山形旅行記2 市内散策(後編) | 晴れのち曇り時々Ameブロ

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晴れのち曇り時々Ameブロ-山形市内で見かける蔵

前編では、国の重要文化財に指定されている代表的な歴史的建造物を紹介しましたが、今回は明治大正時代に建てられた店舗や蔵を探しながら、市内各所を歩いてみたいと思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-神社と桜

山形市内というのは、明治時代に二度の大きな火災に見まわれ、それ以前にあった殆どの家屋が焼失してしまいました。
当時、近代化を目指していた市政に加え、紅花交易で財を成していた商人を中心に擬洋風建築を建てる風潮が見られ、その時に建てられた店舗や蔵が今も市内七日町通り(羽州街道)周辺に幾つか残っています。
まずは、旧山形師範学校から七日町商店街に向かって歩いてみることにしました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-四山楼

最初に見つけたのが、蒼色の外壁が目を惹く明治6年創業の老舗「四山楼」です。
四山楼(しさんろう)というのは、あの伊藤博文が命名されたそうです。
高級料亭のようなので、わたくしが入るのは・・・ちょっと無理かな。(^_^;)

晴れのち曇り時々Ameブロ-キッチン友

ということで、昼時になりお腹が鳴り始めたことから、次に紹介するのは偶然立ち寄った洋食屋さん「キッチン友」です。
メニューは比較的少なめ、カレーやハヤシ、メンチカツなどですが、今回はメニューの一番上に書かれていた750円のハンバーグ定食を注文してみることにしました。
ハッキリ言って、こんな美味しいハンバーグを食べたのは、生まれて初めてでした。

まずデミグラスソースですが、賓があって雑味無し、軽やかな奥深さが特徴の丁寧に作られたソースだと思います。
また焼加減が絶妙で、外はカリッと中はジューシーに、完全に肉の美味しさを生かしきっていました。

昔、東京に出ていたという話を聞いたので、恐らく一流ホテルの厨房で長年やられていたシェフなのかもしれませんね。
このハンバーグを食べられただけでも、山形に来て良かったなという気持ちになってしまいまいた。

晴れのち曇り時々Ameブロ-丸八やたら漬け

さて、お腹も満たされ次に向かったのが、そこから5分ほど歩いた場所にある漬物のお店「丸八やたら漬け」です。
創業は明治18年、当時は味噌・醤油の醸造が本業で、副業として漬物の製造販売をしていたのですが、後に漬物の専門店になったそうです。

店舗横にある蔵は大正時代のもので、お食事処として今も使われています。
店内では、売られている漬物の試食もできる上、丁重にお茶まで出してくれました。
お土産にちょっと辛めな味噌南蛮を買った後、七日町通り沿いにある「水の町屋七日町御殿堰」へ向かいました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-水の町屋七日町御殿堰

こちらは、市内の活性化を図るために2010年から運営を始めている複合商業施設。
館内には、地元の特産品や飲食店が軒を並べている他、裏手にも古い蔵を改装した喫茶店やアクセサリーショップがあるので、散策がてらちょっと足を止めてみるのも良いかもしれません。
昔の遊郭を模して造ったのでしょうか?観光客が芸妓さんと一緒に記念撮影をしている姿を見かけました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-大沼デパート

さらに七日町通りを歩くと、右側に「大沼デパート」が見えてきます。
少々脱線気味になってしまいましたが、実はこのデパートは創業1700年の老舗で、地元特産品の販売も行なっているようです。
ある意味、山形の歴史を長年見つめてきた生き証人的存在かもしれません。

晴れのち曇り時々Ameブロ-吉池小児科・皮膚科医院

大沼デパートを過ぎてしばらく歩くと、通り沿い左側にひときわ目立つ石造りの建物「吉池小児科・皮膚科医院」が見えてきます。
正門の表札には吉池眼科と彫られていたので、先代の先生は眼科をやられていたのかもしれませんね。
恐らく、大正時代の建物だと思うのですが、ちょうど休診日だったことから詳しい話を聞くことができませんでした。

晴れのち曇り時々Ameブロ-のむらや

吉池医院の数軒隣りにあるレトロな店舗が、布団販売店の「のむらや」です。
明治後期の建物でしょうかね?貴重な歴史遺産を極力傷つけず、上手く店舗として利用している良い例だと思います。
市内を歩いていると、こんな感じの家もボチボチ見かけることがありました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-山形まるごと館紅の蔵

