アーサー: ブリテン島からローマ軍を追い出した偉大なユーサー王と家臣の妻との間に産まれた息子。羊飼いとして暮らしていた。
モルガン: アーサーの異父姉。幼い頃幸せだった自分の家族を破滅させたユーサー王を憎み、復讐の矛先を息子のアーサーに向ける。魔法を使う。
メレアガン: 王座を目指し準備を重ねてきた最強の騎士。王座も婚約者もアーサーに奪われ、怒りに燃えて取り戻そうとする。
ランスロット: 誠実で武芸に秀でた騎士。アーサーに忠誠を誓いブリテン王国の騎士となる。
ギネビア: メレアガンに侵略された領主の娘。メレアガンの婚約者。助けに行ったアーサーと一目で恋に落ち結婚する。
モーリン:人間ではない魔法使い。助言者として見守る。
ガーウェイン:第1の臣下。
レイア:モルガンの手下。ギネビアの侍女になる。
【1幕】
戦いを勝ち抜いたメレアガンが伝説の剣エクスカリバーを抜こうとするが、剣はビクともしない。アーサーが試すと抜ける。
自分のものと思っていた王座を奪われたメレアガンは 再起と復讐を誓う。
切実に求めているのに得られないメレアガン。望んでいないが得た者、アーサー。それぞれの運命にどんな選択をすることになるのか、見守るモーリン。
アーサーはガウェインに剣の訓練を受けるが思うようにいかない。慣れ親しんだ小さな丘とは違う世界に来たアーサーに王座の責任が重くのしかかる。
(私は誰なのか:フランス版のメロディだけを採用)
ギネビアの父である領主が婚約の約束を破ったとしてメレアガンが襲撃する。危険なので家臣だけで向かうと言うガウェイン。ホッとして部屋に戻ろうとするアーサーを止めたモーリンは、まだ剣の稽古も終わっていないし、騎士にもなっていないからと尻込みするアーサーに、時には無謀な勇気が役立つこともあると諭す。背を押されたアーサーは怯えながらも王として行くべきだと思い直す。
エクスカリバーが無ければ誰も守れないだろうと嘲笑うメレアガンに、どんな危険にも自分の羊を失ったことはない。エクスカリバーが無かった時でさえも、と答えるアーサー。生来の勇気を発揮してメレアガンを制圧する。
メレアガンは最強の騎士としてアーサーを騎士に任命するが、王座もギネビアも諦めないと宣言する。
ギネビアはメレアガンとの戦いで負傷したアーサーの手当をする。自分の預かり知らぬ所で決まっていた結婚。自由になりたいと歌う。恋に落ちる2人。
国民のため即刻城に戻るよう促すモーリンだったが、たった1人の国民も疎かにしない王であって欲しいというギネビアの言葉に大喜びで滞在を伸ばすアーサー。
アーサー、ギネビアとは対照的に暗い炎を燃え上がらせるメレアガン。
別れた時の約束通り、海路アーサーの元へやってくるギネビア。
歓迎の式典が開かれる。一人の語り部が城を訪れる。
「ある幸福な家族がいた。忠実な家臣と美しい妻、そして愛を一身に受ける一人娘。しかし非道な王が家臣を戦いに送り、妻を騙して自分のものにしてしまった。家臣は戦士し、妻は男の子を産んで間もなく息を引き取った。すべてを見ていた娘は幸福も未来も失った。
非道なその王はウーサー。そして産まれた男の子こそがアーサー!」
語り部は物語の中の一人娘、モルガンだった。信じられないアーサーだが、すべて事実だと言うモーリン。ウーサー王がモーリンに黙って変身マントを持ち出したのだという。
モルガン登場(仏版)
魔法でギネビアに姿を変えたモルガンはアーサーを誘惑して妊娠し、自分の息子に王座から追い落とされ殺されるだろうと予言する。苦しむアーサー。
森の中で言葉を交わすモルガンとモーリン。モルガンが恋に落ちる魔法をかけた場所でギネビアとランスロットが出会う。
良い王になるためにはどうしたらいいのかと尋ねるアーサーに、モーリンは霧に包まれてしまったら自分が動きを起こす事だと答える。民の声に耳を傾けるアーサー。
再び立ち上がろう(MV)
【2幕】
子守唄を歌うモルガン。しかしそれは眠っているアーサーに悪夢を吹き込むためのものだった。アーサーのベッドに黒い影が群がる。
1人散歩するギネビアと、そんな彼女から離れて見守るランスロット。寒そうなギネビアに自分のマントを羽織らせる。ランスロットに気づいたギネビアは、戦いの合間にも休まず警護してくれる事に礼を言う。
