九州のローカル線を旅して、この車両のお世話になった方は多いかと思います。
キハ31、国鉄末期にJR九州のために製造された車両で、0系新幹線のシートなど廃車部品を多用した車両です。
日南線でも使われていた時代があったんですね。
撮影した15番は、昨年解体されました。晩年は筑豊地区で運行していたようです。
さて、この列車で降り立ったのは、終点の青島駅でした。
現在でも、1日1.5往復宮崎方面との区間列車が運行しています。
そして、昔は、ハネムーンといえば宮崎・青島というほど人気があった観光地です。
そのためか、構内は2面3線とゆとりがあります。
乗って来た列車は折り返し宮崎行となり、現在でも、列車が止まっているホームは折り返し専用ホームになっています。
改札です。
国鉄当時のままのような風景です。
ちらっと見える出札窓口は、訪問した当時から閉鎖されており、無人駅となっていました。現在ももちろん無人駅です。
駅前です。
広い駅前広場と南国の樹木が観光地として人気だった頃をしのばせます。
しかし、なぜ、この青島がある宮崎県が昭和のハネムーンの聖地となったのでしょう。
ピークが沖縄の復帰前だったことは察しがつきます。
なら、鹿児島県も南国という条件は同じで、かつ桜島や指宿温泉という観光地も多かったと思うのですが、鹿児島県はハネムーンの聖地とはなりませんでした。
ひとつは気候の違い。
鹿児島市内に暮らしていたときに気がついたのですが、鹿児島県って意外と雪がふります。
東シナ海をわたる季節風にさらされているからでしょう。福岡より積もることも良くあります。
これに対して、宮崎県は太平洋側、冬も晴れてる日が多くて、夏だけでなく冬も南国リゾートとして適しています。
ただ、これは地元だから分かることで、よそに住んでいれば気がつかないことですから、それだけが理由てはなさそうです。
もうひとつ考えられるのは、宮崎交通の存在、宮崎交通のバスのロゴや円形トリコロールカラーなバス停に、地元愛をくすぐられる方は多いのではないかと思います。
その地元に密着した宮崎交通が日南線の前身にあたる鉄道を青島へのアクセス路線として保有し、観光施設を建設していったことからすると、地元の発展のためにハネムーンの地としてアピールして売り込んだとは考えられないでしょうか。
そんなことを考えながら、観光客の姿も駅員さんもいない、青島駅を見ていると時代の流れを感じてしまいます。
では駅舎の紹介に戻ります。
きっと、いまでも観光客を迎えるためなのでしょう。
宮崎の駅ぐるり