「人狼ゲームラヴァーズ」　★★★～バトロワの功績は大きい

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

バトロワの功績は大きい ★★★

（2017年／日本／108分）

【　脚本・監督　】

綾部真弥

【　出演　】古畑星夏佐生雪平田雄也溝口恵前田航基森高愛池田純矢

【あらすじ】

　10人の男女高校生が目覚めると、そこはとある建物の一室。そこにあるテレビ画面に流れたのは“人狼ゲーム”を開始する合図。ルールに従って、互いを殺し合う殺戮ゲームの開始だった。

　“人狼”と“恋人”となった高野蘭子は、互いに疑心暗鬼になるなかで生き残りをかけてゲームに挑む―

【コメント】

　最近レンタルでちょっとハマってるのが本作の「人狼ゲーム」シリーズ。本作で４作目となります。

　ぶっちゃけて言ってしまうと、本シリーズは全然お金のかかっていないB級もB級な日本映画で、いわゆる若者たちが閉塞的な空間で理不尽な殺し合いゲームを強いられるという、過去に一世を風靡した『バトル・ロワイアル』の亜流的な作品といっていいでしょう。

　そんな超絶B級映画でも、気楽に観られる映画として思わず手に取ってしまう。まあ、こんなのも観ますよ、ということで、ちょっと観てみた次第です。

　まあ、こんなもんでしょうね。舞台も流れもほとんど変わってない、お金も全然かかってない、相変わらずのB級スリラーものです。嫌いじゃないですけどね。

　4作通して観ると、シチュエーションに大きな違いはないものの、“恋人”役とか“キューピッド”役とか、本来のゲーム設定にプラスした役柄を置いて複雑化させていたり、1作目では謎だったゲームの運営側の存在なんかがチラチラと見え隠れしたりと、なんとか前作と違ったことをしたい、差別化したいという製作側の工夫が見えて好感が持てますね。ただ若者がワーキャーと殺し合いするだけではなく、ドラマチックな場面も盛り込んでいるので、ちゃんと映画を意識した作り方をしているのも良い。マンネリ打破に工夫を凝らしていますね。

　いやでも、こういったシチュエーションスリラーものを観て思うことは、改めて2000年公開『バトル・ロワイアル』の功績は大きいな～ということですね。何でもない日常を過ごす未来ある若者たちが、突如として殺し合いのゲームに参加することになってしまうという不条理な展開。バトロワの影響で、映画、OV含めてどれほどの亜流作品が生まれたことか。それが17年経った今でもひとつのジャンルとして脈々と受け継がれているという実績は凄いことだと思います。それこそハリウッドでも『ハンガー・ゲーム』やら『メイズ・ランナー』やら登場しましたからね。

　シチュエーションスリラーものはどんなに出来が悪くてもなぜか興味をそそってしまうジャンルですね。