戦いと警護は両方とも自分の任務だと言うランスロットに、心が動いてこそこれほど熱心にできるのではないか?と問う。
質問には答えず、婚礼の祝いを口にするランスロット。
うつむき礼を言いながらマントを返すギネビア。
戻って行くギネビアを見送るランスロット。
結婚式が執り行われる。寂しげに見守るモルガン。指輪をはめた2人の魂は永遠に離れないという魔法の指輪をランスロットに与える。
サクソン族を撃ち破ったアーサーだが、モーリンは聖杯を探すまで真の平和は訪れないと言う。しかしアーサーは既に立派な王の資格を得たので、自分の役割は終わったと去って行く。
王としての決意を固めるアーサーは円卓の騎士たちを呼び集め、ランスロットに聖杯を探すよう命じる。
そんなアーサーの姿とは裏腹に王座への執着を持ち続けるメレアガン。モルガンは彼に復讐を手伝うと約束する。
聖杯を探す旅に出るランスロットがギネビアに挨拶しに来る。自分は最も幸福な騎士だと言うランスロット。寂しげに挨拶を返し去ろうとするギネビアに思わず声をかけてしまうランスロット。
最初の出会いで預かった短剣を返しながら、相手が油断している時にとどめを指すこと、そしてその一瞬に迷ってはいけないと助言する。
それなら、チャンスは今しかないと呟き、ランスロットの喉元を剣で狙うギネビア。しかし背を向け、気をつけて行くよう別れを告げる。
モルガンがメレアガンにギネビアの誘拐を提案する。助けに来たアーサーを殺せば王座と王妃が手に入るとそそのかす。復讐ソングで盛り上がる二人。
レイラから偽の手紙を受け取り、ランスロットに会いに行ったギネビアはメレアガンに拉致される。モルガンは事件をアーサーに知らせるが、アーサーはモルガンの計略だと見破る。モルガンはランスロットが先に救いに行くだろうから心配するなと言う。王の命令より、騎士の名誉よりギネビアが大切だから。信じたくないアーサー。自分の目で確かめろと囁くモルガン。
聖杯を探しているランスロットに正体を隠して接触するモルガン。自分自身の聖杯は何かと問われたランスロットは騎士としての忠誠に立ち戻ろうとするが、ギネビアの誘拐を知ると、思わず救出に向かう。
魔女モルガンの囁きに苦しむアーサー。乗り越える力を求めて神に祈る。
救えるのは自分だけ、私を愛せと捕らえたギネビアに迫るメレアガン。
ランスロットが助けに来るが傷を負ってしまう。アーサーも到着し、ギネビアを連れて逃げるようランスロットに命令する。
メレアガンを打ち負かすアーサーだったが、命は奪わず追放処分にし、自由を取り戻したら帰ってこい、その自由はあるがままの自分を受け入れた時に手に入れることができるだろうと告げる。いっそ殺せと叫ぶメレアガン。
胸に溢れる怒りと悲しみ、この不幸を終わらせてやると自らに語りかけ、「自由だ!」と叫び自害する。
城に戻ったアーサー。ガウェインにランスロットの容体を尋ねるが、危険な状態でギネビアが看病していると聞き、ますます深い考えに沈む。
ランスロットはこんなに幸せだったことはないと言いながら、自分のいない所に残り自分を覚えていてくれと言い残し息を引き取る。愛していると泣きながらランスロットを抱きしめるギネビア。ランスロットの指に魔法の指輪をはめる。
暗い表情のアーサーに近づくモルガン。自分を愛し、子守唄を歌ってくれた母親を奪われた恨みをぶつける。
しかしアーサーはモルガンの前にひざまずき、お腹の子に子守唄を歌い始める。驚愕し、混乱するモルガン。
アーサーはモルガンに語り掛ける。私はどんなに求めても母親の愛を知らないが、お前は知っている。母がお前を愛したようにこの子を愛し、この子に愛されて生きろ。モルガンは自分を抱きしめるアーサーの背に手を回しそうになるが、アーサーを突き放すと毅然として去って行く。
(リュニモルガン)無意識に自分を抱きしめるアーサーの背に手を回すが、はっと気づき慌ててアーサーから離れる。混乱した様子でアーサーを振り返りながら去って行く。
モーリン、私の声が聞こえるか、自分は正しい選択をしたのか?!苦悩の声を絞り出すアーサー。
ギネビアの処分を迫る騎士たち。アーサーは私をこれ以上侮辱するなと家臣を止める。
アーサーは真の王らしく皆に語りかける。
アーサーの演説 new!
-幕ー