『新しい考え』

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくです。

さて！隠居は今日も通常運転。なんの変哲もない日常生活が好きすぎる私にドンピシャはまるエッセイの読書記録からはじめます。

大好きな吉本ばななさんのエッセイシリーズ第６弾。

あいかわらず日々のよしなしごとを徒然草みたいに書き連ねているだけ…と思って読み飛ばしていると、生きていく上で大事なエッセンスがこっそり入っていて、かといって血眼になって探すんじゃなくて、何気なく読めるテンションだから大事なことが何気なく入ってくる、この温度感がとてもよいのです。

じゃあ、その大事なことっていうのが何かっていうと、「無欲こそが最強の武器」ってことですね。じゃあ無欲でいたら、大金持ちになれるのかっていえば、人生は、そういうことじゃないのだよ、ってところもしっかり押さえてある。カネで説明がつくような狭い枠の中に、人が生きるということは本来、ぜ～んぜん収まらないものだから。

それでいて、そのカネという枠のなかで生きるも生きないも、選ぶのは自分の自由なのですよね。

どんなに周りにわかってもらえなくても、やっぱり自分はそれをおかしいと感じることがある。必死に信じるのでもなく、声高に主張するのでもなく、ただ静かに、朴訥に、貫くこと。すると、いつか、みんながわかるときがくる、という話、とてもよかった。で、

「そのときにはその場にもういないのが粋だなと思っています。鬼の首を取ったような自分の顔はきっと醜いと思うから。」

か、かっこいい…！ていうか、これをかっこいいと思える自分がうれしい！！

新しい考え　どくだみちゃんとふしばな6 (幻冬舎文庫)

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