宮城旅行記2 松島散策(前編) | 晴れのち曇り時々Ameブロ

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晴れのち曇り時々Ameブロ-西行戻しの松から眺める松島湾

日本三景の一つに数えられ、あの松尾芭蕉もその素晴らしい景観に絶賛したほど、風光明媚で知られる三陸の景勝地「松島」。
松島といえば、遊覧船での島めぐりや子供達に人気のマリンパークが有名ですが、夕刻になると鐘が鳴る門前町としての顔も併せ持っています。
そんなもう一つの松島を、今回は“女性向けの旅”をテーマにして、パワースポットや美味しいお店を訪ねて歩いてみたいと思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-JR仙石線松島海岸駅

旅の始まりは、まずこちらから!JR仙石線の松島海岸駅です。
東北本線の松島駅でも良いのですが、繁華街まで少し歩くことになるので、こちらの松島海岸駅のほうがよろしいかと思います。
駅前の観光案内所で「散策マップ」を貰い、ここから松島横道散歩のスタートです。
松島海岸駅には、コインロッカーもありますし、観光案内所では荷物の一時預かりも行われているようでした。
ガラガラなどの大きな荷物は、コインロッカー等に預けるのが良いでしょう。
コインロッカーは、遊覧船の待合所にもありました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-松島の裏路地

松島の寺院は、メインストリートから一つ奥に入った道沿いに並んでいます。
高台ではなく、比較的海岸に近い場所に位置する松島の寺院、あの東日本大震災で発生した大津波も、お寺の門前でピタリッと止まったという話を聞きました。
松島湾に浮かぶ島々に守られ、被害を最小限に抑えられたとも言われていますが、何かちょっと不思議なパワーを感じずにはいられない町。
科学的な根拠とか、お堅い話は別にして、“旅行”というのはそのようなきっかけから始めてみるのもアリですよね。(^_^)
そんな不思議な松島の横道散歩、まずは東北を代表する名刹「瑞巌寺」から訪ねてみることにしまた。

晴れのち曇り時々Ameブロ-瑞巌寺参道

松島湾に面した総門を抜けると、杉林に囲まれた参道が瑞巌寺まで続いています。
青龍山瑞巌寺は、平安時代の828年に比叡山延暦寺第三代座主の慈覚大師により開かれました。
慈覚大師は、瑞巌寺を創立後、850年には平泉の毛越寺や中尊寺、また860年には立石寺(山寺)を次々と開山するという偉業を成し遂げた人物。
四寺を開創した背景には、平安京をも凌ぐ風水思想が深く関わっているとも伝えられています。
古来からの力が今も脈々と息づく名刹瑞巌寺、さっそく境内に入ってみると・・・

晴れのち曇り時々Ameブロ-庫裡(瑞巌寺)

現在、大修理中につき平成28年3月頃まで国宝に指定されている本堂をはじめ、国の重要文化財でもある御成門など中心となる建物はすべて非公開、公開中の庫裡ですら外観はこんな状態。(^_^;)
しかしながら、普段は決して目にすることができない庫裡(くり)の内部や、大書院に安置されているご本尊、三代開山木像、及び陽徳院御霊屋(おたまや)が期間中は特別に公開されていました。
撮影が禁止されていたことから、残念ながら写真には収められませんでしたが、御霊屋は周囲の杉林に映える豪華絢爛な造りで、趣がありとても良かったですよ。

晴れのち曇り時々Ameブロ-夫婦欅(瑞巌寺)

ということで、さっそく最初のパワースポット発見!
境内にある「夫婦欅」、樹高25メートル、幹周り7メートル、樹齢300年とも伝えられる見事なご神木で、昭和45年に町の天然記念物に指定されました。
どこの神社・仏閣でもそうなのですが、遥か昔からその場所に鎮座している御神木というのは、やはり外すことのできないパワースポットといえます。
岩の切通しの真上から、何百年もの長きに渡り参拝者を見守り続けてきた夫婦欅、空を見上げながら願いを込めて祈るのも、何か大きなご利益がありそうですよね。

