「東京喰種トーキョーグール」　★★★～良くも悪くも原作どおり

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

良くも悪くも原作どおり ★★★

【　原作　】石田スイ

東京喰種トーキョーグールコミック全14巻完結セット (ヤングジャンプコミックス)

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【　出演　】窪田正孝清水富美加鈴木伸之桜田ひより蒼井優大泉洋村井國夫小笠原海白石隼也相田翔子栁俊太郎坂東巳之助佐々木希浜野謙太ダンカン岩松了

【あらすじ】

　人の姿をしながら人間を喰らって生きる人種“喰種（グール）”。

　東京で暮らすごく普通の大学生カネキは、ある日喰種のリゼに襲われ、なんとか命が助かるもリゼの臓器を移植されたことで半喰種となってしまう。

　自分が喰種化したことで苦悩するカネキは、同じ喰種の女子高生トーカに助けられ、喰種が静かに暮らす喫茶店“あんていく”で働き始める。

　そんな中、喰種を駆逐しようとする人間側の組織“CCG”の捜査官・亜門と真戸が近づき、喰種と人間の戦い始まる―

【コメント】

　さて、ここんとこ漫画の実写化が著しい邦画界なわけですが、ここでまたひとつ実写化されたのが本作。

　本作は僕も以前にDVDでアニメを拝見してまして、正直それほどハマることなく見終えたアニメでしたが、まあ話題にもなっているし、昨今の実写化のクオリティから考えても観とくべきだろうと、さっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

良くも悪くも原作どおり

　ふむ、なるほど。アニメしか観てないですが、これはほぼ原作どおりといって間違いないでしょう。再現度も申し分なし、ムダに改変せずほぼ忠実に実写化してますな。まあ悪くなかったと思います。もっとも、僕が好きな「カネキく～ん！」の月山習のエピソードをバッサリカットしたのは残念なところ。あの喰種レストランのエピソード好きだったのに。

　漫画の実写化というのは、とかくファンからは毛嫌いされがちなので、そういった批判非難を避けるかの如くできる限りの再現をしていますね。キャラしかりストーリーしかり、製作側のオリジナルといった非難の種の元となるような要素は皆無といっていいでしょう。ただ、それが良いのか悪いのかは難しいところで、実写だからこそできることとか、もっと主人公カネキが喰種として生きることの苦悩を描いても良いと思うんです。それこそ、人種差別という奥深いテーマを軸にしたエンターテイメントに仕立てても成り立ったと思うんですよね。

　そこそこ楽しめる者の、改変によるファンからの非難を恐れたがために、無難な出来になってしまったのはちょっともったいないですね。

窪田正孝オーバー演技の熱演

　とはいえ、本作のキャスティングも今を輝く若手俳優が出ているし、主人公カネキ役である窪田正孝のオーバー過ぎる演技にも熱がこもっていましたね。彼の熱演ぶりは見ものです。

　しょっぱなで早々に退場するリゼ役の蒼井優もさすがの貫禄だし、一言くらいしかセリフがなく主だった役割もない完全な脇役に佐々木希を配置するという贅沢ぶり。CCG捜査官の亜門役であるEXILE鈴木伸之も体を張った良い役割でしたね。

　清水富美加は・・・これで見納めなんでしょうかね～。気の強いトーカ役はハマってたと思うんだけど、続編があった場合の当番はほぼ不可能なんでしょうね～可愛いのにもったいない。

主題歌は良し！illion「BANKA」

　そんなわけで、そこそこの完成度の本作は及第点といったところですが、主題歌であるillionの「BANKA」は映画の雰囲気を壊すことない幻想的なバラードで、かなり良い出来だと思います。