以前ときどき行っていたあるお店で、私は誰でもないように買物をしていました。でもあるとき、「いつもありがとうございます」といわれて、行けなくなってしまったことがあった。自分でも、そこを恥ずかしいと思うのか~、と意外だったのですが。
店主に会いたくて行くお店もあるけど、目立たないようにしているんだからスルーしてくれーって思うお店もある(←ちなみにアダルト系のお店ではありません)。わがままだなーと自分でも思う。
この小説を読んでいて、お店の人にも、客をきちんと見ている人もたくさんいるんだなあと思ってうれしかった。
吉本ばななさんの小説には、人生の隙間みたいな、名前もないような時期をだらだら生きているような人物がたくさん出てくるけれど、それは表面的にはそう見えるだけで、みんな一瞬一瞬を自分をごまかさずにきちんと生きようというキッパリした姿勢に貫かれている。私の居住まいも正される感じがして、好い。
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●よしもとばななさんの本(隠居の本棚より)
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