一方、民のために戦っている王を理解すべきなのに、寂しさを打ち消すことはできないとレイアに打ち明けるグィネビア。
騎士になるためやって来たランスロットが、誰なのか知らずにグィネビアに出会う。王に紹介してくれるように頼み、一生グィネビアの騎士になると申し出る。(愛の告白と同じ意味?) たしなめるものの、心の揺れを抑えられないグィネビア。
良い王になろうと民の声に耳を傾けるアーサー。自分の息子に殺される運命に苦しんでいたが、起きてもいないことを思い悩むより、今は民の幸福だけを考えようと決心する。
2幕。
メレアガンの復讐を手伝うと約束するモルガン。
サクソン人は打ち負かされる。アーサーは戦いの勝利をモーリンに感謝する。それが運命だと言うモーリン。父のユーサー王も運命に逆らえなかったから自分が産まれたのだろうか、運命とは本当に人間には逆らうことのできないものなのかと問うアーサー。運命を克服したいと語る。
結婚式を控えたグィネビアの警備に当たるランスロット。未来の王妃に対する自分の恋心を押し殺そうとする。
結婚式が執り行われる。寂しげに見守るモルガン。はめた2人は永遠に結ばれるという魔法の指輪をグィネビアに渡す。
アーサーは真の平和をもたらすという聖杯を探す任務をランスロットに与える。
グィネビアが2人を愛することは可能かとレイアに聞いているところに、聖杯を探す旅に出るランスロットがやってきて挨拶する。指輪を与えてしまう。
復讐を助けると約束したのに何も手伝ってくれないとモルガンを責めるメレアガン。レイアの案内でグィネビアをさらい、助けに来たアーサーをその手で殺せば王国と王妃が手に入るとそそのかす。復讐ソングで盛り上がる二人。
しかしモルガンの真の計画は別にあった。ランスロットがメレアガンを討てば、二人の愛は嫌が上にも燃え上がるはず。自分と同じようにアーサーも愛を奪われることになる。それこそが自分の復讐。
誘拐を実行に移すメレアガン。自ら救いに向かおうとするアーサーを止めるモルガン。今夜誰かがメレアガンの手にかかって死ぬと運命が告げている。それが陛下であってはならない。ランスロットならメレアガンに打ち勝てるし、もし死んだとしても返って好都合。グィネビアとランスロットが深く愛し合っているのは事実だから。信じないアーサー。ランスロットがはめている指輪が証拠だ。それでも信じられないならランスロットを送って遠くから様子を見てはどうかと囁くモルガン。
魔女モルガンの囁きを信じたくないが揺れ動いてしまうアーサー。苦痛にさいなまれる。
聖杯を探しているランスロットが誘拐を知り自発的に向かう。
グィネビアにランスロットは王を裏切った恥知らずな騎士だ、自分の方がよっぽど純粋だと言うメレアガン。自分を愛せと迫る。
助けに来るランスロット。お互いのために死んでも構わないと言い合うグィネビアとランスロット。その様子をアーサーが見てしまう。死にゆくランスロットを抱きしめながら嘆くグィネビア。メレアガンを討ち、その場の出来事を口外しないよう皆に申し渡すアーサー。
モルガンとアーサーの対話。
自分を愛してくれた母親と家庭を奪われた復讐に囚われているモルガン。しかしアーサーはお腹のモードレッドに子守唄を歌い始める。驚愕するモルガン。お前の母がお前を愛したようにこの子を愛し、お前が母を愛したようにこの子もお前を愛せるようにしてやれ、お前の物語をハッピーエンドにしろ、と諭すアーサー。混乱して走り去るモルガン。
引きすえられるグィネビアの処分を迫る騎士たち。自分は罰を受けて当然だとグィネビア。自分の命よりも愛した人、彼女の罪ではなく運命だっただけとアーサー。
真の王らしく皆に語りかけるアーサー。
天から下される運命。運命を前にして選択するのは人間の権利だ。その選択の結果を誰がどうこう言えるのか。
我々は人間であり、人間には深い心、愛がある。愛は光のように目に見えず、水のように澄んでおり、水晶のように美しく、私の孤独よりも…純粋だ。私はグィネビアを私から、この国から自由にする選択をする。
これからは民の平和と愛を守る選択だけをするつもりだ。私の騎士たちよ、私の民たちよ。あの日の円卓の誓いを忘れるなかれ。私と最後まで共に進もう!