晴れのち曇り時々Ameブロ-法身窟(瑞巌寺)

境内には、夫婦欅の他にもパワースポットがあり、こちらの「法身窟」もその一つではないでしょうか?
法身窟は、京都天竜寺の開祖でもある夢窓国師が、ここを訪れた際に無人の窟内から摩訶止観を講ずる声が聞こえたという言い伝えが残されている場所です。
一見すると怖めなパワースポットですが、その力は古の偉人たちにより立証済み?
悪い邪気を一瞬にして払い除けるような、そんな強烈なパワーを感じずにはいられませんでした。

晴れのち曇り時々Ameブロ-洞窟群


瑞巌寺周辺にある洞窟の多くは、所によっては修行の場であったり御霊を安置する場であったりと、其々が別の目的で造られていました。
参道に平行して並ぶこちらの洞窟群は、修行の場ではなく納骨や供養をするためのものだったようです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-五大堂(松島)

松島といえば、湾に突き出た小さな島に建つ「五大堂」が有名ですよね。
西暦828年、慈覚大師が瑞巌寺の前身としてこの場所に松島寺を開創し、五大明王を祀ったことからそう呼ばれるようになりました。
現在の建物は、1604年に伊達政宗の命を受けた紀州の名工「鶴衛門家次」によって建てられたもので、国の重要文化財に指定されています。

晴れのち曇り時々Ameブロ-五大堂(松島)

ここまで歩いてみて、松島は瑞巌寺の門前町として繁栄したということを、皆さんにも理解していただけたかと思います。
そこで次は、現在特別公開されている陽徳院の他にも、松島には瑞巌寺の別院ともいうべき素敵なお寺がありますので、その幾つかを紹介させてもらいます。

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院山門

松島湾から向かって、中央が瑞巌寺、右が陽徳院、そして左に位置するのが写真の円通院です。
円通院は、正保3年(1646年)に伊達政宗公の嫡孫にあたる光宗君の菩提寺として創建されました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-縁結び観音(円通院)

山門をくぐると、さっそくありました!>パワースポット。
縁結び観音様です。
竜に乗った観音菩薩で、竜は男性を菩薩は女性を表していると伝えられています。
男女に限らず、今まで縁のなかった人をとりもつとの話。
訪れた全ての人を包み込むような、優しい空気が流れるパワースポットという印象を受けました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院境内

こちらの円通院は、ミシュランで二ツ星を獲得するほど庭園が素敵なお寺で、石庭をはじめ遠州の庭や禅林瞑想の庭など、四季折々の趣を楽しむことができます。
その幾つかを、これから紹介させていただきます。

晴れのち曇り時々Ameブロ-石庭「天の庭」と地の庭」(円通院)

まずこちらが、石庭「天の庭」と地の庭」です。
カッコを一つ付け忘れたようにもみえますが、パンフレットにもこんな感じに掲載されていました。
恐らく、カッコを一つ外すことによって、文字で庭を表しているのだと思います。
わたくしが立っている石畳が地の庭、奥が天の庭で、須弥山を中心とした松島湾に浮かぶ島々を表しているとのこと。
ふたつの庭は、天水橋により繋がっていて、「地の庭=現世」「天の庭=来世」、現世よりも高い位置に来世があり、現世でたたかれ磨かれて成長した後に、人は来世に向け旅立って行くという理解でよろしいかと思います。

まずいな・・・わたくしも、もう少し頑張らないと橋の手前で門前払いになってしまうかもしれない!(笑

晴れのち曇り時々Ameブロ-七福神庭園(円通院)

写真は、天の庭にある七福神庭園。
手前の島から大黒天、布袋尊、毘沙門天、福録寿、寿老人です。
ごめんなさん、弁財天と恵比寿様はファインダーに入りきりませんでした。m(__)m
松島湾の穏やかな波を表した紋様が、とても美しく目に映りました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-禅林瞑想の庭(円通院)