そこから、通り沿いをしばらく歩くと「山形まるごと館紅の蔵」があります。
創業時は呉服屋でしたが、電気屋・民家を経て現在は市が運営する複合商業施設になっています。
地場産品販売や飲食店、観光情報館等が入っている施設で、中でも一番古い蔵は明治34年に建てられたものだそうです。
市内散策の拠点とするには、便利で最適な施設ではないかと思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-キャラメルフィールド

さらに歩いていると、こんな可愛らしい雑貨屋さんを見つけました。
「キャラメルフィールド」というお店で、地元の女の子たちには人気があるようでした。
昭和30年~40年頃の建物でしょうかね?
古い建物を改装し、お洒落に利用されていると思います。

晴れのち曇り時々Ameブロ-丸十大屋

先ほどの雑貨屋さんから少し歩くと重厚な門構えの建物が見えてきました。
こちらは「丸十大屋」という味噌・醤油の醸造元です。
創業は1844年で、当時は紅花商を営んでいましたが、明治中期より醸造業を始めて現在に至っています。

この蔵も、恐らくその頃に建てられたものだと思われます。
山形の商人は、江戸時代は紅花商人と呼ばれ、染料でもある紅花交易で財を成しましたが、明治に入り化学染料の普及により他業種へ転身した方々が多いようです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-乃し梅本舗「佐藤屋」

丸十大屋の数軒隣りにある和菓子の老舗が、乃し梅本舗「佐藤屋」です。
創業は文政年間、約190年の歴史があり、店舗の建物自体は昭和4年に建てられたとの話でした。
山形伝統のお菓子を製造販売しているので、旅のお土産にいかがでしょう?
購入したこちらの「まゆはき」というお菓子も、さっぱりしていて美味しかったです。

晴れのち曇り時々Ameブロ-まゆはき

市内の歴史的建造物は、まだまだあります。
ということで、佐藤屋から一つ目の信号を右に曲がり、男山酒造へと足を進めてみることにしました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-山形商事

その途中にあったのが、山形商事という会社の倉庫です。
こちらも、明治後期に建てられたものと思われます。
殆ど手直しもせずに当時のままの姿で残っているのは、かなり貴重な建物の一つといえるのではないでしょうか?

晴れのち曇り時々Ameブロ-稲垣仏壇店

その数軒先にあるのが、写真の「稲垣仏壇店」です。
こちらは、昭和初期の建物でしょうかね?
和菓子の佐藤屋さんと同じ頃に建てられたものと思われます。
2階の格子が、何とも言えない風情を醸し出していました。

晴れのち曇り時々Ameブロ-男山酒造

そして、稲垣仏壇店の向かいにあるのが東北を代表する醸造元「男山酒造」です。
右の木造店舗が昭和初期、左の蔵が大正時代といったところでしょうか?
創業自体は、寛政元年ということでした。
蔵の見学や試飲もできるみたいですね。
私自身、お酒は殆ど飲まないのですが、昔蔵王からのスキー帰りに友人が美味しい美味しいと言って飲んでいたのを今でも鮮明に憶えています。

晴れのち曇り時々Ameブロ-山形市内から見た月山

今回、電車の都合もあり6時間という限られた中での市内散策だったのですが、歩き方によってはこれだけ楽しむことができました。
私的旅行の楽しみ方、「細かいところまで見る」これに尽きると思います。
自分の中でテーマを決めて歩いたり、ボランティアガイドさんに案内してもらうというのもひとつの手かもしれません。
そうそう、街中散策用に観光協会でレンタサイクルもやっているようなので、そちらも利用してみてはいかがでしょうか?

古から脈々と伝統を受け継ぐ老舗や蔵元の数々・・・
東北山形、もう一度訪れてみたい町がまたひとつ心の中に残りました。(^_^)
地元の皆さん、ボランティアガイドの皆さん、本当にありがとうございました!
因みに写真の雪山は、山形市内から見た出羽三山の一つ「月山」です。
次回の散策では、山形市からも程近い観光名所、あの有名な「山寺」を紹介したいと思います。

【関連リンク】
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山形市観光協会
山形まるごと館紅の蔵
水の町屋七日町御殿堰
味噌・醤油「丸十大屋」
乃し梅本舗「佐藤屋」
山形の地酒「男山酒造」
お漬物処「丸八やたら漬け」
蔵座敷の料亭「四山楼」
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