旅行2日目、子供の頃から夢見ていた風景に会いに行ってみることにしました。
そこは、山形駅から仙山線に揺れること20分、着いた場所はみちのくの小さな駅。
駅舎の入口には、懐かしい朱色のポストと見晴台と名づけられた小さな物見櫓が・・・
そう、ここは東北隋一の名刹、あの有名な山寺こと立石寺です。
5月の連休に入っているというのに人は疎ら、遠くの山々にはまだ雪が残っていて、ちょっと肌寒い朝だったな~
お土産店や飲食店が軒を並べる門前町を抜けると、はい着きました。
立石寺の参道入口、今日はここから歩いてみたいと思います。
石段を上るとすぐに見えるのが根本中堂、凄いね!延文元年(1356)に再建されたもので、ブナ材の建築物では日本最古なんだって。
さっそく本堂前にある櫨で、香の煙を体にかけて、ご利益沢山ありますように。。。
根本中堂から山門に向かって歩いていると、こんな大きなこけしを見つけました。
石でできたこけし、こけし塚です。
東北地方の民芸品といえば、こけしが有名ですもんね。
産地によっても、びみょ~に姿形が違うみたいですよ。
こけしの中でも、姿がずんぐりむっくりしてるやつは、耐震構造ということらしいです。
そして、やっと目的地の山門に到着♪ってここからが本番です。(^_^;)
入山料を納めて、これから奥の院までの800を越える長い石段が待っています。
立石寺を楽しむ=山登りを楽しむべし!
と、意気込んで登り始めたのはよいのですが、さっそくこれです。(笑
でもね~たぶん香川の金毘羅さんより楽だと思う。(=゜-゜)(=。_。)
登る前に、途中で売ってた名物の焼餅、たべておけばよかった。
石段の途中に、姥堂という苔むした小さなお堂を見つけました。
東北は、人も建物も素朴で温かい感じがします。
姥堂を過ぎると、いよいよ道は険しくなり、ここからは四寸道と呼ばれる修行者の道、一段ずつ欲望や汚れを落としながら登り、明るく正しい人生にということだそうです。
人生も、山登りと一緒なんですね。
四寸道を抜けると、せみ塚という所に出ました。
「静けさや、岩にしみ入る蝉の声」この山寺は、松尾芭蕉縁の地でもあります。
芭蕉の句をしたためた短冊を、この場所に埋めたことから、せみ塚と呼ばれている。
せみ塚から少し上がると、弥陀洞という大きな一枚岩の横に出ます。
風化で削り取られた窪みが、阿弥陀如来の姿をしているということなのですが・・・
皆さん、ちゃんと見えましたか?
わたくしには、ちゃんと見えましたよ。
この阿弥陀如来様は、目で見るのではなく心で見るのです。(謎
心の目を持っている人のみが見ることのできる如来様、なんか素敵ですね。(^_^)
大木が林立する山道を抜けると、眼前にどっしりと構える仁王門が見えて来ます。
この門は、嘉永元年(1848)に再建されたもので、左右に安置されている仁王像は、創建された慈覚大師様のお弟子さんたちによって彫られたと伝えられています。
この門を堺に、空気が急に変わったような気がしました。
ここから先は特別な場所、仁王様に睨まれないように、邪心を捨てて入山しないと!
仁王門から上は、風景が一変します。
奇岩が連続する自然の造形美、まるで箱庭のようですね。
下に見えるのは、観明院、性相院、金乗院と続く山内支院と呼ばれる修行のための寺院です。
ということで、山内支院を代表する4箇所を一挙紹介、さながら四天王といったところでしょうか?
① 性相院(しょうぞういん): 本尊は阿弥陀如来
② 金乗院(こんじょういん): 本尊は延命地蔵菩薩
③ 中性院(ちゅうしょういん): 本尊は阿弥陀如来
④ 華蔵院(けぞういん): 本尊は観世音菩薩
写真は、華蔵院からの眺め。
中性院の前に咲いていた桜の木が、ちょうど見頃を向かえていました。
ちょっとホッとするひととき。。。
そして、いよいよ奥の院へと足を進めます。
左が大仏殿、右が奥の院。
一見するとひとつの建物に見えますが、ちゃんと区別されているようです。
大仏殿には、高さ5メートルの黄金色に輝く阿弥陀如来が安置されています。
山門から800段余り、いや~ここまでよく登りました。
・・・と、言いたいところなのですが、まだゴールではありません。
山寺といえば、東北寺院随一の眺望、その眺めを堪能すべく開山堂と五大堂へ向かうことにしました。
おー!これは素晴らしい!!
これぞ山寺、ザ・山寺といった感じですね。
この開山堂は、慈覚大師のお堂で、根本中堂同様に国の重要文化財に指定されています。
まるで水墨画を思わせるような、見事な佇まいでした。
さて、いよいよクライマックスの五大堂へと向かいます。
切り立った狭い岩場を抜けると・・・
見てください、この素晴らしい眺めを!
風がやわらかいな~♪
子供の頃から見たかった風景が、今目の前に広がっています。
やっと、ひとつ夢を叶えることができました。
今回、東北山形を旅して感じたこと。
みちのくは、人も建物も風景もみな温かかったです。
ぜひ、次は誰かと一緒にもう一度訪れたいなと思いました。
“ありがとう”