【夕顔182-3】古文単語「ことのさま」
単語・文法。古文常識……
これらは古文を読む必要条件ですが、十分条件ではありません。
イラスト訳を読んで、十分条件である古文目線を身につけましょう。
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の主なパターン】
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…高校生がほぼ使わない死語?
【今回の源氏物語】
顔はなほ隠したまへれど、女のいとつらしと思へれば、「げに、かばかりにて隔てあらむも、ことのさまに違ひたり」と思して、
――――――――――
今回出てきた古文単語
――――――――――
■【顔(かほ)】…光源氏の顔
■【は】…提示の係助詞
■【なほ】…やはり
■【隠し】…サ行四段動詞「隠す」連用形
■【たまへり】…~ていらっしゃる
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
※【れ】…存続の助動詞「り」已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【女】…ここでは、夕顔の君のこと
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【いと】…とても
■【つらし】…薄情だ
■【と】…引用の格助詞
■【思へ】…ハ行四段動詞「思ふ」已然形
■【れ】…存続の助動詞「り」已然形
■【ば】…順接確定条件の接続助詞
■【げに】…なるほど。たしかに
■【かばかり】…これほど
■【にて】…~であって
※【に】…断定の助動詞「なり」連用形
※【て】…単純接続の接続助詞
■【隔(へだ)て】…隠しだて
■【あら】…ラ変動詞「あり」未然形
■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形
■【も】…強意の係助詞
■【ことのさま】…実情
■【に】…対象の格助詞
■【違(たが)ひ】…ハ行四段動詞「違ふ」連用形
■【たり】…存続の助動詞「たり」終止形
■【と】…引用の格助詞
■【思し】…ハ行四段動詞「思す」連用形
※【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)
■【て】…単純接続の接続助詞
◇ 今回は「む」の識別にも注意しましょ♪
―――――――――――――――
☆ 本日の古文単語「ことのさま」 ☆
―――――――――――――――
顔はなほ隠したまへれど、女のいとつらしと思へれば、「げに、かばかりにて隔てあらむも、ことのさまに違ひたり」と思して、
問)傍線部の説明として最も適当なものを次の中から選べ。
1.女が光源氏の顔を見せない薄情さに辟易しているのを知って、光源氏は男女の実情とは合わず、意外なことだと思った。
2.光源氏は女にまだ顔を見せずにいるのだが、女がその状況を恨めしいと思っているということに気づき、方針を変えた。
3.深い仲になってお互いに気心を許しているはずなのに、顔を見せずにいるのは、男女のあるべき実態とはくい違っている。
4.光源氏は、女とこれほど深い仲になり隠し立てもなくなったはずなのに、特別な配慮をしないのはやはり変だと思っている。
5.光源氏は、女との廃院での過ごし方が、お互いに顔を隠して行うものなので、世間の常識とはかなり異なっていると思った。
【ことのさま(事の様)】
【名詞】
…物事のようす。状況。実情
*Weblio古語辞典より
古文の学習は、
1.単語
2.文法
3.古文目線
です。
しかし、これらは
古文を読むための必要条件ではありますが、
決して十分条件ではありません!
『源氏物語」のこういう部分を見ても、
「ことのさま」という曖昧な単語――。
そこそこ意味をつかんでいても、
問題が解けるか…と言ったら、
首をひねってしまいますよね;
受験生の限られた時間では、
古文の読解を完璧にしようと思っても無理な話です。
模試の古文解説でも、
主語の省略、( )の多さ…ハンパないっすよね;;
大事なのは、
だから「古文はムリ」なのではなく、
「古文はそこそこでいい」ということです。
「ことのさま(事の様)」という基本のニュアンスを押さえて、
あとは古文目線で慣れていきましょう!
(o^-')b
最小限の知識と参考書で、
最大限の効果を上げる!
それが、古文勝利の法則です!
(●‘∀‘●)ノ"
1.女が光源氏の顔を見せない薄情さに辟易している(△スギ)のを知って、光源氏は男女の実情とは合わず、意外なことだ(△)と思った。
2.光源氏は女にまだ顔を見せずにいるのだが、女がその状況を恨めしいと思っているということに気づき、方針(×)を変えた。
3.深い仲になってお互いに気心を許しているはずなのに、顔を見せずにいるのは、男女のあるべき実態とはくい違っている。
4.光源氏は、女とこれほど深い仲になり隠し立てもなくなったはずなのに、特別な配慮(×)をしないのはやはり変だ(×)と思っている。
5.光源氏は、女との廃院での過ごし方が(△ズレ)、お互いに顔を隠して行うものなので、世間の常識とはかなり異なっていると思った。
傍線部「ことのさまに違ひたり」の語義と合うのが
選択肢3と5ですが、
選択肢5は、
光源氏の顔を隠している状況が「ことのさまに違」っている
という文脈と、多少ズレてるのに気づきましたか?
ヽ(*'0'*)ツ
正解…3
顔はなほ隠したまへれど、女のいとつらしと思へれば、「げに、かばかりにて隔てあらむも、ことのさまに違ひたり」と思して、
● 過去記事リンク
■なほ
■たまへり
■いと
■つらし
■れ・られ
■げに
■か・かの
■ばかり
■も
ーーーーーーーーーーーー