次に紹介する庭園は、「三彗殿・禅林瞑想の庭」。
凛とした空気が漂う、文字通り瞑想するのにはふさわしい庭園です。
林の中に続く遊歩道を進むと、奥には国指定重要文化財「三彗殿」が静かに佇んでいました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-三彗殿(円通院)

三彗殿は、正保3年(1646年)に当時19才という若さで亡くなった光宗を悼んで、二代藩主忠宗により創建されたものだそうです。
宝飾や留金など、要所にハートやクローバーをはじめとした西洋の紋章が使われたことから、鎖国制度を施行していた江戸幕府を欺くため、表向きは伊達家の霊廟とのたてまえで、実に3世紀半もの長きに渡りその扉は固く閉ざされていました。
伊達政宗という人物は、広く世界に目を向けていたことから、西洋文化とのつながりも深かったようです。
1613年に、支倉常長をはじめとした使節団をヨーロッパへ派遣したことは、文献上でも知られているところです。

実は今回、翌日に雪が降ったことから、数珠作り体験をするため円通院へは2日間通いました。
ということで、雪景色の庭園も一緒に掲載させてもらいます。

晴れのち曇り時々Ameブロ-三彗殿(円通院)

まずは雪化粧をした三彗殿。
やっぱり、東北の寺院は雪が似合いますね。

晴れのち曇り時々Ameブロ-白華峰西洋の庭(円通院)

西洋の様式を随所にとりいれた円通院、別名「バラ寺」とも言われ、境内には仏教とキリスト教の出会いにより生まれたバロック風庭園「白華峰西洋の庭」があります。

晴れのち曇り時々Ameブロ-白華峰西洋の庭(円通院)

春先になると美しい花を咲かせる薔薇の庭も、今はまだ深い眠りに就いていました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-遠州の庭(円通院)

こちらは、遠州の庭。
伊達藩江戸屋敷にあった小堀遠州作の庭園を移設したと伝えられ、心字の池には季節になると蓮の花が大輪を咲かせるそうです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-遠州の庭(円通院)

雪景色は、こんな感じです。
この庭が一番綺麗なのは、紅葉の時期との話でした。
その類稀な美しさから、近年では大手液晶テレビのCMで使われたり、有名ミュージシャンが全国向けの映像で曲を披露したとのこと。※ガイドさん談
ライトアップもされるということなので、ぜひ秋に一度訪れてみたいところです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院本堂(大悲堂)

池の畔にひっそりと佇んでいるいるのが、萱葺造りの本堂「大悲亭」です。
こちらの大悲亭は、元は光宗君江戸納涼の亭で、現在の汐留付近にあったものを、愛息の早逝を悼んだ忠宗公が江戸から船で運びこの場所に移築しました。
その後、江戸(東京)は大火・震災・空襲に見舞われ、殆どの歴史建造物が焼失したことから、現存する当時の建物としては貴重なものだそうです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院本堂(大悲堂)

雪が降るとこんな感じ。
雪景色と萱葺の建物って、何故か合いますよね。
二日目の目玉でもあった数珠作り体験も、こちらの本堂で行われていました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-数珠作り体験(円通院)

22種類の天然石を、自分の好みで一つ一つ組み合わせていく・・・
こういう体験教室は、意外に少ないのではないでしょうか?
女性ばかりかと思っていましたが、当日はカップルや小団体の方々も居たことから男女問わず賑わっていました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院をイメージした数珠

そして、こちらが今回作った数珠。
円通院をイメージして、石を組み合わせてみました。
円通院さんって、こんな感じのお寺です。

「その人の意思に応じて」という趣旨には私自身も賛同でき、その時の気分で選んだ石がその人に今必要なパワーストーン、この数珠からも確かにそう感じます。
お寺ということもあり、天然石ビーズで四千円という値段も良心的だと思いました。
事前予約も必要なく、入口の受付で申し出れば拝観料も無料になりますので、ぜひ気軽にご参加ください!

