※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」
偉大なる中国の超絶バカ映画!
★★
(C)Universal Pictures
(2017年/アメリカ/103分/The Great Wall)
【 監督 】
チャン・イーモウ
【 出演 】
マット・デイモン
ジン・ティエン
ペドロ・パスカル
ウィレム・デフォー
アンディ・ラウ
全てのスタッフ・
【あらすじ】
12世紀の中国、宋の時代。
金と名声を求めてシルクロードを旅する傭兵ウィリアムら一行は、途中馬賊と謎の獣の襲撃を受け、万里の長城にたどり着く。
長城防衛の命を受ける禁軍は、ウィリアムらの処分を決める会議が開かれるが、ウィリアムが持っていた獣の手に興味を示し、彼らの処刑を思いとどまる。その獣とは、二千年前から60年に一度現れ中国を襲ってきた伝説の怪物、“饕餮(とうてつ)”であり、万里の長城が築かれた最大の要因であった。
そんな中、何万もの饕餮の大群が襲来、女性司令官リン隊長を筆頭とした舞台はそれらに立ち向かう。その戦いを前に、ウィリアムはその気高い精神に心動かされ、中国を守るために戦うことを決意する―
【コメント】
さて、昨今のハリウッドへの中国資本の進出が目覚ましい中、ついに“THE中国プロパガンダ”とおぼしき映画が登場、それが本作であります。
昨今のハリウッド映画のオープニングには、軒並み中国系のプロダクションが名を連ねており、出演者も中華系のアクターたちが登場しているので、さすがに少々ウンザリな感じなんですが、本作の監督が名監督のチャン・イーモウということで少しは期待できるかなと、「新宿バルト9」まで足を運んだ次第です。
(C)Universal Pictures
偉大なる中国の超絶バカ映画!
スゲー…スゲーよこれ。観ててあまりのバカバカしさに笑いが込み上げてくる。しかも当の本作は、“偉大なる中国”を誇示せんとばかりにクソ真面目に作ってるもんだから、それがなおさら可笑しくてたまらない。観客を笑わす要素なんて全くない映画なのに笑いが込み上げてくる、はっきり言って真面目に作った超絶バカ映画でしたね!
まず最初のほうで見事に裏切られたこと、それは本作が宋時代にあった国取りの攻防戦を描いた史劇ではなく、訳が分からん怪獣の大群と人間が戦うSFモンスターアクションだったということ。ビックリしたね、これは。「えーーー怪獣映画だったのこれ!?」と思わず叫びたくなるズッコケぶり。予告でもそれらしい姿はなかったよなーと。そこに万里の長城で怪獣どもと戦う禁軍がいるわけですが、そこの長たちが「ゴレンジャーかよ!」ツッコミたくなるカラフルな鎧を着ており、その部下たちもこれまた色鮮やかな鎧。
モンスターとの戦い方もこれまた斬新で、火の玉を放り投げたり青軍がバンジージャンプしながら槍でつついたり、挙句の果ては壁の隙間から巨大なハサミが現れてモンスターどもを切り刻むという、バカバカしすぎて爆笑必至の武器が満載。これを作り手・演じ手が大真面目にやってるもんだからたまらない。
事実、ネットではあまりのバカ映画にドハマりした人たちが続出しているようで、パンフレットも完売御礼の状況。本作をベストととらえるかワーストととらえるかは観客の裁量次第でありますが、少なくとも2017年最大の超絶バカ映画の称号を得られることは間違いないでしょう。
アジアンビューティー、ジン・ティエン
本作で主役を張ったマット・デイモンは、一体本作のどこに魅力を感じて出演を了承したのか定かではありませんが、ハリウッドに押し寄せる中国資本の波に揉まれたんでしょう、きっと。
そんなわけで、中国が舞台の本作なので、チャイニーズアクターが大量に出演しております。香港映画時代の昔から知っているアンディ・ラウは相変わらず年を感じさせない凛としたイケメンですが、個人的には、最近よく見かける女優ジン・ティエンがお気に入りですね。まさにアジアン・ビューティーの名をほしいままにするかのような美しさ。先に観た『
キングコング 髑髏島の巨神』にも出ていましたが、本作ではその十倍も二十倍も美しく輝いていましたね。これからの活躍が楽しみな女優さんです。
これからも続くのか、ハリウッドの中国資本
先に書いたとおり、近年のハリウッドは中国資本による映画が大量に公開されています。少なくとも昨年、今年観たハリウッド映画のほとんどに中国系のプロダクションが名を連ねており、それとバーターなのかチャイニーズ系の俳優も出演していたり、筋書にも中国が大いに絡んでいたりしています。
これについては、アメリカの議員も警鐘を鳴らしているようで、このまま中国市場がハリウッドに飲み込まれてしまうのではないか、という懸念が本土でもあるようです。
正直、僕も映画のオープニングで中国のプロダクションのロゴが出てくるたびに「あーこれもか・・・」という脱力感がありますね。世界のハリウッドとまで言わしめたハリウッド映画はいったいどこに行ってしまうのか。これからも中国マネーに頼って、どんどん中国のプロパガンダに利用されてしまうのか。ハリウッドの先行きが不安でなりませんね。
(C)Universal Pictures
【2017年度 Myランキング】(4/16時点)
本作は、本年度のワースト3中1位(暫定)にランクイン。
咳喘息か?
(ベスト)… ★★★☆以上が基準
1位:沈黙 -サイレンス- ★★★★☆
2位:愚行録 ★★★★
3位:パージ:大統領令 ★★★★
4位:チア☆ダン ★★★★
5位:暗黒女子 ★★★★
6位:ザ・コンサルタント ★★★☆
7位:マグニフィセント・セブン ★★★☆
8位:サバイバルファミリー ★★★☆
9位:キングコング 髑髏島の巨神 ★★★☆
10位:SING シング ★★★☆
次点:
(ワースト)… ★★☆以下が基準
1位:グレートウォール ★★
2位:トリプルX:再起動 ★★☆
3位:ゴースト・イン・ザ・シェル ★★☆
<その他ランク外一覧>
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