
今回の探石は、新年早々安倍川に戻っての水石探しです。
上の写真を見て貰えれば分かりますが、川原の石も霜が降りて真っ白な状態。
この季節の安倍川は、無茶苦茶寒かったです。
一応、防寒はしっかりやっていますが、霜で石が滑るので転倒には注意したいところ。

ということで、しばらく歩いて先ず目に留まったのがこちらの石。
ユニークな形をしていますが、安倍川の「馬蹄石」です。
形全体に動きはあったのですが、特に見立てらしきものも無い上に、風化面の泥落としも大変そうなので、そのまま置いて来ました。

次に見つけたのが、こちらの石。
霜で表面が真っ白になっていますが、質の良い安倍川の「真黒石」です。
安倍川の真黒は硬く質が良いのですが、最大の難点は形が出難いところ。
割れ方の方向が決まっていて、どちらかと言えば段石や土坡石になりやすいタイプ。
この石は、石英が抜けた後の特徴的なジャグレがあって、島形にはなりそうなので一旦持ち帰って見立ててみることにしました。

そして、最後に拾ったのが、安倍川の「縮緬馬蹄石」です。
霜で真っ白な上に、下の石とも擬態していて、これでは何が何だか分かりませんね。(^^;)
とは言え、かなり見所のありそうな石だったので、即持ち帰り決定になりました。
縮緬馬蹄石というのは、縮緬石のような雰囲気もありつつ、馬蹄石のような質感があるという石です。
縮緬石のようにポロポロと崩れることも無いですし、馬蹄石のような泥落としもしなくてよいという。
地元の愛石家の方々が縮緬馬蹄と呼んでいるのですが、縮緬石でもなく馬蹄石でもない、どちらかと言えば加茂川の石に雰囲気は似ていますね。
硬質で爪で叩いただけでもカンカン♪と金属音がして、養石をしたかのような渋めの黒色で、重く質的には申し分ありません。

ついでに、こんな石にも目が留まりました。
翡翠ではなく珪灰石なのですが、小さな白い山形の石。
手のひらにのるようなサイズ感で、こうして見ると理想的な遠山石の形を成しています。

ただ、上から撮ると右端に逃げがありました。
逆に手前側に曲がっていれば、構えがあってよかったのですが、理想の山に出会うのは難しいですよね。
もちろん、この石は置いて帰りました。
そして、持ち帰った石たちを我が家の水盤で見立ててみることに・・・

先ずは、真黒石のほうですが、質はかなり良かったです。
見立てとしては、一応島形としては観れますが、もう少しという感じですね。

上から撮りましたが、ジャグレが特徴的で悪くないのですが、私が思い描く山水景情とは違うのですよ。
不自然というか、何というか・・・
ただ、伊豆の海岸に行くと柱状節理と言って、この手の磯の形状はあったりします。
そんなことを考慮しながら、こんな見立てに変えてみました。

深めの水盤限定ですが、立てると柱状節理の島形石にも見えます。
これも悪くはないのですが、どうしても無理やり感が否めない。
真黒石としての質は良かったのですが、これだと水石展には出せないレベルなので、残念ながら次回帰ってもらうことにしました。

そして、最後は個人的に一番期待しているこちらの縮緬馬蹄石。
先ほどの写真では、霜だらけになっていて分かり難かったのですが、水石としては優れた薄物の石です。
長物とか薄物というのは、水石界の間では特に好まれる傾向があるようで、折れたり割れたりせずに残ったということから珍重されているのかもしれません。
この石は、正にその薄物というやつですね。
さっそく、水盤に見立ててみると・・・

これこれ、私が思い描く山水景情は!
さすがに薄物だけあって、水盤での見立てがしっくり来る。
全体の縮れが、まるで自然の荒磯を彷彿とさせている理想的な磯形石でした。

近くに寄って撮りましたが、水石に必要なのは、やはりこの詫び寂びではないかと・・・
この縮緬馬蹄石の良い点は、濡れると真っ黒になるのですが、乾いても養石したような雰囲気が楽しめる。
水石として使うには、申し分ないですね。

上から撮りましたが、欲を言えばもう少し全体の形に変化が欲しいところですが、底切りとかはしていないウブ石なのでね。
これだけ形が出ていれば、もう十分ではないでしょうか?
その上、石に厚みがないので、浅めの水盤にも余裕で対応が出来ます。

この石英脈も、変化があって良い感じ。
ちょうど、磯に波が被って、泡と共に海水が流れ落ちる様子が見事に再現されています。
滝石と一緒で、景色に動き(物語)があるというのは、水石として大切な要素ではないかと。
先程の真黒の島形石だと展示会に出品するのは少し難しいのですが、これなら水石展でも出品できるのではないでしょうか?
もちろん、抽象形という新たな分野で裾野を広げることも必要ですが、今回は「山水景情」の形にはめ込む大切さというのを改めて感じました。
特に水盤石の場合は、そこを意識すると見立てた時にバシッと決まりますね!
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