【夕顔54-3】古文単語「さうざうし」
源氏物語イラスト訳の重要古語です
古文単語でよく出題されるのは、
1.古典特有語
…現代にない古語。
2.古今異義語
…現代と意味の異なる古語。
3.死語的現代ワード
…受験生世代はほぼほぼ使わない語。
…ですが、今回の古語は、
現代と意味の異なる重要古語☆
はい、ではいってみましょぉ~♪
٩(๑•̀∇•́๑)و
【今回の源氏物語】
おぼえこそ重かるべき御身のほどなれど、御よはひのほど、人のなびきめできこえたるさまなど思ふには、好きたまはざらむも、情けなくさうざうしかるべしかし、
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今回出てきた古文単語
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■【おぼえ】…世間の評判
■【こそ】…強意の係助詞
■【重かる】…ク活用形容詞「重し」の連体形
■【べき】…当然の助動詞「べし」の連体形
■【御身】…光源氏の身の上
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【ほど】…程度
■【なれ】…断定の助動詞「なり」の已然形
■【ど】…逆接の接続助詞
■【御(おん)―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)
■【よはひ】…年齢
■【の】…連体修飾格の格助詞
■【ほど】…程度
■【人】…ここでは、女たちの意
■【の】…主格の格助詞
■【なびく】…なびく。心から従う
■【めづ】…思い慕う
■【聞こゆ】…謙譲の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【たる】…存続の助動詞「たり」の連体形
■【さま】…ようす
■【など】…例示の副助詞
■【に】…順接(単純接続)の接続助詞
■【は】…強意の係助詞
■【好き(好く)】…異性に熱中する。色好みである
■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」の未然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【ざら】…打消の助動詞「ず」の未然形
■【む】…婉曲の助動詞「む」の連体形
■【も】…強意の係助詞
■【情けなく】…ク活用形容詞「情けなし」の連用形
※【情けなし】…風情がない
■【さうざうしかる】…シク活用形容詞「さうざうし」の連体形
※【さうざうし】…物足りない
■【べし】…推量の助動詞「べし」の終止形
■【かし】…念押しの終助詞
◇ 単語の意味と文法的説明です。
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今回の古文単語 「さうざうし」 ☆
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あれ……?
今まで出て来てなかったっけ…?
って感じですが
やっと登場しました、重要古語「さうざうし」でございます!
(σ・∀・)σ
【さうざうし】
【形容詞:シク活用】
…物足りない。心寂しい。はりあいがない
*学研全訳古語辞典(Weblio古語辞典)より
漢字ではほとんど出てきませんが、
漢語の「寂寂」または「索索」が形容詞化したもの、
と、『全訳古語例解辞典(小学館)』には出ています。
こうして、漢字をイメージすると、間違えないはずなのですが、
現在の「騒騒しい」と混同してしまう受験生が多いので、
センター試験でも、ヒッカケありのマーク問題としてよく出て来ます。
((((((ノ゚⊿゚)ノ
おぼえこそ重かるべき御身のほどなれど、御よはひのほど、人のなびきめできこえたるさまなど思ふには、好きたまはざらむも、情けなくさうざうしかるべしかし、
問)傍線部の意味として最も適当なものを選べ。
1.悲しくうっとうしいだろうよ。
2.風情がなく物足りないだろうよ。
3.未練がなく大騒ぎしているだろうよ。
4.容赦なくうるさいだろうよ。
5.色好みでなく気分が晴れないだろうよ。
正解……2
おぼえこそ重かるべき御身のほどなれど、御よはひのほど、人のなびきめできこえたるさまなど思ふには、好きたまはざらむも、情けなくさうざうしかるべしかし、
● 過去記事リンク
■おぼえ
■なびかす
■も
■情けなし
■かし
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