【夕顔358-3】古文単語「かる」
このブログでは、逐語訳を中心に、
単語力も身につけていきましょう♪
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
毎日の学習の箸休めに、
この記事でプラスαの知識を身につけてね♪
【今回の源氏物語】
夕暮の静かなるに、空の気色いとあはれに、御前の前栽枯れ枯れに、虫の音も鳴きかれて、
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今回出てきた古文単語
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■【夕暮(ゆうぐれ)】…夕方。夕暮れ時
■【の】…同格の格助詞
■【静かなる】…ナリ活用形容動詞「静かなり」連体形
■【に】…時を表す格助詞
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【気色(けしき)】…ようす
■【いと】…とても
■【あはれに】…ナリ活用形容動詞「あはれなり」連用形
※【あはれなり】…しみじみ情趣深い
■【御前(おまへ)】…貴人の前
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【前栽(せんざい)】…庭の植え込み
■【枯れ枯れに】…ナリ活用形容動詞「枯れ枯れなり」連用形
※【枯れ枯れなり】…枯れそうだ
■【虫の音(ね)】…虫の鳴き声
■【も】…添加の係助詞
■【鳴きかれ】…ラ行下二段動詞「鳴き嗄る」連用形
※【嗄(か)る】…声がかすれる。しわがれる
■【て】…単純接続の接続助詞
◇ 今回は「の」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「かる」 ☆
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夕暮の静かなるに、空の気色いとあはれに、御前の前栽枯れ枯れに、虫の音も鳴きかれて、
問)傍線部の意味として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.鳴くのに疲れ果てて
2.鳴かずにはいられなくて
3.鳴き過ぎて声がかすれて
4.鳴くのを少しやめて
5.鳴く声が聞こえてきて
古文単語はどうやって覚えてますか?
(;゚;∀;゚;)
学校や塾でテストがあっても
覚えたらすぐに忘れてしまいますよね~;
(`;ω;´)
私がおススメする覚え方は…
● 語義のイメージで覚える
● 漢字を思い浮かべる
● 語呂か何かでとにかく丸覚え!
この3つの方法を、単語によって変えて覚えていくことです。
(〃^∇^)o
日々の単語テストだけでなく
単語帳の「さくいん」から覚えていく、とか
このブログで出てきたものから覚えていく、とか
あなた独自の方法をプラスαして
「あ、この単語はイメージで覚えるやつだ」とか
「あ、この単語は漢字が思い浮かぶぞ」とか
「も~全く覚えられないから、丸暗記しちゃえ」とか
それぞれの単語によって、覚え方を変えてみてください!
o(^-^o)(o^-^)o
さて、今回の傍線部の古語を見てみましょう♪
夕暮の静かなるに、空の気色いとあはれに、御前の前栽枯れ枯れに、虫の音も鳴きかれて、
「かれ―て」という形なので
ラ行下二段活用の動詞ですね。
(☆∀☆)
下二段活用の動詞には次のようなものがあります。
【かる】
【自動詞:ラ行下二段活用】
⑴【枯る(かる)】
①草や木が死ぬ。枯れる
②虫、魚などが死んで干からびる
⑵【涸る(かる)】
…水がかわいてなくなる。かれる
⑶【嗄る(かる)】
…声がかすれる。しわがれる
⑷【離る(かる)】
①空間的に隔たり生ずる。離れる
②時間的、心理的に隔たりが生ずる。疎遠になる。間遠になる
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
「鳴き―かれて」という文脈のつながりから考えて
⑶の「嗄る」が最も適切のようですね!
(人´∀`)
1.鳴くのに疲れ果てて
2.鳴かずにはいられなくて
3.鳴き過ぎて声がかすれて
4.鳴くのを少しやめて
5.鳴く声が聞こえてきて
「鳴きかれて」が「鳴き嗄れて」だと分かれば
あとは単語力なのですが…
「きかれて」とか、変な所で切ってしまったら
どうしようもない…;;
そこで、傍線部の前後もチェックする癖をつけましょう!
夕暮の静かなるに、空の気色いとあはれに、御前の前栽枯れ枯れに、虫の音も鳴きかれて、
「虫の音も」とありますね。
「も」は、添加の係助詞です。
つまり、直前の内容のつけ足し。
※下手クソな絵でゴメンナサイ;
前栽(庭の植え込み)の木々も枯れ枯れな感じで、
虫の鳴き声も、「かれ」ている様子なんです。
こんなふうに、単語力だけでなく
文法の力、文脈を読み取る力を駆使して
古文をイメージしていく力☆
それが、古文目線なんです。
☆^(o≧▽゚)o
【答え】…3
夕暮の静かなるに、空の気色いとあはれに、御前の前栽枯れ枯れに、虫の音も鳴きかれて、
● 過去記事リンク
■いと
■かれがれ
■も
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