望/Bright Leaf