『忘れたふり』

吉本ばななさんのエッセイ。このシリーズ、好きなんですよね～。デザインに統一感があって、並べて置いてみるとかわいくってカラフルで、視界に入るたびに心がちょっと明るくなる。

エッセイと言いつつ、なんというか、作品としてきれいに仕上げをかけるよりもずっと前の、この世界から掘り出したばかりの原石のような体験や気づきがゴロゴロしていて、なるほど、ここから吉本さんはあのような小説を立ち上げてゆくのだな、とふむふむ読む。

内容は、昔から変わらないというか、ちょっとした違和感や、ちょっとした感動、あと平凡であることの素晴らしさとか。たとえば、『「すごく悲しい」「淋しい」を「意地悪をする」「わざと人を傷つける」でしか表現できない人種というのが、確実な割合でこの世にいる』とか。しかし！吉本さんの若い頃の、下町の口の悪さ（あれも好きだったけど、笑）がマイルドになってきて、逆に共感力？みたいなものがそれを包み込むようになってきた。

このまま、吉本さんが70歳ぐらいになったとき、何かものすごいものを書くだろう、という予感がする。だからどうか健康で、長く生き、書いていってほしい。

忘れたふり　どくだみちゃんとふしばな２ (幻冬舎文庫)

 

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●吉本ばななさんの本（隠居の本棚より）

～日記～

・『さようなら、ラブ子』

・『引っこしはつらいよ』

・『大人の水ぼうそう』

・『赤ちゃんのいる日々』

・『だれもの人生の中でとても大切な一年』

・『人生のこつあれこれ2013』

・『人生のこつあれこれ2012』

・『もりだくさんすぎ』

・『なにもかもニ倍』

・『ミルクちゃんのような日々、そして妊娠!?』

～対談～

・『なるほどの対話』

・『ジョンとばななの幸せって何ですか』

・『ミラクルヒーリング２ 宇宙的しがらみの外し方』

・『自分を愛すると夢は叶う』

～小説～

・『もしもし下北沢』

・『ひとかげ』

・『どんぐり姉妹』

・『アルゼンチンババア』

・『ミトンとふびん』

～エッセイ～

・『おとなになるってどんなこと？』

・『おとなになるってどんなこと？②』

・『パイナツプリン』

・『「違うこと」をしないこと』

・『切なくそして幸せな、タピオカの夢』

・『すべての始まり』 

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創刊日 ：2021/4/9
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