「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」　★★★～少しだけ勘を取り戻したティム・バートン

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

少しだけ勘を取り戻したティム・バートン ★★★

【　出演　】エバ・グリーンエイサ・バターフィールドサミュエル・L・ジャクソンルパート・エベレットアリソン・ジャネイ

【あらすじ】

　孤独な少年のジェイクは、祖父だけが心のよりどころだった。

　しかし、そんな祖父が突如謎めいた死を遂げ、祖父の遺言に従って小さな島を訪れる。そこでジェイクは森の奥で古びた屋敷を発見、美しいミス・ペレグリンと不思議な能力を持った奇妙なこどもたちが暮らしていた。

　彼らと心を通わせたジェイクは、そこで祖父の死の真実を知り、屋敷に迫る魔の手に彼らと立ち向かってゆく―

【コメント】

　さて、GWを過ぎたこの時期は、どうにも劇場で観たい映画が少なく、ついでにGWでお金も使い過ぎたので、節約も兼ねて久しぶりに土曜の夜はに引き籠っとこうと思い、それでも映画は観たいわけで、いつものTSUTAYAに寄ってみたところ目についたのが本作。

　劇場公開時、映画館で観ようかどうか迷った本作ですが、どうにも昨今のティム・バートン印は微妙な作品が多かったので結局スルー。ここでめでたくレンタル開始ということで、引き籠って観るにはうってつけだと手に取った次第です。

　うむ、なるほど。ティム・バートン監督、ちょっとだけ往年の勘を取り戻したようですな。バートンらしい摩訶不思議な世界観と、漫画から飛び出したかのようなユニークなキャラたち、そしてちょっとダークなファンタジーの世界。悪くないと思います。

　もっとも、ストーリーが微妙に分かりづらかったのは僕だけでしょうか、世界観が独特なので展開がイマイチスッと呑み込めなかったのは悔しいところ。悪役のサミュエル・L・ジャクソンが唐突に登場するので、展開の強引さも否めないところでしょうか。まあでも、往年のティム・バートンの世界観をもう一度観たいと思っていた人からすれば、それなりに満足する映画だと思いますね。

　いやしかし、ミス・ペレグリン役だったエバ・グリーンは美しいですねー。過去の出演作品を紐解くと結構観ている作品が多いにもかかわらず、あまり意識して観ていませんでしたね。本作に観るエバ・グリーンは、美しくも規律を重んじる厳格で品がある貴族といった趣があって、本当にぴったりハマっているというか、エバだからこそ演じられたといっても過言ではないくらいの存在感を出していましたね。これからもエバ・グリーンに注目していきたいと思います。

　そんなわけで、ティム・バートンの往年の片鱗を垣間見ることができた本作ですが、これから先も独特のファンタジックな世界観で観客を楽しませてほしいですね。