カレンダー / 2019年

今年もあと少しですね。

忘年会のお誘いやクリスマスのジングルなどが流れてくると、いよいよ平成最後の年の暮れも間近のように思います。

毎年カレンダーを用意するようになって何年経ったのでしょう。

日本橋にいるときには11月になると、銀座伊東屋のイベントフロアーに出向いて翌年のカレンダーを購入していました。

あれはまだ20代の中頃でした。

それから毎年年末の慣習になって、今年もそんな時期がやってきました。

悩みに悩んで、自宅のパソコンデスクの横に掛けるカレンダーはロベール・ドワノー（ Robert Doisneau）のものにしました。

サイズは30センチ×30センチ。めくって掛けるので、長さは倍の60センチになります。

1月はこんな画像。

全部お見せするのは大変ですから、つぎは10月。

なんとも凄い構図です。ドワノーでいちばん有名な写真は「パリ市庁舎前の接吻」ですが、パリの風景を切り取り続けたドワノーの写真は、いわば浮世絵と同じ視点だと私は思っています。

一年で12カットのドワノーの作品を鑑賞できます。

自宅でドワノーの世界を毎日見ることができる。こんな幸せがありますでしょうか。

で、仕事場用には少し小さいサイズのカレンダー。

19センチ×19センチほどのカレンダーですが、これも掛けると長さは倍になります。

MOMA（ニューヨーク近代美術館）に収蔵されているモダンアートを集めたカレンダーです。

1月はRousseau（アンリ・ルソー）です。幻想的なルソーの絵画は不思議な世界観です。

3月はMondorian（ピエト・モンドリアン）

「人生は単純な縦と横の区分線と僅かな彩色で表現できる」このような意味合いの言葉を残しているはずだと記憶していますが、モンドリアンは私が一番好きなモダンアートです。

7月はCharles Sheeler（チャールズ・シーラー）

都市に存在する工場や家並みを、まるでグラフィックアートのように描いた作家さん。

感情を加えずに淡々と描いているように見えて、実はそれらの構造物はとても饒舌な表現になっています。

これも私が崇める明治期の浮世絵師、川瀬巴水のような味わいと共通するものを感じます。

モネやルノアールの興した印象派を、発展的に昇華させたような絵画です。

10月はこのカレンダーのカヴァーにも用いられているVan Gogh（ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ）です。

この絵画はあまりにも有名な「星月夜」ですね。ゴッホがプロヴァンスにある修道院の精神病院に入院中に描いた絵画です。おどろおどろしいほどの夜空に広がる星々は、教会の尖塔をかすめてゴッホ自身の魂を抜き取りに地上へと降りてきているかのようです。

晩年のゴッホは自身の死について、彼自身の絵画の中に象徴的に描いている作品が少なくありません。精神に異常をきたした彼はキャンバスを通じて何を描きたかったのでしょう。

マチスもピカソもホッパーもちろんあります。

古美術商に勤めていた当時、MOMAには一度だけ行ったことがあります。

サザビーだったかクリスティーズだったか、ともかく大規模な中国陶磁器のオークションがあって、旦那のカバン持ちで出掛けたニューヨーク。

歴史のあるMOMAの収蔵品に圧倒されたことを覚えています。

さて平成31年があと少しでやって来ます。

慌ただしい年の暮れですが、皆様どうぞご無事で穏やかにお過ごしくださいね。

また明日ね('-^*)/

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