「ペット檻の中の乙女」　★★★～なかなかに練られているがやっぱり地味

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。

「『シネマ報告書2017』の掲載にあたって」

なかなかに練られているがやっぱり地味 ★★★

【　出演　】ドミニク・モナハンクセニア・ソロジェネット・マッカーディ

【あらすじ】

　動物保護センターで働いてるセスは、偶然バスで同級生だったホリーと出会うが、ホリーはセスのことを覚えておらず邪険にされてしまう。

　セスはSNSを使ってホリーのことを調べ上げ、ついにホリーを拉致、職場の地下にある檻に監禁してしまう。しかし、セスとホリーの立場が次第に逆転していき、予想だにしない事態に陥っていく―

【コメント】

　さて、今回は行きつけのTSUTAYAでこれはちょっと気になっていて、いつか観てみようと思っていた本作をチョイス。

　本作は、「未体験ゾーンの映画たち2017」で公開された一本で、どこぞの映画祭で脚本賞を受賞したというもの。まあ、いつもの宣伝方法なので所詮はB級だろうと感じつつも、そこは一見してから判断しようと手に取ってみた次第です。

　うむ、なるほどね。まあまあこんなもんでしょう。映画祭で脚本賞を受賞しただけあって、なかなかに練られています。とはいっても所詮はB級、地味な感じは否めませんが。

　物語の前半は、奥手なオタクっぽい男が可愛い女の子にご執心してしまい、たまらず拉致監禁してしまうという、観たことあるようなストーカー系の展開なわけですが、後半からストーカーのオタクくんと檻に監禁されてしまった女の子の立場が徐々に変わっていき、ついには女の子が檻の中からオタクくんを洗脳してしまい死体解体をさせてしまうという逆転の展開があって、監禁された女の子が実は・・・といった、ただのストーカーものにはしなかった発想は面白い。もっと抑揚がある展開のほうがスリラーものとして面白かったと思いますけどね。途中の会話シーンなんかはちょっとグダったし。まあでも、お金がほとんどかかっていない分、ひねったシナリオで見せようとする意気込みは感じられましたね。

　セス役のドミニク・モナハンなる役者、どっかで見たことあるなーと思っていたら、TVドラマ「LOST」に出てた人だね。奥手で臆病な感じの役はピッタリですな。

　そんなわけで、まあまあ楽しめたといったところでしょうか。意外な展開が魅力のストーリーなので悪くはなかったです。B級はB級ですけどね。