晴れのち曇り時々Ameブロ-円通院境内

「楽しい!」との理由で、ミシュランで二ツ星を獲得したようですが、今回訪れて庭園を観て数珠作りの体験をして、本当に楽しかったです。
その上、2日目は雪景色というサプライズもあり、私的には二ツ星どころか三ツ星をあげたいぐらいでした。
松島に来られた際には、ぜひ是非お立ち寄りください。
運がよければ、ガイドさんが境内を丁寧に案内してくれるかもしれません。

晴れのち曇り時々Ameブロ-子育水子地蔵尊(天麟院)

周辺には、他にも寺院や旧家が沢山あり、こちらの天麟院は伊達家縁のお寺で、円通院のすぐ隣にありました。
見所は、高さ6メートルもある子供を抱いた「子育水子地蔵尊」、大理石でつくられた地蔵尊としては、東北髄一だそうです。
その姿からも、優しさが十分に伝わってきますよね。

晴れのち曇り時々Ameブロ-御水主町の民家

円通院の正面に建つこちらの旧家は「御水主町の民家」といい、町の文化財に指定されています。
御水主町というのは、仙台藩主などが訪れた際、松島遊覧の御座舟(ござぶね)を操った水夫が集団で住んでいた町。
昭和51年に、最後に残った1棟をこの場所に移築復元したとのことでした。
週末は、甘味処としても開放しているようです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-三聖堂

御水主町の民家のすぐ隣にあるのが、写真の「三聖堂」です。
天和2年(1682年)瑞巌寺101世鵬雲により建てられたもので、中央に聖観世音菩薩、左に達磨大師、右に菅原道真を安置したことから三聖堂と名付けられました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-藤田喬平ガラス美術館

さて、今回は女性向けの旅ということで、もう1箇所紹介させてもらいます。
繁華街から少し離れた静かな場所、喧騒から離れてゆっくり時間を過ごすには最適です。

晴れのち曇り時々Ameブロ-藤田喬平ガラス美術館

世界的に有名なガラス工芸家の藤田喬平氏、その素晴らしい作品の数々を展示しているのが、こちらの「藤田喬平ガラス美術館」です。
彼は若い頃にイタリアへ渡ったのですが、その時に見たベネチアと松島の風景がよく似ていたことから、この地をこよなく愛されたそうです。
館内は、主に海や花をテーマに構成されていて、ベネチアと松島をイメージした作品を多く見て取ることができました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-藤田喬平ガラス美術館

こちらは、睡蓮をモチーフにした作品。
日本の四季を、ガラスを用いて見事に表現されています。

晴れのち曇り時々Ameブロ-藤田喬平ガラス美術館

フジタのドリームボックスと呼ばれている作品です。
江戸時代の小箱をモチーフにしたのでしょうか?
洋と和の融合、素晴らしいですね!

晴れのち曇り時々Ameブロ-ガラス美術館(売店)

ミュージアムショップでは、ライフスタイルを豊かにする食器や小物・アクセサリーが販売されています。
観光客もそれほど多くなく、久しぶりに心落ち着けてゆっくりとした時間を過ごすことができました。
まさに癒しのパワースポット、館内には喫茶コーナーもありますので、女性同士旅の談議に花を咲かせるのも良いかもしれません。

晴れのち曇り時々Ameブロ-松島保育園

瑞巌寺の門前町でありながら、どことなく異国の香りが漂う松島の横道散歩、今まで皆さんがイメージしてきた日本三景松島とは、また違った魅力的な一面が見れたのではないでしょうか?
もうひとつの松島を訪ねる旅は、まだまだ続きます。
旅行後編では、私がセレクトしたお店(グルメ情報)を紹介したいと思います。